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〜靴の修理編〜



ソール(靴底、主に前半分)に関する質問



<爪先が減るのですが… Part 1>
Q 新しい靴をおろして履きますと、どうしても先が減ります(日本人の特性だそうですが)。あるところでは、 「最初に爪先だけゴム等を貼った方がいい」とのアドバイスがありました。
確かにもともと爪先にゴムや金属を貼っているものがあります。しかし、とあるところでは「爪先が減ってくるが、そのあとのソール張替えを チェックするいい機会になるので、そのままにして履いてくれ」との話しでした。あまりナーバスになる必要がないのかもしれませんが、どん な感じでしょうか?(男性)
A 新しい靴のつま先の減り、これに関してはご家庭で簡単に履き降ろす前にできる事があります。
まず、何故減るのか?それは摩擦が起きるからです。ただ立って いても、どこも減りません。 歩いた時、着地する際のかかとの部分、そして足が地面を蹴りながら離れる際のつま先です。 特に新しい靴とか、ダブルソールのような底の固い靴によく起こるでしょう。 それは、靴が足の曲がり方に合わせて曲がってくれないため、本当なら、ソールの前半分で支えるところを (歩いて後ろに足がきた時)爪先だけで支えなければならないからです。
体格がよくその分体重もある欧米の方は、当然サイズも大きく靴が理想的に曲がってくれる (ソールの厚みは同じですから、サイズが大きいほど曲がりやすい、サイズが25センチでダブルソールともなると、ほとんど厚底状態) ので、日本人だけの特徴という表現になったのでしょう。

1.ビフォアケア 「靴を手で持って、曲げて癖をつける」

これは簡単で、実に効果的です。
減りを軽減するには、あらかじめ靴の後ろと前を持って折り曲げるだけで、まったくつま先の減り方が変わります。
といっても新しい靴を折り曲げるのには少し躊躇しがちです。大丈夫なのか?でも、よく考えてください、靴は履けば本来そのように曲がるものなのです。
靴の雑誌「LAST」(Esquire Magazine Japan)の vol . 6 ので紹介されています記事「ビスポーク体験 最終報告」の中で、コルテというフランスの靴メーカー (オーナーは修行時代には「ジョン・ロブ」や「ベルルッティー」といった名門・世界的な靴ブランドメーカーでも責任者を勤めたことのある) でオーダーされて出来上がった靴のフィッテイングの際に、靴を曲げてフィッティングさせるシーンがあります。(下記写真A参照)


「LAST」(Esquire Magazine Japan) vol . 6 より

株式会社エスクァイア マガジン ジャパン 様のご協力により記載させていただいています。

ホームページアドレス
http://www.esquire.co.jp
どうです、グイグイ曲げてやってください、驚くほど違いますから。これが新しい靴を履きおろす場合の常識です。


2・アフターケア 「減ったつま先だけを補修する」

減ってから合成ラバーか革で減った部分を補修します。少しくらいなら減っても問題ありません。
肝心なのはソールを過ぎて、ウエルト部分(横から見たときにソールの上に付いている厚み2ミリくらいの革の部分)を減らさない(傷めない)ことで、それまでに補修を行ってください。
爪先に合成ラバーを付けるのは邪道のような気もしますが、つま先部分なら通気性を妨げるわけでもないし、革より耐久性もあるので今後のメンテを考えたら僕は合理的だと思います。

爪先が減ったのが、ソールの張替のチェックにはなりません。 車に例えるとFF 車の前のタイヤが先に減ったから、全部を替えるようなものです。 この時、後輪にあたるのが、ソールの前半分の真ん中あたりです。その部分が、指で押してみてかなり薄くなっていたら、張替になります。
要は減りやすいつま先やかかとだけを補修で直し、ソール全体を上手く使い切るということですね。
「靴の分解写真」のページの「1 ソールの張替え時期」をご覧ください。


<オールソール張替の際、爪先にゴムを貼るべきか>
Q 過去のQ&Aを読んで、爪先にゴムを貼ることは、なるほど良くわかったのですが、ではオールソール貼り 替える際にそれをお願いするのと、減ってからするのとでは、どちらが良いでしょう? (男性)
A 爪先にゴムを貼ることに問題無ければ、オールソールの修理の際に、是非オーダーしてください。
と言いますのも、後から貼ろうとすると、どうしてもアウトステッチを切らないようにしようとすると、薄いものしか貼れないからです。
オールソールの修理の際ですと、その分を計算して行なえますので、しっかりと見た目もよくできます。 (修理受け付けのページ 写真2参照)


<ダイナイトソールの修理は…>
Q 英国靴の靴底によく使用されている“ダイナイトソール”が入手しにくいとの話を最近よく聞きますが、ど うでしょうか?だいぶん履きこんだ靴の靴底を、皮底からゴム底に替えようと考えているのですが、コマンドソールやビムラムソールでは、見 た目がカジュアルになりすぎるので嫌です。
で、それ以外ではリッジウェイソールなんかもありますが、ダイナイトソールがより本底に近い感じで雰囲気が崩れなくいいと思うのですが、 まず扱っているところが少ない。(私が知らないだけ?)
扱ってても入手がしにくいとかで、張り替えできない可能性もあるのでご了承ください、との注釈を言われたりします。
結果はやはり入手が難しくなっているのか、だた値段的な問題で取り扱いをやめてるのか、もしご存知でしたら御一報頂ければ幸いです。
重箱の隅を突付くような些細なことですが、よろしくおねがい致します。
また、貴社の靴修理価格は、どんな感じですか。上記ダイナイトソールの修理価格も含めて、価格表などありましたらお知らせください。
(hp上でも結構です)
以上、よろしくお願いいたします。
A 関東なら渋谷にあるユニオンワークスなら扱ってますし、その手に関してはおそらく日本一でしょう。(雑誌などでよく紹介されてるんですが)
オーナーの中川さんが個人的に引っ張ってこられたものです。リンク集にありますのでご参照ください。
関西では阪急百貨店大阪・うめだ本店6階 シューリペア工房(TEL 06-6361-1381)
関西ではおそらくここだけでしょうね。「私的交遊録」に詳しくありますのでご参照ください。



<クラークスのソールがすり減ってしまったときの修理はできるの?>
Q お父さんの履くような革靴やレッドウイングのブーツのソールの張り替えは一般的に行われているようです が、クラークスのデザートブーツのようなクレープソールがすり減ってしまった場合、張り替えは出来るのでしょうか?もし出来るとしたら、 どこのお店でそのサービスを受けることが出来るのでしょうか? (男性)
A クラークスのデザートブーツに関しては、製法がステッチダウンというもので、これに関してはQ&A (Q&A「ステッチダウン製法について」参照)ください。
ナタリーは出来ません。


<トニーラマのブーツの修理は…>
Q 約20年前に買ったトニーラマのブーツが物置から出てきました。懐かしくなり、履いてみると、しっかり として履けました。しかし、靴底に穴があいています。この修理をしたいのですが、どこに頼べばいいのでしょうか?六本木にあった「トニ ーラマ」の店はすでにつぶれていました。東京在住です。どこかいいところを教えてもらえれば幸甚です。あとどのくらいの費用がかかるか も知りたいのです。よろしくお願いいたします。(男性)
A ウエスタンブーツは、基本的にはグッドイヤーウエルト製法なので、その修理ができるところなら、いけるはずです。ただ、踏 まずのあたりからはそうではなく、圧着と木製のくさびのようなもので止めているものが多く、それをそっくり同じやりかたでできるところは、 ちょっとないと思います。

普通の釘止めになっても良いか、もしくは、減っているのはその部分より前でしょうから、踏まずの部分はそのままで前の部分だけ(地面に接 地する箇所)の交換修理でしたら、比較的安く雰囲気も残したまま仕上るかと思います。

修理の店は、 具体的に関東ですと渋谷にあるユニオンワークス(03ー5458ー2484)が間違いないです。 (水曜・休 12〜20:00)
価格は、見ないとはっきりは言えませんが、前の部分の交換(もちろんアウトステッチは掛けて)とかかとの修理で、¥8000〜となってい ます。

詳しくは、直接お尋ねください。


<フェラガモの靴の底に穴が…>
Q 買ってまだ2か月も経っていないし、かかとの修理さえまだ一度もしていないのに、前の底の部分に穴があ いて水が入ってきます。靴はフェラガモなのですが、履き方が悪いのでしょうか? 修理はできますか? (女性)
A 高い靴なのになぜ? とお思いなら、それは逆です。

高い靴、特にインポートものは、底の素材に革を使用している場合がほとんどです。革には良いところもあるのですが、欠点の一つとして、合 成ゴムに比べて減り方が早いのです。

文面から、雨の日にも履かれていたようですが、それは耐久性を縮めるだけなのでやめてください。高野豆腐を思い浮かべてもらえればいいの ですが、乾いているときは堅いけれど、水分を吸うとやわらかくなるでしょう。底の革も、水を吸うと減り方が早くなってしまうのです。

修理は可能です。穴をふさいで、ゴムをはるのがリーズナブルな修理方法だと思います。

これは個人的な意見ですが、僕が女性で、今までの知識と経験があって、フェラガモのような底が革の靴を履くなら、新しいうちに、底の前半 分にゴムを貼ってから履きますね。
なぜなら、パンプスタイプのソールに使われている革は厚みが薄くてすぐに減ってしまうということと、製法がセメント製法という接着だけで 取り付けてあるので、何度も張替えができない(靴に負担が大きい)からです。


<一度履いただけなのに、底が割れてしまった…>
Q 冠婚葬祭用にしまってあった靴を、何年かぶりに出して履いてみると、数分も歩かないうちに、底が真っ二 つに割れ、ほかの部分も、ところどころ欠けてきました。保管状態は悪くなかったと思うのですが、なぜでしょうか? 修理はできますか?  ほとんど新品なので、もったいないのですが。 (男性)
A その靴はおそらく、底が合成の比較的軽い素材の靴ではないでしょうか。

よくある話なのですが、それは、ウレタンという素材で、軽くて耐久性もそこそこあるのですが、一定の時間が経つと、履く、履かないにかか らわず、加水分解して劣化してしまうのです。そうなると、ねばりがなくなって、割れたり欠けたりすることがあります。寿命は、3〜4年と 言われています。あまりに安く売られているウレタン底の靴は、メーカーが在庫でねかせていた可能性が高いので、気を付けたほうがいいで しょう。

修理ですが、靴のオールソール交換になります。ただし、同じようなウレタン素材にはできないので、ほかの合成素材、もしくは革を使うこと になります。費用は1万円前後かかってきますので、新しい靴を買われるのもいいかと思います。


<レッドウィングのブーツの修理は…>
Q レッドウィングのブーツなのですが、底が減っています。どのような修理ができるのでしょうか? できれば、 レッドウィング純正の底がいいのですが。 (男性)
A やはり、よく減っているのは、かかとの部分でしょうから、そこだけの修理も可能です。しかし、同じような白いゴムを使って も、あとから付けたというのは、よく見ればわかります。こだわり派のあなたには、おそらく向かないと思うので、オールソールの張り替えに なるのですが、純正のものとなると、メーカーにお願いするしかないでしょう。

見た目にはほとんどわからない底材はあるので、メーカーものにこだわらなければ、オールソールの修理もかなり安い値段で修理が可能です。


<靴底表面にゴムを貼るのと、オールソール貼り替えるのとはどちらが良い?> →Part 2
Q 以前靴の修理をしようとした時、オールソールの交換を希望したのですが 、その店の人からソールの糸がほ つれていない為、ゴムを貼り付けた方が 良いと言われました。もともとのソールはマッケイでレザーソールなので すが、オールソールの張り 替えより安く(3,800円ぐらい)、店の人もそちらを薦めるのでそうしました。履き心地はそんなに悪いとは感じ てませんが、ゴムを着地面全 体に張っているので通気性が悪くなり靴その ものにとってそんなによくないのかなと感じております。 私個人としてはオールソール張り替え の方が好きなのですが、こういった ゴムの貼り付けの修理についてどのようにお考えでしょうか? (男性)
A 靴底表面にゴムを貼る修理の利点は

・早くて安くできる
・革に比べゴムは耐久性があるので、薄くてもそこそこもつ。
・雨に強く、滑りにくい。

革でオールソール張替の利点は

・革の通気性を損なわない
・減り方に偏りがあるので、それが元に戻る。
・見た目がよい

と、まあ簡単に書くとこんな感じで、それぞれの利点が、もう一方の欠点 になります。
結論を言いますと、どっちが良い悪いではなく、2通りのやり方がある、 ということです。

ただ、もしも貼るのなら早いうちが良いです。今回の場合は糸が切れてい ないとのことでしたが、大抵の場合は修理に持ってこられる頃には どこか が、切れているし、さらに貼る際に貼る面を薄く削って、ザラザラにしま す(接着が良いように)。その時に切れてしまうこともあります。当然、 切れている場合は、縫ってから貼ることも可能ですが費用も掛かります。

ただ、僕が危惧しているのは、この修理屋さんが、勧めたように、オール ソールの選択肢を提示しないところが、多すぎる、ということです。 理由 は簡単で、もちろん技術はいりますが、その方が利益が高いということです。

チェーン店にしてみたら、社員教育にさらに時間を掛けて、技術を憶えさせ、その結果が、利益率の落ちたものにしかならない、ということは した くないのでしょう。

また、現状がそれを許す環境にある、というところに〃あぐら〃をかいて るのです。(医者が、やたら薬を出すようなものでしょうか。)

ちょっと、愚痴っぽくなりましたが、消費者の方々に、情報届いていない ということが、最大の問題ですので、少しでもお役に立てばと思って おります。
また、この先このままでは、この業界にもマイナスであることは、明白です。

僕が小さかった頃は、スパゲッテイと言えば、ゆで過ぎてケチャップを絡めた〃ナポリタン〃という代物のことだと思ってました。ところが、 ほんとうは〃アルデンテ〃という本物があったというような例え話は、この場合ふさわしいのかどうなのか?


<ソールの張替時期は?>
Q いきなりですが、質問をさせていただきます。初歩的な質問でお恥ずかしいのですが…。
革靴のソール張り替え時期のことなんです。いったいどれくらいで、ソールを張り替えればいいのでしょうか? 現在、かかとのゴム素材のと ころが減ってきて、そろそろ木の部分(?)が見えてきている状態です。購入してまだ1年未満で、履く頻度は月に6から7回ほどです。「一 生ものを」ということで買った靴なので、大切に履きたいと思っています。
不勉強なもので、うまく表現できたのか分かりません。お忙しいかと存じますが、アドバイスをよろしくお願いします。ちなみに私が持ってい るのはトリッカーズのカントリーブーツです。 (男性)
A 初歩的、大歓迎です。まず、一般的なレザーソールの靴で言いますと、減りやすいのはまず、かかとのうしろの外側、つぎに 爪先、そしてソールの真ん中あたりでしょうか。

かかとの部分は、ソールの下に革が何枚が積んで(ヒール)あります(貴方が「木」と書かれた部分)。その上に(下にかな)トップリフトと 言って、半分ゴムになっていたり前面ゴムのものが1枚付いています。理想的には、そのトップリフトの交換だけで済むように、ヒールの部分 まで減る直前で、まず修理していただきたいです。

その頃には、癖や靴の返りなどによって異なりますが、爪先もチェックして、トリッカーズのようなグッドイヤーウエルト製法の靴なら、前か ら見て2層になっている(ダブルソールなら3層)上の部分(ウエルト)が減るまでに、何らかの修理を行なってください (Q&A「爪先が減るのですが…」参照)。

ここまでなら、部分的な修理で大丈夫です。オールソールの張替をしなくてはならないのは、最後のソールの真ん中あたりが減ったときです。 ただ、目でみてもわからないので、指で押してみて薄さが感じられる程でしたら、そろそろ張替の時期です。

革靴の底の部分というのは、交換ができるように設計されていますので、タイミング良く交換さえしていただければ、比較的安く、靴のダメー ジも最小限で済みます(車で言いますと、タイヤがパンクしたまま走っていると、ホイールまで傷めてしまうようなもの)。

ちなみに、ヒールの部分が多少減ったり、ソールの真ん中が穴が開いてすぐくらいなら、そんなに問題はありませんが、ウエルトをダメにして しまうとかなり大変な修理になりますので、お気を付け下さい。 「靴の分解写真」のページの「1 ソールの張替え時期」をご覧ください。


<新しく買った靴、滑りそうなんですが>
Q 知らなくて靴の底がつるつるのものを購入してしまいました。雪や雨だと 滑ると思いますが、すべり止め対 策のようなグッズは売ってるんでしょうか?
また、ゴムに取り替えてもらうとしたらどのようにしてどのくらいの費用 がかかるんでしょうか。
靴は膝丈ぐらいのブーツです。かかとは5〜6cmぐらい。底は皮だと思います。ゴムではなくぎざぎざもついてません。
今までは、そういう靴にあたったことがなかったので、これではどんな道でもつるつる滑るのではないかと心配なのです。
雨道でも、雪道でも普通に耐えられればいいと思ってます。教えてください。(女性)
A グッズとしては「氷上用靴チェーン(2500円)」という靴用のチェーンみたいなものがありますが、あくまで雪対策ですし、 ヒールのある靴にはちょっと不向きです。
一般的に良く使われるのは、「半張り」と言いまして、靴の底前半分部分にソールの上からゴムを貼る修理です。費用は1500円前後で しょう。滑りを止めるのと、革底の場合、減り方も早いのでヒールのあるパンプスタイプには、新しい間にされることをお勧めします (Q&A靴の修理編「フェラガモの底に穴が…」参照)。
特に雪国へ行く というわけでなければ、普通にオーダーされたら良いでしょう。というのは、雪用に特殊なゴム(滑りにくい柄になっている が、目立つ)があるのです。かかとに関しても、ピンヒールでない限り、最初についているかかとのゴムは、プラスチックみたいなものが多い ので、ゴムに交換されたほうが無難ですね。

ちなみに紳士靴の場合は、前の方は一緒ですが、かかとのトップリフト(設置面の素材)に釘がたくさん打ってある場合は それを少し中に打ち込んでやるだけでも効果ありますよ。


<パラブーツのソールは…>
Q 今、パラブーツを修理しようと思うのですが、純正のソールで交換してくれるところってあるのでしょうか? ひょっとして底全部の交換となると出来ないのですかね…?
案外その辺の修理屋さんで交換して貰える物だったりして…(^_^;)
正直、靴の底って今まで代えた事無かったです。よろしくお願いいたします。(男性)
A 構造的には、グッドイヤーもしくはノルヴィージャン製法ですので、できないこともないのですが、純正ソールとなると、 不可能です。
「パラブーツ」の名前の結縁でもあるのですが、ソールの原料となる天然ゴムの樹液ラテックスをブラジルのパラ(現在のペレン港)という港 から輸入したのが始まりで、そのパラゴムを独自に開発した製法で高温整形加硫されたソールですから、ほとんど企業秘密のかたまりみたなも んです。(中にはそうでもないビブラムのものもあるようですが…)
ですから、代理店様からの情報を御参照ください


<新しい靴、履き下ろす前に何かしたほうが…?>
Q 靴が大好きな私ですが、いろいろ知らないことが多すぎて、勉強になります。
レザーソールの靴はけっこう持っているのですが、最初に買ったときに店員さんに、このタイプ(レザーソール)はソールにゴムの滑り止めを 貼ってから 履いてくださいと言われ、それをずっと信じてきました。
このたび念願のトリッカーズのカントリーブーツを購入したのですが、まだ履いておりません。というのも、滑り止めを貼ったほうがいいのか、 このホームページに出会って、悩んでいるんです。確かに貼らないと滑るし、貼ったほうが持ちもよくなる気がするんです。
今回購入したブーツのソールは、キャメルなので、ソールの前面に全て貼るのではなく、前面の真ん中部分だけ貼ったほうがいいと店員さんに 言われました。横から見て、ソールの色が違ってしまうので、かっこ悪いとのこと。ただ、どうせ貼るのなら、アウトステッチもカバーできる ようにしたいし。すごく悩んでます。よいアドバイスを お願いします。
それと、この靴の正しいお手入れ方法を教えてください。ちなみに  「Tricker's L5180 ACORN ANTIQUE CALF  サイズ 5  フィッティング 4」です。
あと、こちらで通販している、これに合うお手入れグッズを教えてくださ い。全てリストアップしていただければうれしいです。
それから、シュートリーなんですが、「ウッドロア・シュートリー(アメリカ製)」が 気になっています。この靴に合うのは女性用でいいん でしょうか?よろしくおねがいします。
(女性)
A 悩ませてしまったのなら、あやまりますが(笑)、僕はどちらかと言いますと、前底にゴムを貼るのは、滑り止めというより 減り防止の役割で考えます。というのは、かかとがゴムなら少し履いて底の表面がザラついたら、それほど滑りは気にならないからです。
婦人靴ならパンプスタイプのソールが薄いものなら貼ったほうがベターで しょうし、ローファータイプのある程度厚みがあるものなら、そのま ま履いて、減ったら修理というのが良いんではないでしょうか(アッパーもしっかりしているし、流行にも左右されない。 Q&A「フェラガモの底に穴が…」参照)。
さて、ご照会のトリッカーズカントリーですが、まず店員さんの言われた 真ん中だけに貼るというのは、まったく意味がありませんので、お止 めください。おっしゃるようにアウトステッチの保護ができないので、かえってメンテナンスが必要になります。真ん中だと、非常に剥がれや すい(新品の靴に施されているのは、内側から凸のようになったゴムを張り付けているので剥がれない)。
この場合に貼られるのなら、普通に前半分全面にはって、コバは色を塗られたら良いでしょう。
サフィールというブランドのシューケア用品「コバ用クリーム ブラウン」 がちょうどカントリーブーツのヒールやコバのオレンジ色に近い茶にちょうど合う色で、 当店では、カントリーブーツのコバの色はこれで着色しています。
滑りが気になるのなら、前に貼らなくても、かかとのトップリフトの半分革の部分にたくさんの釘が打ってありますが、あれを少し打ち込むだ けで、かなり違います。
減りが気になるのなら、前に貼るがベストですが、もうひとつの選択肢と して、爪先部分にだけゴムで補強してやるという手段もあります。 カントリーはソールが厚いので、『返り』が悪く、爪先が極端に減りやすいからです。
ウ〜ン、また悩ませてしまいそうですが、あとはYour choiceです。
お手入れに関しては、ソールがキャメルということは、アッパーも薄い色でしょうか。それならメルトニアンシューク リームかビーワックス のニュートラル(無色)と汚れ落しはステインリムーバーで良いでしょう。


<プラダの合成ソールの修理は…?>
Q 靴好きにはホントに心強い見方ですね! 実は、PRADAのシューズが好きで、じゴムソールのものをか なり所有しています。このゴムソールは修理可能なのでしょうか?
PRADAではソール修理はできないとあっさり言われてしまいますが、気に入った靴たちをまだまだ気兼ねなく履いていきたいのです。
例えば全部剥がしてしまって、ビブラムにしてしまうとか...。
なにかいい方法があればお教えいただきたいです。宜しくお願いいたします。(男性)
A 結論から申しますと、基本的には修理は効かないタイプだとご理解ください。
かかとや爪先だけの減ったところを補修するくらいはできますが、オールソールは難しいですね。
オールソール修理というのは、革の場合なら、その形を削り出してゆくことによって行うのですが、このようなタイプのソールは、モールド (加熱成形)された部品になりますので、手に入りませんし、作り出すこともできないのです。
違うもので応用できないかということですが、デザイン的にソールがかなりの部分を占めていますし、アッパーのほうにかぶさったように なっているところの処理ができないんです。
安いものではありませんし、メーカーで対応すべきものだと思いますが、できないというのなら、次回からは購入の際にその事を考慮に 入れる、ということではないでしょうか。


<底が剥がれたのは直りますか>
Q とても大事にはいてるブーツがあります。ゴルチエのブーツで結構厚底なのですが 厚底のゴムのソールの 部分と本体のアッパーというんですか?そこがだんだん剥がれてきて 歩いてたらカパカパしてしまうんです。かかとの部分からだんだんと本 体とソールの部分がはがれつつあります。これって 接着したりする事は可能なのでしょうか?
一度市販の接着剤でつけてみましたが 結構すぐにはがれてしまって。
これって店とかで接着してくれたりしますか?それとももうだめでしょうか??
教えてください。(女性)
A ソール(底)とアッパー(靴の足を包んでいる部分)との取り付け方法には、大きく2通りあります。
ひとつはセメント製法と言って、縫うことなく、接着剤もしくはそれに準じた方法で取り付けてある。
もうひとつは、グッドイヤーウエルト製法やマッケイ製法と言って、縫うことにより、取り付けられている靴です。
前者の場合は、底やアッパーの素材の種類や、そのコンディションによって、取り付け可能な場合と、そうでない場合があります。接着剤が正 しく機能するためには、その接着剤の性質(固まってからでも柔軟性がある、温度に耐えるなど)、その接着剤と接着面との相性(素材の種類 によって化学的に相性がある)、接着面のコンディション(汚れが付着していないか、接着面積を広げるためにざらざらしているほうが良い) をクリアーしなければだめです。
このために現物を見ないと何とも言えませんので、お近くの修理の店でお尋ねいただくか、ご自分でされるなら、ゴム革用の接着剤で、接着面 の汚れを落してから、両面に薄く塗って、半乾きになったところで、張り付けてみてください。


<前底前面にゴムを貼るのと、オールソール貼り替えるのとどちらが良い? Part2> →Part 1
Q HPを拝見し、知識の深さと、靴に対する愛情を非常に感じました。私は、アメリカに住んでいたこともあって、 靴の履き心地には結構敏感で(靴の品質は、やはり欧米のほうが一日の長があるように思えます)、また、良い靴を大事に使って長くはく、と いう考え方に大賛成です。
ところで、相談なのですが、妻のフェラガモのヴェラのソールが、磨り減っていたところに、雨の中をあるいてしまって、シミができてしまい ました。
・ソールの張り替え
・シミをとる
・ついでにインナーの中敷(フェラガモのオリジナルをつけてもらうのは可能でしょうか?あるいは、今の中敷を再生して使うことは可能で しょうか?)も替えたい。
以上で、費用はどれくらいでしょうか?
また、新品の靴には、ソールにゴムを前もって張ることをお勧めされていますが、確かにそれで磨り減るのは防げますが、せっかくの天然素材 のレザーなのに、人工の皮をつけるのは、ちょっと釈然としません。(車のレザーのシートに、カバーをかけて乗るような感じ)どういうもん なのでしょうか?
さらに、ソールに張るゴムは、たいてい無粋な黒色ですが、ベージュのソールの婦人靴には、いくら底は見えない、とはいえ、あまりに無神経 に思えます。淡色のゴム底とか、透明ゴムとかって、ないものでしょうか?( 私が知らないだけでしょうか)(男性)
A 丁寧なメールをありがとうございます。
このようにお書きいただきますと、お返事のしがいがあります。
この業界にも〃インフォームド コンセント〃のようなものがあっても良いのではないか、と孤軍奮闘しております。
毎日帰宅が深夜なもので、お返事が遅くなって申し訳ありません。

以下の質問にお答えします。
1、ヴェラの修理に関して。
2、底にゴムを貼る事に関して。
3、そのゴムの種類

(1) パンプスタイプのソールの張り替えは、対応しておりません。理由は(2)をご参照ください
雨シミの抜きは、HP上に詳しく書いております、お手入れのレベルで業務としては対応しておりません。
もしくは彩革の匠さん(「専門店様からの情報」参照)といことで、お願いいたします。
中敷きの交換はおこなっておりますが、純正のものはありません。

(2)Q&A 靴の修理編 カテゴリー:ソール「前底前面にゴムを貼るのと オールソール貼り替えるのとどちらが良い?」をお読みいただけ ればわかるかと思いますが、基本的にはどちらが良い悪いではなく、2通りのやり かたがある、というスタンスです。
ただ、ヴェラのようなレディスのパンプスタイプのレザーソールは、メンズのそれに比べて、厚みがかなり薄い です(半分以下)。従いまして、 下手をするとかかとのヒールのゴムを1度取り換える前にソールの方に穴が開いてしまうこともよく見かけます。
さらに、レディスのパンプスタイプの構造からして、セメント製法という、アッパーに直接接着剤で張り付けているものがほとんどで、張替の 際に 靴に掛かる負担が大きく、何度も貼り替えるというのが物理的に難しい、ということがございます。
それから構造的な部分以外にも、ヴェラのような定番物は違いますが、普通のレディスパンプスの場合、流行に左右されやすく、次のシーズン には 構造的には問題無くても、履けないということもあります。
以上のことから、パンプスタイプの靴は、ソールを貼り替えて長く履くという性質のも のではない、という個人的な判断から、お勧めしており ます。
それに日本の気候、生活習慣を考えれば、決して車のシートのカバー(僕もキライです)というのとは、ニュアンスが違うと ご理解ください。

(3) ソールに貼るゴムの色の種類は、当店では
・ベージュ
・薄茶
・濃い茶
・黒 の4種類で対応しております。
ヴェラでしたら、ベージュを貼っておりますが、とても好評です。


<ドライビングシューズ、底がすぐにダメになりそうなんですが>
Q 最近ドライビングシューズを買ったのですが、いたんできたときに、この靴はもう修理できないので しょうか?
底のいぼいぼがすりへってしまったらもうどうしようもないのでしょうか?
もし履く前に何か手入れしておけば長くはくことが可能とかドライビングシューズではなくなるけど、長くはくために底に平面のゴム底をつ けるといった事が可能であれば教えていただけますか?よろしくお願いいたします。(女性)
A 確かにドライビングシューズは、かかとが歩いたら一発でダメになってしまいそうですよね。 実際革の部分を傷めてしまうと直りませんし・・・。
ですから、おっしゃるようにかかとだけでも予めゴムを取り付けられることをお勧めいたします。
イボの部分は削り取って、サイドより少し細いゴムを、後ろまでいっぱいの形で取り付ければ、比較的目立たないと思います。減ったら交換 も可能です。

前に関しては、そのまま履かれるか、普通に履きたい場合は、底を作って縫いつける(オールソール)になるでしょう。


<つま先が減るのですが Part 2>→Part 1
Q 最近、爪先に金属のプレートを取り付けるという補修法があると知りました。
御社の方でも扱っていらっしゃるでしょうか。
また、素人目には音などしそうで、ちょっと躊躇する面ございます。
お忙しいところ申し訳ありませんが、如何なものでしょうか。。(男性)
A おっしゃるように、音や滑りなど、靴底に要求される条件から言いますと、決してお勧めできるものではないと思います。
昔に比べて、合成ゴムや接着剤の進歩は目覚しいものがありますので、そちらをお勧めいたします。
ですから、金属のプレートを取り付けられる方は、意匠面の意識が高いのではないでしょうか。

実際に靴をオーダーされた際に金属のプレートをつま先に取り付けられた方の感想がありますので、ご紹介します。

「まず耐久性の面ですが、金属とはいえ、厚さが1mmほどしかありませんので、意外に磨耗するのが早いということがあります。すぐに先端部が 磨耗して、本底に到達します。それに、磨耗した先端が鋭利な刃のようになって危険です。
次に歩行時の感触ですが、はっきり言ってつま先が減りやすい歩き方をしている人ほど違和感が強いと思います。駅のホームや百貨店のツルツル した固い路面を歩く時はかなり歩きにくいです。ガチガチ音がしますし。私の場合、つま先に金具を入れた靴のヒールはオールラバーにしていま すが、ヒールに沢山のピン打ちしたラスター仕上げの靴の場合、つま先とカカトの両方で滑ってまともに歩けないでしょう。
そんな訳で、わたしの場合、2度と金具埋め込みはするつもりはありません。やっぱり、新品時に薄いゴムを貼りつけるのがベストでしょう。
歩行時の違和感は全くありません。私が試したところ、週一回の着用で半年以上はゴムの張り替え無しで行けます。」

この方は、ご自分でつま先にゴムを貼られています。ではそのやりかたを。

「貼る時は新品のソールの表面をほんのわずかだけサンドペーパーで削ります。これはあくまで接着性をよくするのが目的です。この時注意する のは、削りカスがアッパーの革に付くと、それを手で擦ったりするとキズがつくので、カスを慎重に取り除く事です。
次に削った部分に、皮革にも使える万能セメダインXというのを爪楊枝で均一に塗ります。
その後、塗ったセメダインの溶剤の臭いがしなくなるまで(手で触っても手に付かなくなる)放置し、ゴムを貼りつける前に一度ドライヤーで加 熱します。あとは大きめに切ったゴムをしっかり手で押さえ付けてゴムをはりつけます。そのまま3〜4日放置してからソールに沿ってハサミで余 分なゴムを切りとって完了。
ちなみに貼るゴムは、コロンブスの革底の滑り止め用のゴム(2枚で¥700)を使っています。
これは、ゴムの裏に両面テープが貼ってあって,本来はソールの真中にペタリと貼るものです。
私はこのゴムについている両面テープを剥がさずそのまま使用していますが,ほんとうは普通の薄いゴムを貼ったほうが取れにくいかもしれません。 しかし耐久性のあるウレタン製の薄いゴムって見かけないのでコロンブスのものを使っています。貼りつけたゴムとソールの段差は全く気になりま せん。
貼りなおすときは、正直言って両面テープを剥がすのに一苦労です(気をつけないとチャネルソールの伏せた革をいっしょにひっぺがしてしまいま す)。消しゴムで擦ったり指で擦ったりしてテープを剥がしてその後はサンドペーパーを掛けずにそのままセメダインを塗って同じように貼りつけ ています。でもこの方法はせいぜい2回貼り替えが限度でしょう。それくらいになると、もう充分靴底の返りがよくなって来ているのでゴムを取っ てもつま先はあまり減らないような気がします。
あと、私の経験では、ラウンド・トゥの方がスクエア・トウより早くゴムが磨耗するようです。トゥの接着面積の差によるものでしょう。」

私どものような修理の店でもやらせていただきますし、上記のようにご自分でトライアルさせても良いでしょう。


<ゴムの底がベタついて困ります>
Q たくさんの情報有難うございます。
ゴム底のチャッカーブーツ(CHARCH)をはいてるのですが、ゴムが溶けてフロアーに汚れがついてしまいます。 対策は御座いますでしょうか?(男性)
A おそらく生ゴム系のクレープ底だと思われます。それに関しましては、材質の劣化ですので、そのままではどうしようもありま せん。ちょうど輪ゴムが机の引出しの隅でベタッとなっている状態を思い浮かべていただけたらよいでしょう。
対策法としては、底を張替する必要があります。ただし、こちらでは今のところ生ゴム系のクレープは扱っておりませんので、ご了承ください。 他の材質での張替なら対応いたします。
お役に立てませんが、こんなところです。


<底の剥がれを自分で直したい>
Q ティンバーランドの3アイレットモカシンのソールがまた(3度目) 剥がれてしまいました。 自宅で修理したいのですが、個人で手に入るよい接着剤をご存じでしたら教えてください。(男性)
A 接着剤は、ゴム・革用でしたら、まず問題ないでしょう。問題は、接着面をきれいにして、さらに細かい傷(接着剤が入り込ん でいくように)をつけることです。粗めのサンドペーパーで接着面の両面を擦っていただいたらよいかと思います。
両面に薄く塗って、乾かし手で触ってくっつかないくらいで、ドライヤーで温めて付ける。端をペンチのようなもので、はさんでやれば、なお効果的 です。
ご成功をお祈りしております。


<厚底ブーツを低くしたい>
Q 以前に買った厚底ブーツが、何足かあります。
低くして(底をカット)履きたいのですが、どこかそのような修理を扱っているところをご紹介願えないでしょうか。
もちろん、御社でやっていただけるのでしたら、お願いしたいのです。
宜しくお願いします。(女性)
A 厚底は、全体に厚いタイプなら可能です。踏まずのあたりが、普通のパンプスのようなタイプは、お 止めになったほうが賢明でしょう。
対応している店は、ちょっとわからないですが、やはり見てみないと、という部分がございますので、とりあえず持ち込み で便利な店に電話でお尋ねになられたら、良いでしょう。


<履き下ろす前に、底に何かしたほうが・・・ Part 2>
Q 靴のことを大変詳しくご存知でおられるようですねお店に聞いたりするより、ずっと 信頼できるような気がして、思わずメールさせていただきました。
大変気に入っているグッチのモカシンについての相談です。気に入っているといっても、気に入りすぎている為、まだ新品の ままです。
というのも、やはり底を補強してから履いたほうが長持ちはするものなんでしょうか?
フェラガモの靴底にゴムを貼って履いているのですがなんとなく履き心地がよくない気がするんです。ひょっとして元々靴が あっていないのかもしれませんが、ゴムを貼って、履き心地が変わるということはありませんか?

あと、修理やさんに「底を削って貼る」といわれたのですがあの美しい靴底が、削られるのも心苦しい気がしますしばらく買 ったときの状態で履いて、減ってきたら貼るというのも、可能なんでしょうか。ちなみに貼るのであればどの辺りまで貼れば いいのでしょうかかかとは、買ったときから、ゴムがはってあります。初歩的で、情けない質問ですみません。
よろしくお願いします。
A このあたりの事に関しては、すでにQ&Aで述べているつもりですが、簡単に要約します。
ソールの素材には大きく2通りあります。
・革(グッチはこれですね)
・合成ラバー(ゴム)
革の利点は通気性や吸湿性ですが、耐久性が合成の物に比べると低いです。
ですから、耐久性を補うために、次のような選択肢があります。

1、前半分(踏まずから前)に薄いゴムを張る。
2、つま先にだけゴムを張る。
3、何もせずに履く。

1→耐久性はアップしますが、通気性、吸湿性は損なわれます。履き心地は、滑りにくくなって、減り方も遅いので(片減 りすると、履きにくい)、良い点も多いです。
張る際は、表面を削りますが、履けば同じ事ですから、気にされないことでしょう。

2→つま先は、かかとの次に減りやすいところなので、それを通気性などを損なわずに補える。 が、次に減りやすい、ソールの真ん中あたりは、カバー出来ない。

3→通気性、吸湿性を損なわず、ある意味で本来の履き心地です。ただ減りが早いので、まめなメンテナンスが必要です。底 が減ったら、ゴムを張らない場合は、オールソールの張替になります。
おっしゃるように、ある程度履いてから、底にゴムを張るということも可能です。(1+3)

ただ、底を縫ってあるタイプ(マッケイ製法やグッドイヤー製法)の場合、糸が擦り切れてしまうと、修理費がよりかかります。

これらをお読みの上、Q&A靴の修理編「靴底前半部にゴムを張るのと、オールソール張り替 えるのと、どちらが良い Part 1〜2」 「 履き下ろす前に何かしたほうが良い? Part 1」をご参照ください。


<ウェッジソール(踏まずの部分が埋まったヒール)を普通のヒールパンプスにできますか>
Q ウェッジソールの靴があるのですが、ヒールを普通のものに変えることは可能でしょうか?
高さは9cmです。サイズは37です。素材はデニム生地です。(女性)
A ウェッジソールといえば、フェラガモが戦時中に靴の踏まず部分を補強するシャンク(靴の背骨にあたる) という金属が手に入らないので、シャンクなしでも踏まずのカーブを維持できるように、すべてを埋めてしまうような形で考え 出したデザインだそうです。
ですから、この手の靴にはシャンクが入っておりません。ですから、普通のヒールのあるパンプスにしようとすると、シャンク 必要になってきます。

シャンクは、焼きの入ったはがねのようなもので、そのカーブや長さ、取り付け方法が靴によって、微妙に違います。そして、 それを入手する方法はありません。それゆえに、そのような変更は出来ないとご理解ください。

お力になれずに申し訳ありませんが、こんなところです。


<新しいBALLYの底が剥がれたのですが>
Q 大阪府寝屋川市に在住の○○と申します。
いつもHPは拝見させて頂いて大変に参考になっております。

さて、質問なんですが。
BALLYのCLARENSの下の画像を見ていただきたいのです。
(少しピンボケしています。すみません。)
…<こちらで修正しました。>


ご覧のようにアッパーとソールが剥がれてきています。(両足共に)
履く頻度としては1週間に2,3回で履き始めてまだ1ヶ月です。
気に入っている靴なんでちょっとショックなんです。
10日に1回はステインリムーバーとシュークリームで手入れをしています。
また、履き終わると直ぐにシュートリーを入れるようにしています。
レザーソールの靴は今まであまり履かなかったのでこのような現象は初めてなんですがこういったことは良く起こるのでしょう か?
また、自分で接着剤等を用いて対処出来ますでしょうか?
もう一つ、修理となるならばいくらぐらい掛かるのでしょうか?
いろいろすみませんがよろしくお願いいたします。 (男性)
A この症状は、決してシリアスなものではありませんので、まずはご安心を。

BALLYは、製法としてセメンテッドをそのほとんどの靴がとっております。
そのために、時間と共に大かれ少なかれ剥がれてきます。
底を縫ってマッケイ製法に変えてやれば大丈夫です。
ただその際に、ソールの状態がどのようなものかによって、考慮の余地があります。
縫っても既にソールがすり減って薄くなっている場合は(底の前半分の真ん中辺りを押えて薄くなっていたら)、すぐにソール がダメになってしまうので、オールソールもしくは、縫った上から合成ラバーを張られることを。お勧めいたします。

ソールに問題なければ、縫うだけです。


<スポンジ素材のソールの靴の購入を考えていますが・・・>
Q はじめまして。ホームページをたびたび拝見している森と申します。
日ごろ、靴にはお世話になってますが、その手入れや修理などについてはほとんど知らないので、こちらで提供していらっしゃる 情報はとても役立っています。

今回は、教えていただきたい点がございまして、メール差し上げました。 ビブラム社製のスポンジソールについてお尋ねします。

目下、購入を検討している靴(ビジネス用ですが、オブリーク型で履きやすいタイプ)の底が、ビブラムソールです。ビブラムソ ールには、さまざまな種類がありますが、その靴に使われているのはおそらく軽量のスポンジタイプと思われます。スポンジソー ルは、磨耗が激しいという印象をもっているので、購入すべきか、または、新品のうちにゴムを貼るのがよいか、迷っています。 なお、その靴底の外観は、添付ファイルの図と同じものだと思います。

◆質問1◆
新品のうちに、カカトや靴の前半分にゴムを貼って頂いたほうがよいでしょうか?

◆質問2◆
そのゴムが減った場合、再度張り替えていただくことはできるのでしょうか?

◆質問3◆
磨耗が心配になる靴は、購入しないほうがよいでしょうか?

以前、ハッシュパピーのスポンジソールの靴を履いていた際、あっという間に底が減ってしまいました。とくに、カカトの着地部 分が片減りして、歩きにくいうえに見た目も悪く、閉口した経験があります。やむをえず、カカトや靴の前半分くらいにゴムを貼 ってもらったのですが、斜めのツギ当てが気になって、結局、履かなくなりました。

お手数をおかけして恐縮ですが、ご相談にのっていただければ幸いです。(女性)
A 詳しく書いてくださり、ありがとうございます。
完璧に把握いたしました。

それでは、質問にお答えする形で。

<質問1>
スポンジソールの最大の利点は軽量である、とうことでしょう。
あと、屈曲、デザイン、成形、クッション性にも優れていますが、おっしゃるように対磨性ともうひとつ、普通の場所ではグリッ プ性もあるのですが、濡れたタイルのような場所では、滑りも気になるところです。

靴のデザインは、ミッドソールにEVAというクッション性に優れた素材を挟み込んで、接地面に5~6mmくらいの厚みで、添付してい ただいたようなソールが張ってあるものか、ミッドソールのない一体成形ものか、のどちらかでしょう。

そこで、あとでお書きのハッシュパピーとの比較になるのですが、ハッシュパピーのそれは、同じように軽い素材ですがおそらく ウレタンソールではなかったでしょうか。
ウレタンソールの場合は、射出成型(熱を加えて軟化した状態でノズルから射出し、型枠に仕込まれたアッパーと接着、成型を同 時に行うもの)ですのでサイドの表面がツルツルで、補修の際に仕上げができなくて、どうしても付け足したような感が拭えません。
スポンジソールの場合は、削り出して成形してますので、補修がしやすい(補修後にもう一度サイド全体を薄く削る)とご理解いた だいて結構です。

では、先に補修をしておくか否かですが、耐久性のある合成ラバーでの補修するにあたっての最大の欠点は、重たくなってしまう、 ことです。これは、おそらく想像以上でしょう。特に前の方を補修しようとすると、あの感じを損なわないようにしようとすると、 厚めのラバーを必要とします。

結論としては、個人的な見解になりますが、あのソールにはあれの良さも十分にある(軽量、普通の場所でのグリップ性、クッシ ョン性←主にソールの前の比重が大きい)ので、とりあえずそのまま履いて、踵が減ったら踵だけ、ゴムにする、というものです。

<質問2>
再度の補修、問題ございません。
最初の時でもそうですが、踵一面に5~6mmのゴムを取り付けますので、踵の減りやすい後ろの外側がそのくらい減った時点で、補 修をされることをお勧めします。(最初はスグかも)前の方は、それほど減りが早いとは思いませんし、同じような素材、パター ンでの補修も可能です。

<質問3>
軽量、グリップ、屈曲性には富んでいて、歩くには適しております。
踵の減りと、雨の日を除けば、お持ちになられても価値のある一種になるかと思います。


<生産国によるソールの違いと、張替による返りの影響>
Q 靴好きにはとてもためになるHPで、私もマメにチェックしております。
今回メールしたのはオールソールについていくつか質問がありますのでお暇な時で結構ですのでご回答いただけると幸いです。

【質問1:オールソールについて】
手持ちの靴でそろそろオールソールをした方がいいと思われる靴が何足かあるのですが、一般的にオールソールとは底材を交換 することを指すのでしょうか?それともコルク材まで交換することを指すのでしょうか?

【質問2:底材について】
オールソールでの底材はイタリア製のものをご使用されているようですが、イギリス製靴(Crockett&Jones)の底材より返りが 硬くなることはないですか?イタリア製であれば返りはよさそうですが。※先日、久しぶりに日本製靴を購入したのですが、イ ギリス製靴に比べて 非常にソールが硬いような気がしています。国内での修理の出来上がり イメージがどうしても日本製靴の ソールの硬さを想像してしまいます。
これはコルク粒ではなくコルク板(予想ですが...)を使用している からでしょうか?それとも使用している底材自体が硬いので しょうか?

【質問3:チャネルソールについて】
これまた硬さについての質問で恐縮ですが、チャネルありのソールとチャネルなしのソールでは底の硬さが違うのでしょうか? イギリス製靴(Crockett&Jones )でチャネルあり/なしを持っておりますがなんとなくチャネルありの方が柔らかく感じるもので…。
以上、3点です。

質問中にも書きましたが、イギリス製靴(Crockett&Jones)のオールソールを行いたいと思っているのですが、修理屋様の価格 を見て驚いてしまいました!私は東京在住で修理屋様も評価されているUNION WORKS 様もあるのですがちょっと価格が私の懐に 優しくないのです。お恥ずかしい…。また、イギリスのファクトリーに出すにも免税手続きなどが面倒なのでこれまた躊躇って いるのです。
そこで、質問させていただいた疑問がクリアされれば修理屋様に御願いしようと考えています。 修理屋様のようにプロの立場からのご意見を聞けるのは、消費者として非常にありがたい事です。
日本でも靴についての正しい知識が広がる事を祈って。以上、よろしく御願いします。(男性)
A ご贔屓にしていただいているようで、あがとうございます。

<質問1>
オールソールの張替とは、ウエルトのあるタイプはそれより下が替るとご理解ください。
グッドイヤーウエルトの様な中物が入っている場合、傷みがひどい場合は交換もしくは補修します。
足の形になっているというのは、中底が充分に足の形に変形しているので、中物(コルクなど)はクッションの役割が大き いです。

<質問2>
生産の国などによって革の硬さや質が変るというより、硬さなどは鞣(なめ)し方、質は革のランクによるとご理解いただ いた方が良いでしょう。
ただ、多少の特徴はあるようで、その革の流通が多い、つまりその国でスタンダードであるというくらいの差はあるかもし れません。メーカーによってもさらに寝かしたりして油分を抜いたりと、工夫をしているところもあるようです。
経験でいうと、日本製の革は柔らかかったですね。最初は喰ったらうまいんだろうな、くらいに思っていたのですが、どう やら鞣し方等によるようです。
クロケット&ジョーンズでも靴によっては違うように思いますし、返りに関してはその厚さと、ウエルトとソールをなるべ く縫いだけで止める(接着は最小限に)ことにより、曲がる際にソールとウエルトがその遊びの範囲でずれることもその条 件としての比重は高いかと思います。中物の種類による、返りへの影響はほとんどないでしょう。

<質問3>
基本的には、チャネルのあるなしで変るものではありません。構造的にはまったく関係ないです。 ひとつ考えられるのは、チャネルにする場合、作業がしやすいという意味で、個人的に柔らかい革を好む場合もあるようです。 ただ、メーカー単位ではそのようなことはないと思いますが。
ユニオンさんのソールも持っていますが、硬さでいうと大差ないと思います。
ただ、あちらは仕上げを施しますので、最初からぎん面を剥いた状態で仕入れていますね。
値段に関しては、オールソール張替などしたことのない方が、普通修理で出せる値段は・・・、と思って設定しております。 是非一度お試しいただいて、感想をお聞かせください。


<ノンスリップソールにゴムを貼れますか>
Q スコッチグレインの靴のソールに
「ノンスリップレザーソール」 http://www.scotchgrain.co.jp/collection/col_07.html
「3ポイントレザーソール」 http://www.scotchgrain.co.jp/collection/col_08.html
というのがありますが、新品の状態で、このソールにゴムの前張りをすることは可能なのでしょうか?
A 可能です。 それにゴムの部分が見えているのは一部だけですが、ソールの裏には前半分にほぼ全体つながっていますので、 張ることによるデメリットより、アウトステッチを保護するなどのメリットの方が大きいので、是非そうなさることをお勧めします。 ただ、正確にはゴムではなく、樹脂系の素材なので、接着に多少の手間が必要です(2種類の接着剤を使う)。 1種類でも3ポイントなら大丈夫だとは思いますが、ノンスリップの方は剥がれてくる可能性があります。


<底の前の部分に自分でゴムを貼りたい>
Q こんにちは!はじめまして。
HPの方を見つけて感動しながら読んでおります。 Q&Aに見当たらない、と思いますので質問させてくださいませ。
ゴム底を張るのに、プロに任せた方が安心なのか?という質問です。
最近、子供が手を離れてきた記念にイタリアのマノロ・ブラニクという、ちょっと自分には 「分違い」のように高価なサンダルを購入しました。
とてもデザインが気に入っていて長く履きたいのですが「フェラガモの底に穴が」 という所や他のQで薄いレザーソールの靴にはなるべく早い時期にゴムを張った方が、とおすすめになっておられましたのでそうしよう、 と思っていますが、やはりゴムの色を薄い色にしたい、などの理由で、「東急ハンズ」 などで売っている物で自分で張るのは、どうかな?と迷っています。(接着剤で貼り付ける物です。)
それとも、プロの修理屋さんにお出ししたほうが良いのでしょうか?
とんちんかんなことをお尋ねしておりましたらご容赦ください・・・。
A いえいえ、こういうご質問は大歓迎ですよ。
簡単に言ってしまうと、自分で髪の毛をカットするのと、ヘアサロンでしてもらう違いという感じでしょうか。
ただ、髪の毛の場合は、自分でやってあまりうまくいかなくても、カッコ悪いで済みますが、 靴の場合は、下手をすると傷つけたり汚したり、そこまでいかなくてもせっかく貼ったゴムがすぐに剥がれるということは、考えられます。
ご自分でされるのは非常に良いことだと思いますのでコツをひとつふたつ。
まず、接着面をわざと傷つけてザラザラにすること。これにより接着効果が抜群に上がります。 ツルツルの面には付き難いのです。
接着剤は必ずゴム革用を使用。 両面に薄く塗って(革には2回塗りが理想)、5分くらい置いて乾いたところを ドライヤーのようなもので、温めて張り合わせる。
淵の部分を特によく押さえて、剥がれにくくする。
こんなところです。 ご成功をお祈りしております。


<ドライビングシューズの修理 Part 2>
Q こんにちは。 オールアバウトジャパンで検索して貴店を知りました。
早速ですが、修理についての質問です。
「トッズ(TOD'S)のドライビングシューズ」のオールソールの修 理を希望しています。
私の靴はスリッポンか、モカシンというのか、?ですが、「底〜サイド( 外周)」と「甲」の部分の2枚の革で出来ています。2足ありまして、キ ャメル色のほうのゴムの「ブツブツ」はキャラメルの色、黒のほうは、黒 がついています。 (万が一、この説明で分かりにくい時は画像を送ります)
HPの質問集に修理可とありましたが、 こんな風だったらイイナと、私が考えているのは、以下のとおりなんです ・・・
 ゴムのブツブツを削って、全体に靴と同色系のゴムをつけてもらう。  更に、カカト部分にゴムをつけてもらい、3〜5mmでも高くなるように する。
外反母趾で、指も曲がっていて、市販の靴を履くこと自体が苦痛なのです が、この靴は今まででは最高なので、大喜びでうかうかはいたら、とんで も無いことになってしまいました(革が傷ついてて大ショック)
ぜひ補強&修理をしてはきたいので、アドバイスとお見積りをよろしくお 願いします。
A ドライビングシューズのオールソール革底への張替、したことがあります。
ゴムのブツブツを削って、ゴムを貼るという、単純な事ではありません。
ゴムを張るためには、その土台となるソールが必要なので、それを作って取り付けます。
それから、お書きのようにアッパーはモカシンという簡単な作りの靴です。
ですから、いくらでも他で簡単に同様のドライビングシューズでない、モ カシン靴が手に入ると思われますよ。
履きやすいから修理をしたい、というのであれば、その方向もお考えください。
トッズの靴を直したいというのであれば、仕方ありませんが・・・。


<ドライビングシューズの修理 Part 3>
Q はじめまして。HPを拝見し靴についての相談をさせて頂きたく思いました。

先日、TOD’Sというブランドの靴を購入しました。 すぐにでも履きたいのですが、靴底が通常の靴とは異なりどのようにお手入れをすれば良いのか分かりません。
その為、いまだに履けずにおります。

問題の靴底は、ゴム製のイボ状の突起が沢山ついている物で フェラガモ等のように、皮製の靴底はついていません。 靴本体の革が剥き出しの状態です。 ヒールはついています。参考までに 靴の画像を添付いたします。
私の物は、画像の物と材質は違いますが(私のは表皮です) 靴の形、問題である靴底の状態は全く同型です。
このような靴を履くにあたり どのようなお手入れをしていけば良いでしょうか?
靴の着用開始前(未使用の状態で出来るお手入れについて)、 そして日々のお手入れについて ご伝授頂けましたら光栄です。
お返事をお待ちしております。 どうぞ宜しくお願いいたします。
A はじめまして。
トッズに関しましては、実に最近お問い合わせが多いので、かなりのオーソリティーになっております(笑)。
まず、靴の形状ですが、トッズにもいろいろありまして、ご照会のタイプはかかとにコの字型のヒールが付いていますが、 かかとまですべてイボイボのタイプもあります。
逆に革のソールがついた普通のモカシン靴のようなタイプもあります。

ということは、あのイボイボゴムのタイプは、やはり懸念されておられる通り、普通に外に履いていきますと、すぐにアッ パーが傷んで、つま先などはすぐに穴が開くことは必至ですね。つまり室内履きが前提なのです。
ですから、普通に外履きにされるなら、ソールのついたタイプでないと、構造的にかなり厳しいです(スリッパで外に行くよ うなもの)。
これはお手入れのレベルで防げるものではない構造的なものです。

ですから、もしソールのついたタイプに交換が可能ならされることをお勧めします。
それが無理なら、少し高くつきます がソールを作って取り付ける(マッケイ製法による)しかないでしょう。実際にその作業を行った方からのメッセージがHPの「伝言板」にありますので、ご参照ください。
今その方からの紹介で、お友達のトッズもう1足底を取り付ける修理をお受けしたと ころです。 仕上がりは、はじめからソールのついたタイプとほぼ違いなく仕上げます。
その方はソール裏の前の部分が革の場合は減るのが早いので、あらかじめ前半分にゴ ムを貼った仕様にさせていただきました。かかとは革を積んでトップリフトにゴムを 遣い1.5cmくらいのヒールにします。
費用は(修理受付オールソール)をご参照ください。

1点だけそのソールを取り付けた方からの感想で、どうしても元のイボイボゴムの時 は先にも言いましたように、スリッパみたいな感覚ですので、柔らかくて”返り(靴 が歩くときに曲がってくれる)”が良いのですが、ソールを取り付けると、それが多 少硬く感じられるそうです。でも履きなれれば違和感なく問題ないレベルです。

こんなところですが、いかがでしょうか。
わかりにくいところがあれば、お尋ねください。

=A'=
***後日、友人で同業者の月森氏(交遊録に紹介)より、次のような素晴らしいア ドバイスがありました***

今回更新されたQ&Aのドライビングシューズの件で、提案があります。
かかとにヒールのついているタイプに関しては、前だけのソールを取り付けることに よって、対応できるかと思います。
写真を添付いたしますので、参照ください。
ソールのゴムのブツブツ(ペブルという らしい)は、無理ですが、革のままで仕上げるか、その上に薄いラバーを貼っても良 いでしょう。 これなら、半額くらいで修理可能ですよね♪


<オールソール張替えは何回可能ですか>
Q はじめまして。 ○○と申します。
靴底の交換回数についてお尋ねしたいです。
オールソールは2回までヒールは任意回まで可能と聞いたことがあります。
実際のところどうなのでしょうか。 貴店の見解をおしえてください。 貴ホームページの「家庭の靴学」にまだ無い質問と思いますが, 同様のQ&Aがありましたらご容赦ください。
よろしくお願いします。
A まずヒール(トップリフト)に関しては、心配の要ることはまずないでしょう。
ソールの張替え回数には、その靴の製法が大きくかかわります。
代表的な製法は、セメント製法、グッドイヤー(GY)ウエルト製法、マッケイ製法くらいでしょうか。

セメント
(セメンテッド) 甲部と底を接着剤のみで貼り付ける。コストは抑えられるが、排湿性は劣り、足にもなじみにくい。

グッドイヤーウェルト
19世紀にC.グッドイヤーJrらが開発した製法で、ウエルトという靴の周りに巻いた革をアッパーと中底をすくい縫いで取り付け、 さらにウエルトとソールをアウトステッチで縫い付けられている。
ノルベゲーゼ製法の発展型でアッパーよりコバが張り出している。マッケイ製法より耐水性に富み長時間履いても疲れにくいが若干重い。

マッケイ
アッパーの端が内側に折り込まれ直接ソールに縫い付けられている。グッドイヤー製法よりはコバの部分がスマートでかつ 軽量で反りは良いが、耐水性、耐久性では劣る。イタリアの靴に多く見られる製法。

底を張り替えるということは、元々装着されていたソールを取り外す作業を間逃れないのですが、その際の負担と、次に装着する際の負担(縫い付ける)、が考えられます。
セメントは、ソールが接着でアッパーないしソールに張り付けてあるし、張り付ける際にその接着効果を高めるために、バフ(表面を削ってザラザラにする)をかけます。ですから取り外す際、 張り付ける際に大きな負担があります。
マッケイはセメントほどではないですが、仮留めに接着を施しますし、中底に直接縫い付けますので、極端な言い方をしますと靴に穴を開けているということになります。ですから取り付ける際に再び中底に穴を開けるこいうことになります。
なるべく同じところに縫い付けますが、まったく同じ穴に糸を通すのは不可能です。
GYウエルトは、ウエルトという縫い代にあたる部品を掬い(すくい)縫いによって靴に装着して、それにソールをアウトステッチによって(外から見える)縫い付ける構造ですので、 取り外してウエルト部分の糸を抜き去れば、元の穴に縫い付けることがほぼ可能です。 ですから縫い付けることによる劣化は最小限ですし、外す際もウエルト以外にはほぼ負担がありません。
従いまして、その構造から負担の大きい順にざっと次のようになります。
ソールを取りう外す際の負担は
セメント→マッケイ→GYウエルト
装着の際の負担は、
マッケイ→セメント→GYウエルト
張替えの回数に関しては、履き方、修理の仕方に大きく左右されるので、一概には言えませんが
GYウエルト 5回〜(費用は掛かりますがウエルトも交換することができるので、そうすれば更に張替え可能です)
マッケイ 2回〜
セメント 1回〜
を目安としていただいたらよいでしょう。


<製法による履き心地の違いなど>
Q 初めまして。
私はまだ靴の愛好暦の浅い若輩者です。そのため靴を購入する時に店員 さんからとても親切な説明を受けるのですが専門的な用語をほとんど理解していない ため欲しい靴があってもイマイチ快く購入する事ができません。
そこで一つご教授願いたいのですが俗にいう「グッドイヤーウェルト製法」、「ノル ベジアン製法」、「マッケイ製法」など靴の作り方に様々な製法があるようですがそ れぞれの特徴、メリットやデメリットなどを詳しくお教え頂く事ができればと思いま す。
大変面倒な質問ですがお手隙の際で結構ですのでよろしくお願いします。
A
はじめまして。
製法に関しては過去のQ&A「オールソール張替えは何回可能ですか」もご参照ください。
その上で、普通に手に入る靴の製法には

・セメント
・マッケイ
・グッドイヤーウエルト
・ノルべジェーゼ

などがあります。

これらもセメントとマッケイは、構造的に似た作りで、履き心地も近いものがあるでしょう。
となると、グッドイヤーウエルト・ノルべジェーゼは親戚みたいなものです。
セメントとマッケイは、ソールと靴本体がダイレクトに付いている、それに比べて グッドイヤーウエルト・ノルべジェーゼは、ソールと靴の間にワンクッションあると ご理解ください。(正確に言うと若干違いますが、これ以上の説明はここでは必要無いと理解します)

写真 1・写真 2・写真 3がマッケイのソールを外したところで、靴の中底 に直接縫い付けた後があるのがわかると思います。
セメントはこれが縫われずに、接着だけでソールが取り付けられています。

写真 4・がグッドイヤーウエルトのウエルトをすくい縫いでまず縫い付けたところ。

写真 5がそのウエルトにソールをアウトステッチで縫い付けるための、穴です。
つまり、靴に直接縫い付けるのではなく、ウエルトという部品を取り付けて、それに縫い付けているわけです。
さらに、そのウエルトが付いたおかげで、中底の下にほぼウエルト分の厚みの空間ができて、普通はそこに前半分はコルク、 後ろにはシャンクという人間の背骨に当たる部品とコルクが詰まっていて、クッションや足の馴染みを 増す役割を果たします。
(写真 6は後ろ半分をすくい縫いをするために外してある状態)

このようにセメントとマッケイは、ダイレクトにソールに足があたっているような感 覚で、クッション性には劣りますが、軽くてソールの”返り”がよく歩く際に足に沿って靴が曲がってくれます。
グッドイヤーウエルト・ノルべジェーゼは、足とソールの間にワンクッションあるの で、地面からの衝撃などは緩和されますが、その分重たく”返り”もマッケイなどの比べると悪くなります。

アフターのことを考えると、過去のQ&A「オールソール張替えは何回可能ですか」 にあるように、グッドイヤーウエルト・ノルべジェーゼの方が、靴への負担は断然少ないですね。
ざっとこんな感じです。
写真 1
写真 2
写真 3
写真 4
写真 5
写真 6


<ソールの前半分を張り替える修理は?>
Q 初めまして。
東京都在住の○○と申します。このたびは質問があり 、メールさせていただきました。
現在私はつま先にラバーが埋め込んである革靴(グッドイヤーのダブルソール)を履 いているのですが、そのラバーの部分が磨り減ってきて困っております。つま先のの 磨耗はダブルソールの一層目を突破し、2層目の中ほどまで来ております、こうなっ てしまった場合はオールソール張替えしか修理方法はないのでしょうか。
いつも修理を依頼しているお店では、ソールの前半分の革だけを切り取って張り替え る事も可能、ということを聞きましたが、果たしてこのような修理方法が靴に与える ダメージが想像できず、ためらっております。オールソール張替えの半分ほどの値段 でできるそうなので、魅力的なプランではあるのですが…。
お時間があれば、ご回答いただけますようよろしくお願いいたします。
A はじめまして。
先にあるつま先に関するQ&Aもご参照の上、 前半分のソールを完全に切り落とすのは、あまり感心しません。
屈曲位置に切り目がきてしまうので負担が大きく、 斜めにカットして接着面を広くしたり、 アウトステッチなどを縫い直しても、切り口から開いてきやすいからです。
そのために釘で補強しますが、接地面でないにしてもソールのほうから 中に向けて釘を打つのは どうかというのがこちらの見解です。
それに、張替えの必要が無いなら、つま先部分のみの補修も 可能なはずですからそれで十分ですよ。


<修理の際、コバの減退は防げるのか>
Q はじめてメール差し上げます。
今回、お問合せしたい内容は、標記の通り、 革底靴のオールソール張替え時に、コバの減退を防ぐことは可能なのかということです。
減退というと分かりずらいでしょうが、恐らく、ソールを縫い付けた際、 本体(既存部分)との高さ調整の為に、コバも一緒に削っているのではないかと思います。
作業過程を確かめたわけではないのですが、 現物比較において約1.5o〜2o程度の幅が修理前に比べ狭くなっていました。
私は、トリッカーズの靴が好きで、所有しているもののいくつかは、 既にオールソール張替えも行って大事に使用しております。
つま先やかかとなどがチビて古くなた革靴に、オールソール張替えを施してやるということは、 アッパー・インソールともに足に馴染み風合いも増した愛着ある革靴に、 新たな命を吹き込んでやるようなものだと思っています。
それだけに、オールソール張替え後、コバの幅が縮まっているのを確認した時、 靴そのものが持っている価値までもが矮小化してしまったように感じたのです。
上記のようなことがあってからは、使用頻度の極めて高いカジュアルタイプ(メダリオン仕様のカントリー) などを購入、もしくはオーダーする時は、ダイナイトソールのものを。 黒のストレートチップなどフォーマルな場でも使用できるものを購入する場合には、革底タイプを 選択するようになりました。(それでも減りが気になるのでつま先はラバーを貼っています)
コバの減退が、修理工程上、避けることができない事実であるのならば、素直に納得します。 ご意見をお伺いして宜しいでしょうか。
A はじめまして。 まず確認しておきたいのですが、コバの減退というのは、厚みのことでしょうか?幅 (張り出し)のことでしょうか?
高さ調整のためと書かれているので、厚みのことかとは思いますが一応両方お答えし ておきます。

<厚み>
コバとは横から見た際、上から2〜3o程度のウエルトとその下にソール(4.5〜5o) から成り立っています。
その厚みが1.5o〜2o減退するというのは、あまり考えられないですがソールの厚みの違い、 ウエルトに再度ソールを貼り付ける際に、表面を均す程度ですがサッとバフしますが、 それでも1oも変わらないでしょう。
トリッカーズのカントリーの場合でしたら、ソールがダブルソールといって、 ウエルトとソールの間に2〜3o程度のミッドソールを挟み込んであるので、 もしかしたら修理の際にそのミッドソールが外されて、 シングルソールになっているのではないかと思います。

<幅>
これに関しては修理の際に最も気を付ける事項の1つで、最後の仕上げの際にソールを張ってウエルトとの境目をなくし、 表面を平らにするために少なからず元のウエルトも一緒に削ります。
しかし、最小限にするのが必須条件で、削りすぎてしまうと見た目もそうですが、 ウエルトというアウトステッチが掛けられる部分の幅を狭くしてしまうわけですから、今後できる張替えの回数に大きく影響します。
それからグッドイヤーウエルト製法の靴の内部には、すくい縫いという中底とアッパーとウエルトを縫い付ける作業が施されているのですが、 その際に中底に垂直に土手のようなものを作ってあり、それによってできた4oくらいの空間が、 体重の掛かる部分(特に親指の付け根辺り)は凹んだ状態になっています。 ですからウエルトもそれに引っ張られて内側に入り込んでいるので、張替えのソールを仮止めする際、 ウエルトの一番張り出した部分を引っ張りながらソールを貼り付ければ、極端に幅が減退するようなこともありません。
このあたりは、修理する側の意識の問題でしょう。


<つま先補修のタイミング>
Q はじめまして、○○と申します。
お客様の靴の質問に対してご丁寧に答えられているので興味深々に拝見させて頂いております。
さて、私も一点ご質問がありメールさせていただきます。
つま先の修理なのですがご返答されている内容に無いようでしたので・・・。 ダブルソールの修理なのですがどの程度を目安に修理を依頼させていただければいいのでしょうか?
簡単に言うとウェルトの層、一層目、二層目という構造で二層目が一層目にかかる段階で修理を行った方がいいのか、 もしくは二層目を超えシングルソール同様一層目がウェルトの部分にまで消耗する寸前で修理を依頼しても修理は可能なのでしょうか?
このダブルソールのつま先修理の理想的なタイミングがあればご教示いただけませんでしょうか?
靴に対する負担の度合いを出来るだけ軽減できる形での修理を考えているのですが、修理される側の見解というかたちでもお伺いしたく考えます。
よろしくお願い致します。
A はじめまして。

シングル・ダブルに関わらず、ウエルトを傷める前に手を打っていただければ、補修の範囲内で修理は可能です。
ただ靴への負担やコストの面を考えますと、できるだけアウトステッチを縫い直さずにできれば、それに越したことはありません。
その場合に必要なのは、シングルの既成靴のアウトステッチはソールとウエルトを上と下から2本の糸で縫ってあり、その真ん中あたり、 つまりウエルトが約2ミリ、ソールが4.5mm〜5ミリとしたら、ソールの中心よりやや上(ウエルト側)くらいで上糸と下糸が交差し、 上糸がUの字型に折り返して戻っていく中を下糸がくぐってまた下に戻って縫い付けられています。
ですから履いて下糸がつま先だけ一部切れても、下糸がソールの中で上糸に逆Uの字型に引っかかっていて、ソールが抜けにくくなっています。
ですからこの下糸を残す範囲で補修できたら縫い直す必要がなくて済むわけです(例外もありますが)。
それに補修する強化ラバーのつま先用の厚みが3ミリ程度ですので、その範囲内で、補修できれば、 下糸を残したまま下のソールの厚みまで戻せるわけです。 ダブルソールの場合はこのあたりが微妙なのですが、できれば下糸を切らずに、切れても一部か表面だけの状態なら、 縫い直す必要がほぼありませんので、そういった対処が望ましいでしょうか。
またダブルソールの方が”返り”が硬い分、つま先も開こうとする力が強いので、ある意味シングルより早めの対処の方が無難といえるしょう。


<ソールに縫い付けてある糸に関して>
Q はじめまして、○○と申します。
突然のメールで失礼致します。

最近このサイトを知り、興味深く読ませて頂いております。
メンテナンスなどを参考にさせて頂いております。

最近購入した靴はマッケイ製法だということをこのサイトで知りました。
そこで質問なのですがGYウェルト製法の靴底の糸は切れてしまっても 特に問題はないとのコメントをどこかで聞きました。
(限度はあると思いますが・・・)
実際に手持ちの靴は底が減りだし糸も見えなくなってしまっていますが 問題は無いように思われます。
しかしマッケイ製法の靴の仕組みを見ると糸が切れると底が剥がれて しまうような気がするのですがいかがでしょうか?
底の表面近くに糸が縫われている為、すぐに切れてしまう気がしています。

お答え頂けますでしょうか?
よろしくお願い致します。
A はじめまして。
製法がどちらであれ、縫ってある下糸が切れれば、ソールは外れようとするテンショ ンに対して弱くなるのは同じです。
ただ、GYウエルト製法のほうがデザイン上、ソールの厚みがある場合が多いので、 切れた下糸とソールとの摩擦などが大きいので、剥がれにくいと言うところでしょう。

それよりも関わってくるのは、糸を縫いつける部分のソール部分の溝の深さです。
溝が深ければ、ソールが少々磨り減っても糸は切れないわけです。
これもソールの厚みが関わってくるので、マッケイの方が早いと言えばそうかもしれませんね。


<カンペールのイボイボソールは・・・>
Q こんにちわ。私はcamper社製のブーツを履いていて、とても気に入っています。 しかし、毎年冬だけ履くこと4年、かかとだけがいちじるしく減ってきてしまいました。
前3/4ほどはほとんど減っていません。靴底の大きなイボイボも靴を買う動機のひとつになった部分なのですがcamperのHPを見たりしましたが、 修理はやっていないらしく、買った当時のままのようにはできなさそうです。
しかし過去に華奢なパンプスの靴を、かかとのゴムが減らないようにできないかとデパートに入っていた修理屋さんに出したところとても大胆な改造がされて帰ってきました。
とてもショックでそれ以来靴の修理を考えるだけで暗くなってしまいます。 全くプロポーションが変わって帰ってきてしまったら…と。
 話が脱線してしまってすいません。
そこでcamper社製の靴底を張り替える際、貴社ではどのような張り替えを行うのかお聞かせ願えませんでしょうか? (女性)
A はじめまして。

まずこの問題は、技術的な面より、その材料を調達する、用意できるかどうかというロジスティックの問題になるんですね。
後はそれに対して企業努力をするかどうかになるのですが、ちょうどヒールの例を書いていただいているので比べますと、 おそらくヒールのゴムを減らないようにするというのは、ゴムの大きさを大きくする方向に、ヒールを取り替えるというプランだと思います。
その場合は、ヒールのデザインは見える部分で大きな要素として考えられますので、もとのデザインに合う様なヒールを探すという努力はいたします。
しかし、ソールのゴムの場合は見える部分でもございませんし、構造的に問題なければ、よいのではないかというのがこちらの見解です。
メーカーの方で対応すべきだとは思いますが、ただ海外ではユーザーがそのような部分にこだわらないというのも事実ですね。


<製法を変えられますか>
Q お世話になってます、相談なのですが、マッケイ式の靴をウェルト式に直す事は出来るのでしょうか。?
A できません。
できるのは
・セメント製法→マッケイ製法
・マッケイ製法→ブラックラピド製法(できる場合とできない場合があります)


<コバを今以上に張り出したようにしたい>
Q こんにちは。以前、K.T.Lewistonのソールについて伺わせ頂いた者ですか、ご返答頂きましてありがとうございました。
さて、今回は別の内容でお伺いしたいのですが、今所有しているオールデンのUチップシューズがあります。
その靴のコバの幅の出(上部より見た際アッパーからはみ出る幅といいましょうか、説明が下手ですみません)が、 現在店頭に並んでいる同等品より少ないのです。
私自信としてデザイン的にはコバが多少出ている方が好みなので、 もしソールを張り替える際などに現在のものよりいくぶんか大きいサイズの物に変えるということは可能なのでしょうか。 もし可能なのであれば、費用はおいくら程するのでしょうか。
おわかりになる範囲で結構ですので教えていただけますでしょうか。よろしくお願い致します。
A オールデンは、グッドイヤーウエルト製法という、ウエルトが靴の周りに縫いつけられて(すくい縫い) それにソールが取り付けられ、アウトステッチで縫われています。
この張り出しは、最初のウエルトの幅によって決まってきますので、 ソールだけを張りかえる際に張り出しの幅を出す事は出来ません。
そうするにはウエルトを幅の広いものに替えてやらないといけないのですが、かなりの大仕事で、 それだけで張替え以上の費用になりかねないです。
元の完成品をそれだけの理由でバラすというのにも、少し抵抗もありますね。


<チャネル仕上げのメリットは?>
Q お尋ねで誠に恐縮なのですが、
チャネル仕上げ(靴の縫い目を隠す仕上げ)をしていただくのと、そうでない場合のメリットとデメリットをお教え戴けますでしょうか?
素人考えですとチャネル仕上げの方が耐水性が多少高いような気がするのですが、 滑り易さを考えますと、チャネルで無い方が、滑り難いような気も致します。
A 靴がグッドイヤーウエルト製法でしたら、縫い糸が靴の中まで入っているわけでなく、 コバのウエルトに縫われているので、耐水を考える必要もないでしょうし、糸自体に松脂を染み込ませて耐水対策はしてあります。
それにチャネルと言っても、表面的なものですので、ある程度履けば糸も見えてきますので、装飾的な意味合いが強いとご理解ください。
耐久性を考えたら、チャネルより糸が縫われるソールの溝の深さに尽きます。
滑りはほとんど変わらないでしょう。


<ステッチダウン製法について>
Q はじめまして
HP、興味深く拝見しました。
あの「靴墨」がすべてだと思っていた私にはまさに「目から鱗」でした。

ソールの修理の件で相談です。

一年半ほど履いたリーガルのJL19というモデルですが、つま先のゴムパーツが摩耗して、その下のレザー部分まで傷みが進んできましたが、 この靴、今までグッドイヤー製法だと思っていましたが、調べるとステッチダウン製法とのこと。

同時に買ったJH23というラバーソールの靴(こちらはGY)より安かったのが、今になって納得できました。こちらはこちらでステッチの場所をみると、「ホントにGY?」と思ってしまいます。(縫い目がコバからかなり奥まった位置にあるものですから)

Q&Aをみましても記事が無いようですし、自分であれこれ調べてみると、ステッチダウン製法は何度も修理ができるものではないのかなという印象です。

そう思って眺めると、ソールのレザーに少し厚手のものを使っているようにも見受けられます。

今、オールソール張り替えをしなければならないのか、先端のゴムだけ取り替えてソール交換はもう少し先にしても良いのか、 判断がつきかねましたので相談にのっていただきたくメールさせていただきました。

よろしくお願いします。
A はじめまして。
この度はお問い合わせありがとうございます。

ご照会のステッチダウン製法ですがよく見かけるのはリーガルの中の1種類、 タケオキクチのラバーソール、クラークスのデザートブーツもそうですね。
簡単に言うと、見た目はグッドイヤーウエルトに似ていますが、グッドイヤーウエルト製法がアッパー(足を包む部分の上の革)が ウエルトの部分で内側に折り曲げられ、その中でアッパーと中底とウエルトを「すくい縫い」という縫いでまず縫われ、 その取り付けられたウエルトにソールがアウトステッチ(ダシ縫い)で縫われています。

それに対しステッチダウンは、アッパーがウエルトのところで外に折り曲げられ、 飾りのウエルト(折り曲げられたアッパーの水平になった部分の上に靴の周り1周巻いてある) とアッパーと中底とソールが1度に1本のアウトステッチで縫われている、 ですからコバ(ウエルトとソールの張り出した横の部分)をよく見ると、アッパーの断面が見えるような構造です。

ソールを張り替える際に、そのステッチダウンのアウトステッチを切ってしまうと、 アッパーをあの靴の形に保っている糸を切ってしまうことになり、その形を保つには、 その靴のオリジナルのラスト(木型)を入れないとできないんですね。
それにそのような構造ですので、普通に履いている際に足を包んでいるわけですから 歩くと言う動作を繰り返すうちに、中から外に向かってテンションが掛かり、 特に小指部分のあたりでパンクするように口が開いてしまう事もありますり、 修理をして長く履く、ということを考えた場合、構造的に強度が足りないかな、とも思います。

ですから張替えの修理に関しましては、メーカーさんにお尋ねください。
つま先だけならご近所の修理の店でも対応してくれると思いますが、 どうしてもその部分のステッチが切れているので、縫い直したほうがベターですが、 つま先だけなら、少しくらいは切れたままでもその両端で支えられるので、大丈夫とご理解いただいても良いかと思います。
Q&A (Q&A「ステッチダウン製法について Part 2」参照)もください。
今回は、お力になれずに申し訳ありません。


<シングルソールとダブルソールについて>
Q あまり靴のこと詳しくないのでお伺いしますが、ソールのシングル・ダブルというのはどういうことですか?
どちらの方がALDENのプレーントゥには合うのでしょうか?
よろしくお願いします。
A グッドイヤーウエルト製法の靴の場合、普通はソールが1枚ウエルトに縫いつけられて装着されています(シングルソール)。
そのウエルトとソールの間にもう1枚薄めのソール(ミッドソール)を挟み込んで2重にしたものがダブルソールです。
オールデンの場合は、どちらのタイプもあると思いますので、どちらが合うかというより、 見た目の好みだけでなく、機能面で考えられたら良いでしょう。
ダブルにすると、ソールの厚みが出る分しっかりするというか、たとえばトリッカーズのカントリーブーツのような、 本来アウトドアを目的としたようなハードな接地面で履く場合であるとか、 西欧人のように大きいサイズでしたら、サイズが28センチ以上くらいになってくるとシングルでは少し頼りない場合、 しっかりしてちょうどよいくらいの場合もありますが、
平均的な日本人のサイズですと、ソールが厚くなる分、逆に返り(屈曲性)が悪くなり、つま先ばかり減る傾向があります。


<ウエルトとアッパーの境目に縫い目が見える>
Q はじめまして、○○と申します。
ホームページを拝見しお便りいたしました。すばらしいホームページでとても勉強になります。
誠に勝手ではございますが、靴の修理について質問させてください。(画像を添付させて頂きます。)
恐らく、グッドイヤー製法の靴なのですが、爪先の皮がすこしめくれ上がっています。 ウェルトと本体の皮との接続部分がホツレているようにも見えます。
修理は可能でしょうか?
未使用の靴なのですが、直してから履こうか、ソールの張替えの時に、お直しをお願いしようか迷っています。 ちなみに、ソールはチャネル仕上げです。
お忙しい中、申し訳ございませんが、お返事頂けると嬉しいです。
A 写真だけでははっきりとはわからないのですが、その部分は”すくい縫い” でウエルトと中底、アッパーを縫い付けている部分です。
縫い付けたすぐ後の状態は、ウエルトが靴に巻く付くように上を向いていて、それを水平まで引っ張ってソールを取り付け縫います。
このようになるのはそのすくい縫いのテンションが緩いために、ウエルトを引っ張った際にその縫い目が現れてしまっているというのが一番考えられる症状です。 極論で言えば、縫いは掛かっているわけですから、構造的にはそのままでも履いていただける、 と言うことですが、本来締まっていて当たり前、その部分が開いて糸が見えると言うのは、初歩的なミスといえるでしょう。
ですから購入先様に、クレームとしてご相談になる事をお勧めします。
もし直すとしても、ソールを一旦外す必要があり、更にすくい縫いを部分的に補修して、 完全に直るかどうかはやってみないとわからない部分を含みます。


<ソールの裏にゴムを貼ると、通気性が悪くなるのですか?>
Q つまらない事かもしれませんが、気になるので教えていただければ幸いです。
僕は靴を買うと革底の場合は、修理の店で裏にゴムを貼ってもらってから履くのですが、
こちらでは通気性が悪くなるというデメリットにも触れられています。
履き比べた事がないので、実感としては感じられないのですが、見た感じでもソールの裏以外からでも 通気性は確保できるような気がするのですが、いかがでしょうか?
また靴の寿命にも関わるのでしょうか?
A ソールの前半分の裏にハーフラバーソールを貼るのは、滑りを軽減して耐久性を出すのには適していますので 前にも書いておりますように良い悪いではなく、チョイスの問題とまずご理解ください。

その上で、お書きのようにアッパー(足を包んでいる革からも通気性があって、汗を放出しますし、おしゃられていることも一理あるでしょう。
統計を取ったわけでもなく実験をしたわけでもないですが、裏にゴムを貼られた靴を修理に持ち込まれた場合、中底(足の裏が当たる部分の革) のひび割れなど、劣化する確立が高いように現場で実感します。
中底が吸った汗を排出する先の一方が塞がれているわけですから、論理的にも考えられると思います。その場合は靴の寿命を考えた場合、影響があると言わざるを得ないでしょう。
ただ、ハーフソールを貼った場合でも、何足かをローテーションで履く、1日履いたら十分に汗などを排出してやる時間を持たせてやれば、かなり改善されるでしょう。
偏見かもしれませんが、ハーフソールを貼られる方は、どちらかというとマメなメンテナンスが苦手な方が多いような気がしますので、同じ靴を続けて履かれたりして中底の傷みが早いのかもしれません。
以前、椅子に座ろうとした時に、うっかりコンビニのビニール袋の上に座ってしまい、暫くそのままでいた事があります。 そうすると、季節が夏だったせいもあるでしょうが、10分もしないうちにお尻の辺りがムレて、汗ばんでくるのを実感しました。(笑)
もしかしたら靴もこんなじょうたいなのかなぁ・・・・。


<つま先が長くて細いパンプス、すぐに減りそうなのですが>
Q 実は、ブーツを購入したんですが先がかなり尖ったタイプなので、 履く前に何か保護出来るようなものが無いかと思いHPを拝見させてもらったのですが、
よくわからなかったのでもしご迷惑でなければ教えていただけると嬉しいです。
A つま先の尖ったタイプの場合ですが、おっしゃるとおりで実際にかかとの修理で持ち込まれるこのタイプの靴は、 底のソールがすぐに削れて、アッパー(足を包む上の革)に穴が開いているのを見かけます。
ですからソールの素材が革の場合は、ハーフラバーソール(踏まずから前)に予めラバーを張っておく、ソールの素材が合成ラバーの場合は、 早めにつま先だけ修理のお店で補修して、アッパーを傷めないようにしてください。
それでも先が尖っている分、負担が大きいのでマメにメンテが必要になるでしょうね。

ただ、単純に歩いてなった、というのより階段を上がる際などにつま先が当たって傷になっている場合もよく見かけますので履き方にもご注意が必要でしょう。


<ソール(底)が木製のようなのですが>
Q はじめまして。HPを初めて拝見させていただきまして、こちらの方ならば今の私の悩みに適切に答えていただけるのではないかと思い、 メールをさせていただきました。
一通り、Q&Aを読まさせていただいたつもりですが、もし、同じような質問にお答えいただいていたことがありましたら、 お手数ですが返信メールに「家庭の靴学の 〜編で一度回答をしています。」と返信をしていただけたら嬉しいです。
宜しくお願い致します。

ひとめぼれでAm strand というメーカーのショートブーツ(見た目は乗馬ブーツのような感じです。) を購入しました。ところが、家に帰ってよくよく見てみると、靴の底(ソールとヒールいうところでしょうか。) が木製であることに気がつきました。 ヒールの後ろ半分くらいは、合成ゴム(おそらく)で作られているのですが、それ以外の靴の底は全て木みたいなのです。
@ このような靴は、もしかすると本来は外履きの靴ではなく、飾りようなのかもしれない。
A 外で履いたら、すぐに底に傷がいっぱいついて、履けなくなるのでは。
B あまり高い靴でもないので、もしかしたら修理して履くということを考慮されていない靴なのか。と悩んでいます。 しかしせっかく購入した靴なので、出来れば長く修理をしたり、補強をしたりして、大事に履きたいと思っています。
C 木製の底の靴を履く前にすべきこと、その後のケアについて。

以上の@〜C(特にC)の質問にお答えいただければ幸いです。
もとはと言えば、靴の知識のあまりない 私の浅はかな考えで買ってしまった靴のことをお答えいただくことになって申し訳ありません。
しかし、靴が大好きな私としては、ひとつひとつの靴との出会いを大切にしたいのです。
宜しくお願い致します。
A 心配は要らないですよ、それは木製ではなく、革です。見た目にそのようにおっしゃる方がよくおられますが、 革の表面に仕上げを施したら、ニスを塗った木の表面のようになるんですね。
もし木製なら一度履いたら割れてしまいますよね。
普通に靴として売られているのであれば、問題はないはずです。 革の場合にはどうしたら良いのかは過去のQ&A
「新しい靴、履き下ろす前に何かしたほうが…?」
「前底前面にゴムを貼るのと、オールソール貼り替えるのとどちらが良い? Part2」
をご参照ください。


<ソールに小石が食い込んでしまいました>
Q はじめまして。
紳士用革靴の靴底(革)に、直径2mm程度の小石が食い込んでしまいました。
キリのようなものでつついてみましたが、うまく取ることができません。 グリっとえぐるようにすれば取れるのかもしれませんが、傷口が広がってしまうようで躊躇してしまいます。
実は革底の靴を履いたのは初めてなのですが、注意して見てみると、他にも更に小さな小石(のようなもの)が食い込んでいる箇所がけっこうあります。
これらを取り除くよい方法はあるのでしょうか、それともこのまま履き続けてよいのでしょうか。
A はじめまして。

特に変わった方法はありません。力ずくで取るしかないでしょう。
ただ原因が雨に濡れて革がふやけた状態で食い込んだなら取り除いても乾けば大丈夫ですが、 普通の状態で小石が食い込んだとしたら、また同じことの繰り返しですね。
ですからハーフラバー(ソールの接地面、前半分に薄いラバーを張る)修理をされた方が良いでしょう。


<修理していただいた靴、ウエルトとソールに隙間が出来ました>
Q いつもお世話になっております。
先日修理依頼した○○です。

ご機嫌に履かせて頂いていたのですが、(修理後10回程?着用)
ソールの張り合わせ部分(コバを横から見たウエルトとソールの隙間)の糊がはがれてきたのかうっすらと張り合わせ部分から開いてきました。 本日発覚しました。

修理して頂いてまだ1ヶ月くらいですが 違う靴を直していただいたそんなことがないのに、なぜ??という感じがいたします。
こんなにはやく広がるものか?とも思っております。糊の問題ですか?
修理しないと履けないので、どうすれば良いかご指示下さい。
よろしくお願いいたします。
A この度は、お手数をお掛けして申し訳ありません。

ご照会の件ですが、ウエルトとソールは、アウトステッチで縫い付けてあるので、構造的には問題ないです。
グッドイヤーウエルト製法に限らず、ブラックラピド製法でも、ソールの取り付けは縫いでなされるべきで、 接着はあくまで仮止めのレベルであるべきであるとこちらは思っております。
接着をベタベタ塗って、剥がれない様にする事は簡単ですが、そうすると通気性を損なうだけでなく、 次回の修理の際に靴に大きな負担化がかかり、必要以上の修理費の発生の可能性 (この場合ですと、またMソールごと替えないといけないような)が生じます。
そのために今回のようなことの起こりうりますが、靴とはそういうものであると言うのが、こちらの見解です。
どうしても気になられるようでしたら、ゴム革用の接着剤を入れていただければとりあえずは止まるでしょう。

お客様の声を聞くことは惜しみませんが、これはポリシーの問題ですのでご了承ください。


<作業靴やスニーカーのソールは?>
Q 実は、6年ほど前に買ったヨーロッパ製の作業靴があるのですが、ずっーと履いていたら靴底が避けてしまい、中の鉄板みたいなものが露出してしまいました。
○○の靴修理コーナーに持って行くと、「靴底が一体なので張り替え出来ません。もし直せるとしたら、直接ブランドに持っていかないと…」といった感じで、 修理できないと言われてしまいました。
買った店にもメールしたのですが、なんせかなり昔の商品なので分からないみたいで…
とってもとっても気に入ってずっと履いてた靴なので、残念で、なんとか修理できないかなと望みが棄てれず、捨てることもできず、部屋の隅に置いていました。
そんなときに、修理屋さんの存在を知り、さっそく靴を見てもらおうと思い、メールいたしました。
写真をお送りするので、一度みていただけますか?
何卒、よろしくお願いします。

A この度は、お問い合わせありがとうございます。

残念ですが、こちらでもおなじお答えしかできません。
修理ができるかどうかは、その作り方に大きく左右されます。
例えば普通のカメラなら修理できるでしょうが、使い切りカメラは修理できない(分解できない)と同様です。
そしてこの作業靴や、スニーカー等も使いきることを前提として作られている、とご理解いただいたほうがよいでしょう。
それでも無理やりしようと思えば、履けるようにするくらいはできるかも知れません。

ただ、ソール自体がオリジナルの部品ですので、見た目も履き心地も変わってしまうことは必至です。
修理は目的ではなく手段です。とすると、履きやすいから気に入って履いているので修理するという目的の達成には、やはり無理があると思います。

一応可能性がありそうな修理のサイトをご紹介しておきます。
     ↓
http://shoes-doctor.com/Files/nakada.html

お力になれず申し訳ありません。


<ステッチダウン製法について Part 2>
Q はじめまして。
一月ほど前に、修理に出し先日戻ってきました靴のことで悩み、色々と検索していて、こちらのHPに出会いました。
ここに書かれていない悩みがありましたら、メールでお問い合わせください。
とのお言葉に甘えて、ご相談させていただきます。

修理に出した靴 クラークスの製造中止になっている古いデザインの黒の革靴です。
つま先の方の幅が広くどっしりとした感じです。
素足の形に近い形です。
ハイカットで、紐を結びます。
買った当初は、黒の皮に茶の糸で、ふちにステッチが入っていました。
(今は、靴墨でステッチは黒くなってしまいました。)
後ろの方に赤っぽい布のタグが縫いこまれていました。
(それはすぐにとってしまいました。)
修理屋さん 百貨店経由で、クラークスの修理を請け負っているところ
修理箇所 減ってしまった靴の裏
修理方法 オールソール交換?
依頼時にお願いしたこと くれぐれも靴の幅、つま先の方を細くしないように。形を変えないようにお願いします。
修理開始前の連絡 現在、2本入っているステッチが国内には2本縫える機械がないため、1本になります。との連絡が、百貨店さんよりありました。
海外のメーカーさんにお願いすることは出来ませんか?と伺ったところ、今は修理を請け負っていないとのことで、仕方なく1本で承諾しました。
仕上がり状態 幅が狭くなって戻ってきました。

( つま先の方が広くなっている形がこの靴のチャームポイントで、その形と履きやすさが気に入って購入し、大好きな靴で、こればかり履いていました。 甲の方の皮は全然痛みがなく、裏だけが磨り減っていたので、修理してもらって長く履こうと思っていました。 ショックです。)
ステッチも、元の穴の位置で縫われているところ、違う位置で縫われているところ、内側に入ったり外側に行ったりしています。
修理前は、周りの2本ステッチ部分にあった皮が、修理後は、穴が点々と開いた状態で甲の部分に参加しています。
修理の事が良く分からない素人から見ると雑に見えてしまいます。 何だか納得が行かなかったので、百貨店さんへ質問し、修理屋さんに伝えてもらい、そして答えが返ってきました。
質問 修理前より幅が狭くなってしまって、デザインが変わってしまったようですが?
幅は変えないでくださいとお願いしてあったのですが…
回答 幅は変えていません。デザインも変えていません。上の方は触っていません。
質問 ステッチは修理前と同じ穴に沿ってやっていただけると思っていましたが?
回答 同じ穴を縫うと皮が切れやすくなりますので。
質問 修理前、周りの2本ステッチ部分にあった皮が、修理後、穴が点々と開いた状態で甲の部分に入ってしまっていますが、 その分、形が変わってしまっていませんか?
回答 そこは変わらないようにやっています。

修理に出す前に、写真を撮るとか、幅を計っておくとかするべきでした。
変えていないといわれれば、何の証拠も無いので…
それでも、毎日のように、何年も何年も履いていた靴です。
何度も何度も磨きましたし、洋服に合わせながら何度も何度も鏡にも映しました。
なので、形は覚えています。

実は以前にも、別のメーカーの靴を同じように修理に出し、同じように幅が狭くなり形が変わって戻ってきた経験があります。
結局、その靴はその後一度も履くことはありませんでした。
ですので、修理に出すことにとても不安があり、今回はもう一足同じものを購入しようと 何軒もお店を回ったり、インターネットなどでも探しましたが、製造中止になっていて、同じ靴は見つかりませんでした。

そこで一大決心、修理をお願いしたんです。
それも、「以前こういうことがありましたので、幅が狭くならないように気をつけてください。形が変わらないようにしてください。」と、念を押してお願いしたんです。
それなのに… また、こちらのHPで、拝見しましたが、靴底表面にゴムを貼る修理方法でも良かったのでしょうか。 そうすれば、ステッチも2本のままで、形が変わることも無かったのでは。形も、履き心地もとても好きな靴でした。
とても丈夫な靴で、色々なところに行きました。

現在は、「メーカーさんにデザインが変わったか、変わっていないか確認してもらいます。」
と、百貨店さんから電話を頂き、結果を待っている状態です。
でも、きっと変わっていないといわれてしまうんでしょうね。
ショックです。
また今回も、修理代だけかかってしまって。 元の形に戻すことって無理でしょうか。

読み返してみると、とても不躾なものになっていました。 申し訳ございません。
また、とても長く、内容も分かり難いと思いますが、 何とかご理解いただければと思います。
よろしくおねがいいたします。
A これは製法がステッチダウンというもので、それによる典型的なパターンです。
詳しくは↓をご参照ください。
ステッチダウン製法について Part 1

ですから修理をする以上は事前に「製法の都合上、オリジナルのラスト(木型)なしで行うために足入れが変わってしまう」、
ということをお伝えする必要があったでしょう。
ステッチの2本に関しては、2回縫えば可能なはずですが、すべて元の穴に通すのは手で縫わない限り不可能で、 8割方入れば良いというところでしょうか。

以上のことから、こちらではステッチダウンの靴はお断りしております。
対応しているところを、貴重だとも思います。
ですから今回のことを、

・それでも対応してくれた
と好意にとるか、

・対応する以上はもっと精度を上げて欲しい。
ととるかは、貴方次第でしょうね。


<つま先のラバー補修の際、切れた糸は縫い直しますか>
Q 樅山様

はじめてメールさせていただきます。
いつもHPを楽しみに拝見させていただいております。
ぜひ、専門家のご意見を伺いたく、メールさせていただきました。

当方、イギリスに在住しており、在住をきっかけにノーザンプトンのファクトリーショップにて有名どころの靴を数足買い揃えました。
私も、つま先が減りやすいようでして、先日近所の靴専門の修理屋さんにつま先の補強をお願いしました。
樅山さんのところの、つま先ゴム仕様のようにしてもらうつもりだったのですが、 修理の結果、つま先のゴムにグルーバーで溝が掘られ、新たに縫い直されていました。
糸も太く、縫い方の粗いこと粗いこと。縫い目の粗さが2倍くらいあります。
そして、ウェルトの上に出ている糸がかなり凸凹しています。

そこで、3つ質問があります。
1) オールソール等、次回以降の修理に影響しないでしょうか。
2) 普通、つま先補強は縫い直すものなのでしょうか。それとも、単に貼り付けるだけでも十分なのでしょうか?
3) 御社のつま先ゴム仕様のつま先は、どのようにウェルトとくっついているのでしょうか?
外からは、縫い目が見えませんので、チャネル仕上げのようになっているのですか?

以上、よろしくお願いします。
来年には、帰国します。
関西に住む予定ですので、一度オールソール等お願いしたいと思っています。
A はじめまして。
羨ましい生活環境にお住まいですね。
ただ日本の職人たちも ”気の利き方”、”手先の器用さ”、”企業努力”では、車業界と同様、 決して劣っているとは思いませんので、帰国されてもご安心ください。
ご照会の件に関してお答えします。


> 1)オールソール等、次回以降の修理に影響しないでしょうか。

グッドイヤーウエルト製法の生命線は、ウエルト(ソールを縫い付けてある靴の回りを1周している幅1センチほどの革)のコンディションに尽きます。
減りすぎてソールを通り越してウエルト部分まですり減らしたり、ソールの張替え修理の際に、 前回ソールを取り付けの際に縫われた糸をウエルトからきれいに抜き去らないと、縫い目の穴が2重に縫われて広がってしまいます。
そうするとすぐに影響は出ないですが、縫い目の穴が広がった分、強度が弱くなり次回以降の張替えの出来る回数が減ってしまう可能性があります。
今回の件はこれにあたるでしょう。

> 2) 普通、つま先補強は縫い直すものなのでしょうか。それとも、単に貼り付けるだけでも十分なのでしょうか?
> 3) 御社のつま先ゴム仕様のつま先は、どのようにウェルトとくっついているのでしょうか?
> 外からは、縫い目が見えませんので、チャネル仕上げのようになっているのですか?

通常普通に履いて擦り減った段階で、つま先の先端部分の縫目の下糸は切れています。
その部分をカバーするように、元々あった革の形状になるよう、ラバーを接着で貼り付けます。
(下写真参照)
擦り減ったつま先部分の接着を良くする為と、ラバーの厚みで元のソールの厚みよりぶ厚くならないように更に表面を薄く削ります。
その際に切れたステッチは縫い直しませんが、如何に最小限の削りで済ませるか、で縫い直す必要はないと思います。(過去のQ&A「つま先補修のタイミング」参照ください)
切れたつま先部分の縫い目を縫い直すという方法もありますが、修理時間と費用の面はもちろん、 ウエルトへの負担の面でマイナス要素のほうが多いと思います。(縫い直した方がよい場合ももちろんありますが、稀です)
つま先の補修は、局部的に減ってソール全体を使い切る前にウエルトを傷めない為の手段で、 一時的経過処置(過去のQ&A「爪先が減るのですが… Part 1」ご参照ください)です。
その削り代を最小限に抑えることにより、普通に履いていただく分には問題ないというのが、こちらの見解です。


つま先だけ擦り減った状態↓
完 成
取り付けるラバーをこのように加工してソールの削りを
最小限にする(写真でわかりやすいように大きなゴムで
これ用に作ってあり、実物はもっと小さいです)


<中底(足の裏があたる部分の前の方)が、ひび割れて歩くと違和感>
Q ○○と申します。
いつもお世話になっております。
皆様お元気でしょうか?

今回、一足靴の(オール)ソール交換をお願いいたしたく 下記についてお見積もりをお願いいたします。

・ロブス マッケイ製法 ウイングチップ 外羽根 黒
・状態 革底の中央辺りが押すとへこむ感じで 磨耗を予感(両足)

加えて左足については 中側の革底が横にヒビが入っている
(歩いていると足の裏がはさまれる?違和感)

外底も中底も重要なんだな と感じた次第です。
左側はまさに オールソール交換 となるのでしょうか?(汗)
A この度は、お問い合わせありがとうございます。

照会の件はおそらくマッケイ製法の場合よくある事態で、中底の劣化によるひび割れだと思われます。
原因は定かではないですが、材質的なもの、グッドイヤーの靴ではほとんど見られないということと、 裏にハーフソールを張った靴に比較的多く起こる症状からして靴底からの通気性の乏しさによる劣化、の複合かと思われます。↓ご参照ください。
ソールの裏にゴムを貼ると、通気性が悪くなるのですか?

マッケイ製法の場合は、ハーフソールを張らなくてもソール(本底)を仮止めする際の接着剤の塗り方などで、 通気性がかなり変わるのではないかと思います。

修理としては、ソールを取り外す必要があるので、オールソール張替えと中底の前半分を交換することが可能だと思います。(すべて左右になります) ただ、本来靴のアッパーが吊り込まれて固定されて、足を入れる空間が決定していますので、オリジナルの木型なしに、 元の割れた中底を頼りに作り直すとなると、足入れが変わる可能性があります。
ということは、せっかく履きなれた靴なのに、修理後指が当たったりして痛い思いをする可能性も出てきます。
となると修理する意味があるのか?という側面も出てきますので、ご検討ください。



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