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〜靴のお手入れ〜


基 本 編



<手入れの基本的なこと(1)>
Q ご照会させて頂きたいのは普段のケアです。あまりに基本的で申し訳有りませんが よろしくお願いいたします。
(1)脱いだ後毎回ステインリムーバでのクリーニングと靴クリーム塗をするべきなのでしょうか?

(2)靴クリーム塗布後の「磨き」(ぼろTシャツを使用)はゴシゴシ汗をかくほど力を入れてするものなのでしょうか? (あるところでは、そうお伺いしました)

(3)シューツリーは脱いだ後どれくらいたってから入れるのでしょうか?(男性)
A このような質問は大歓迎です。まず、おおまかな手入れ方に関して言いますと、よく女性の化粧に例 えます。

1.クレンジングで化粧を落とす。
2.乳液などでスキンケア
3.化粧をする。

の3つの段階に別れると思います。 これを靴に当てはめると、
1.ステインリムーバー(クリーナー)で汚れと前のクリーム(蝋分)を落とす。
2.デリケートクリームでコンディションを整える。(蝋分は含まないのでツヤは出ないが通気性も損なわない)
3.色付きの乳化性クリーム・ワックス系の靴墨で磨く。

忘れがちなのが、1の作業で、これをしないと、厚化粧になって革が呼吸できなくなり、かえってひび割れ等の原因になり かねません。あと、3に関しては、よほど光沢を出したいか、防水効果を期待する時は乳化性シュークリームの後に、缶入りのワックスを 併用することもありますが、乳化性の色付きクリームだけでもで十分だと思います。 革によっては(アンティーク調のタンニン染めアニリン仕上げ等)塗ると油分が浸透し過ぎて、色が濃くなってしまう場合もあります。 この場合は、アニリン用クリーム(油分を抑えてある)で染み込みを抑えてから同色のクリームをお使いいただいたらよいでしょう。
さてご質問の方ですが、お手入れの間隔に関しては、当然履く頻度や、履いた時のコンディションによって変わってきます が、毎回する必要はまったくありません。
むしろ普段は、空拭きか固く絞った濡れ雑巾で拭いてやる(これはポイントで、水分を与えてやる効果があります)くらい の方がベターです。顔のように常に新陳代謝が行なわれないわけですから、やり過ぎは負担もあるのです。

4足をローテーションで履いて、ひと月に一回くらいでしょうか。顔に乳液をゴシゴシ塗り付けないように靴もそんな必要 はありません。ソフトな革や、コードバンですと、傷める原因にもなりかねません。最小限のクリームを塗った靴を、指先 にボロ布を巻き付けた指で丁寧に小さな円を描くように伸ばしていきます。

次々にきれいな布の部分に移動させながら、クリームが布に付着しなくなればOKです。

あと、さっと全体を空拭きしてやります。これだけで必要な栄養分は革に浸透していますし、ツヤもでます。
特にワックス系のものを使用した場合は、それに含まれる〃ろう〃が摩擦の熱で光沢を出す効果があるので、ゴシゴシ説は 生まれたのでしょう。シューツリーは、水分を吸収してくれる木製のものなら、すぐに入れていただいて結構です。そうで なくとも、そんなにこの件に関してはナーバスになる必要はないと思います。

全体を通して言えることは、要は革の手入れ、難しく考えずに、革にとってどうすれば心地よい環境にしてやれるか、とい う視点から、臨機応変に行なって欲しいということです。


<お手入れの基本的なこと(2)>
Q 今日WESTONで『ゴルフ』を買ってきました。ケア用品として「固形の缶に入ったクリームとブラシだけで 手入れは十分!!」と言われたのですが、初めて買った高い靴なので、それでベストなのか心配です。
このHPでの手入れの仕方は
  1.ステインリムーバー(クリーナー)で汚れと前のクリームを落とす。
  2.乳化性クリームで手入れをする。
  3.ワックス系の靴墨で磨く。
とありますが、『ゴルフ』は、フッ素加工がしてありますよね? そのために2番だけやればいい、という事なんでしょうか? それとも1番 は、やっぱりやった方がいいのでしょうか?
あと一つ、 クリームを付けるとき、どのような物でクリームを塗り、ブラシは、どのくらいかけるべきなのですか? (男性)
A お手入れに関しては、ゴルフであっても基本的には変らないですね(通気性を損なわずに適度な水分、油分 を与える)。革によってその手段が変わってくる、ということです。
危惧されている「フッ素加工」ですが、現在販売されている防水スプレー のほとんどが、このフッ素樹脂を利用しています。このフッ素樹脂の特 徴は、織物や革の繊維自体に染み込みますので、通気性を損なわずに、表面張力を利用して水分の侵入を防ぐという仕組みです(フライパンのテフ ロン加工もそのひとつ)。
ですから、あらかじめ防水スプレーが吹いてあると考えていただいたら、特に悩む必要もないでしょう。
逆に、缶入りワックスだけでお手入れをしていった場合、防水力は高まるでしょうが、革自体の繊維の中にワックスが入り込んで、それを繰り返し ていますと、通気性が損なわれて、ひび割れを起こしやすくなるでしょう。どちらかと言いますと、ゴルフは雨に適しているというイメージがあり ますので、そのような説明になったかと思いますが、実際にそのような履き方をされないなら、普通のスムースレザーと同じの方が良いかと思いま す。
修理をしていますと、履きこまれた靴を常に見ているわけですが、アッパーの革に大切なのは、やはり通気性と適度の水分、油分だなぁと 思います(皮膚もそうですよね)。
ワックスだけや液体の塗るだけで光るという商品をベッタリ塗られた靴に出会うこともありますが、いかにも苦しそう、、、 という感じです(おまけに簡単には落ちない)。そしてやはりひび割れを起こしています。キズやある程度の色の変化は仕方がないとして、このひ び割れはお手入れ次第ですし、また致命的なものであることにも変わりありません。
ですから、お手入れとはこれを防ぐため にするものなんですね。そうすれば、自ずとどうすれば良いかも見えてくるかと思います。
ブラシの使い方ですが、塗る際には
(1) 竹ようじという歯ブラシのようなもので、全体に薄く、隙間までクリームが行き渡るように塗る。
(2)次に、硬めの毛を使った(豚毛)ブラシで余分なクリーム(隙間などにどうしても溜りやすいので)を落とす感じで、軽くブラッシングして やる。
  (これは、磨くと言うより、この効果を期待しますので、あまりゴシゴシする必要もありません)。
(3)次に指先に布を巻き付けて、指の体温を利用しながら、小さな円を描くよ うに革に先程塗ったクリームが布に付かなくなるくらいまで、布の位置を変えながら磨いてやる。
(4)最後に全体を、柔らかいブラシかタオルのようなもので擦ってやれば、ツヤがよく出ます。


<お手入れの基本的なこと(3)−1>
Q 質問なのですが、
1.ステイン・リムーバとプロパーツ・サドルソープ は、どういう風に使い分けたらいいのでしょう?
2.ほかのHPで、「コロニルのウォーターストップスプレーをスプレーの液が浸透しなくなるまで何回かかける。それによってほぼ完璧な防水効 果が得られるだけでなく、革の細かい穴にホコリや汚れがつきにくくなる。」とあったのですが、本当なのでしょうか? 本当ならば僕も最後の仕 上げにやりたいのですが・・・ちなみにコロニルのウォーターストップスプレーは、フッソ系防水スプレーです。
3.HPに書いてあるメルトニアンの竹ブラシを購入したいのですが、このHP上では購入できるのでしょうか? 出来れば値段も教えてもらいた いのですが。
4.メルトニアンのシュークリームとデリケート・クリーム。どういう風に使い分けたらいいのでしょうか? (男性)
A お手入れに関しましては、「これだけが正解」というのは特にないと思っております。
HP中でも書いておりますように、臨機応変に必要なことをする、ということだけで、そのために「なぜ、それをするのか」を詳しく説明しているつもりです。

お手入れの目標が、「長く靴を履けるようにするため」とすると、逆にどうなると履けなくなるか、という要素には次のようなことが考えられるでしょう。

(A)修理が効かない部分の革の劣化などの構造的要素(アッパーのひび割れ等)
(B)汚れやキズ、流行など美観的要素

(A)で考えなければならないのは、劣化を防ぐためにはどうすれば良いか。
これは、革に必要な適度の水分、油分、そして通気性を確保する。お手入れは、これを損なわないためにする、と言っても過言ではありません。
そこで、お尋ねになられている(2)ウォーターストップスプレーの件ですが、これはあくまでビフォアケアの部類で、上記のことをクリアしたうえで、するならする、ということです。
フッ素系の防水スプレーの理論は、膜を張って防水するのではなく、革の繊維に細かい突起をつけることにより(通気性は損なわない)、水の分子を弾いて、侵入を防ぐというものです(毛足の長いセーターが水を弾くように)。
ただ、有効期間がそんなに長くない(突起が寝てしまう)らしくて、数日だそうです。 あと、肝心なそれをすることにより、どれほどのプラスになるのか、を考えた場合、防水に関しては雨の場合、アッパーに直接降られるのより、底などから吸い上げられることによってシミを作るということには、ほぼ無力でしょう。
汚れやホコリに関しては、そうかもしれないし、先ほどの理論から考えると、水分以外はそんなに弾かないと思います。
ですから、決して害ではないでしょうが、どれほどの効果が得られるのかには、疑問が残ります。

1.ステイン・リムーバとプロパーツ・サドルソープ は、どういう風に使い分けたらいいのでしょう?
→ ざっと言いますと、ステインリムーバーは表面的な汚れ落し、サドルソープは繊維の中まで効果がある、というようにご理解ください。

3.HPに書いてあるメルトニアンの竹ブラシを購入したいのですが、
→メルトニアンの竹ブラシではありません。日本製の何処にでもあるものです。

4.メルトニアンのシュークリームとデリケート・クリーム。どういう風に使い分けたらいいのでしょうか?
→ 一番の違いは「蝋(ろう)」です。デリケートクリームには、蝋分がありませんので、保革効果だけでツヤは磨いても出ません。ということは、塗った後に返りもないということで、衣類やソファーなどの家具に向いています。


<お手入れの基本的なこと(3)−2>
Q 前回の質問(お手入れの基本的なこと(3)−1)で僕が見たHPは下記のところです。
革製品ケアと足のお悩み解決室 http://www.happyvalue.com/sisaccs/index.htm
靴の手入れの仕方は、基本的には、樅山さんのHPのほうを参考にさせていただいているのですが、樅山さんのHPでも書 かれていた「ソールトニック」という商品が出ていたので、上記のHPは防水関係と靴以外の革製品の参考にさせていただ いています。
ついでに質問といっては失礼かもしれませんが、サドルソープで靴以外 の革製品を洗ってもいいのでしょうか?革のパンツの黒ずんだ部分を洗いたいのですが。
あと、シュートリーなんですが、本当は、1足につき1つ買うのがいいのでしょうけど、そんなにお金がないので、1つだ け買おうと思うのですが、HPで薦めている「ウッドロア・シュートリー」 はくるぶしが隠れるくらいの靴でも使えるのですか?出来れば、ショートブーツにも併用したいのですが。(男性)
A いやぁ〜、良く似たサイトがあるんですねぇ。これからは、わからない質問が来たら、吉田美紀さんに 聞いてみよおっと(笑)。
僕自身は、本業は靴の修理だと思っております。ですから、皆さんに興味を持ってもらい、靴を大切にしていただけたら、 修理もしていただけるだろう、という下心です。コロニルさんも、決して悪い噂も聞きませんし、優れた商品もあると思い ます。 ただ、実際に使ったことがありませんので、情報としてなかなかお伝えできないということです。それにお手入れコーナー で紹介してます、安富さんとの出会いがそれこそ目からうろこで、「水は敵ではなく、友達だ」「雨 に濡れたら、もっと濡らせ」など、なんちゅうことを、言うんだろうと思って聞いてたら、論理的に正しいと言わざる をえないんですね。実際その通りですし(ですから、すぐに防水防水というのには、辟易します)。
というわけで、こちらではあのような商品ラインナップになってお ります。
照会のサドルソープの件ですが、サドルソープというくらいですから、靴専用というわけでは決してありません。革のパン ツでも問題無いですが、ただ試した経験がありませんので、色落ち等の注意は必要でしょう。
ウッドロアシューツリーの件は、問題無いです。僕も実際にそのような靴に使ってます。ボールジョイント部(真ん中あたり の曲がるところ)の折れがやはり一番きになるところなので、それはカバーできます。


<クリームの種類と使い分け Part 1>
Q 名前は、よくわかりませんが、何とかアングレーゼ(ANGLAISSEこれも間違っているかもしれませ ん)というフランスのシューケア用品を作っているメーカーがありますね。
あのメーカーのシュークリームには蜜蝋が入っているそうです。
J、Mウエストンのクリームも同様だそうですが、蜜蝋入りのクリームとメルトニアンのクリームとではどちらを使うべきでしょうか。
天然の蜜蝋だけを成分としたものもあるようですが、それについてはどうなんでしょうか。
なにか、栄養の与え過ぎという気もします。
また、普段はニュートラルを使っていますが、色の付いたクリームはどの位の頻度で使用したらよろしいでしょうか。
細かい質問ですが、いつもどちらのクリームを使おうかと悩みます。
ちなみに、東京にあるロイドフットウエアという店では、特にアンティーク仕上げの靴には色の付いたクリームは使わないでほしいと言われま した。

私と同じようなことを考えていらっしゃる方も多いと思います。
よろしくお願いいたします。
A クリームの種類と使い分けに関しては、一度わかりやすく書きたいと思っていました。
ただ、これが正解というように、答えが一つというわけではなく、ご自身で工夫したり、こだわったり、
という楽しみ方もありやと思いますのでガイドライン的に参考にしていただければ、幸いです。
ここでは、質問にありました、CORDONNERIE ANGLAISE コルドヌリィ・アングレーズ(以下、コルド)とモゥブレイで、代 表させていただきます。

クリームの成分は表示にあるように、蝋(ろう)、油脂、有機溶剤、それと水から成っています。
まず、その水分の比率によって次のようにわかれます。

モゥブレイ>コルド>缶入りワックス

次に、蝋の種類の違いがあります。

・モゥブレイ・・カルナバ蝋(植物性)
艶がでやすい
・コルド・・蜜蝋(動物性)
革との相性がよい、稀少で高価

ー光沢の出やすさー

缶入りワックス>コルド≧モゥブレイ

ー革への浸透性、相性ー

モゥブレイ≧コルド>缶入りワックス

だいたいこんな感じですが、缶入りワックスは、別ワクとしてコルドは、フタを開けたときの匂いからして、何かを予感させます。実際に使って みると、すべてにおいてワンランク上です。それに量を考えると決して価格も高くはありません。
あと、コルドに関しては、色の種類や手に入りやすさの点で不便さもあります。
天然の蜜蝋だけを使った物というのは、知らないのですが、かなり高価になるのではないかと思います。

次に乳化性クリームの件ですが、モウブレイについては3種類あります。
・デリケートクリーム(無色)
・アニリン用クリーム(無色)アニリン染めの革に使う。シミを作らない。
・普通のクリーム(各色)

特徴は
ー艶の出かたー

普通のクリーム≧アニリン>デリケート

ーシミになりにくいー

アニリン≧デリケート>普通のクリーム

デリケートクリームは、鞄や家具等にも使えるようになってますので別ワクとして、アニリンと普通のクリームの無色の使い分けは、アニリン 革の場合はもちろんですが、乾燥している革の場合などに下地処理として塗ります。
(いきなり同色のクリームを塗るとシミになる可能性があるので)アンティーク仕上げの靴は、その風合いを損なわない為に無色を勧められた のだと思います。
色付きのクリームをいつ使うかは、無色のクリームだけ使っていると、どうしても色が褪せてくるので上記の要領で使っていただいたらよいと 思います。
頻度に関しては、多くなれば色が濃いくなって、少なければ逆なので、ご自身で楽しみながらやっていただければよいと思います。
あと、余談ですがクリームを塗るとき、ハケを使うかどうかは、ハケを使うとコバとのすき間のようなところまで届くかどうかの差です。


<クリームの種類と使い分け Part 2>
Q 『モゥブレイ・シュークリーム』は靴に合わせて全色そろえるべきなのでしょう か。
(ライトブラウン/ダークブラウン/チョコレートブラウン/ワインが現在手持ちの色です)(普段の手入れは、『モゥブレイ・デリケートクリーム』 を使う予定です。洋服でお世話になっている『ブルックス・ブラザース』の店長に「これし かない」と言われました。)(男性)
A クリームを使う効果は「保革」「補色」「ツヤだし」の3つを期待するわけです。
そして、こちらで取り揃えておりますモゥブレイ シュークリームには大きく3種類ございまして「デリケートクリーム」 「アニリン用クリーム」「シュークリーム各色」です。
それぞれの特徴は

[デリケートクリーム]:水分を多く含んで、油分はわずかなのでシミを作りにくく、保革効果が大。通常のお手入れのファンデーションとして、 また新品の革製品に潤いを与えてやるのに最適。
蝋分を含まないので、ツヤは出ない。

[アニリン用クリーム]:デリケートクリームと普通のシュークリームの中間的存在。
油分・有機溶剤が少なくデリケートな革(アニリン染めのような)でも油分によるシミや色の着き過ぎがない。
蝋分を含むので、磨けばツヤが出る。
アニリン染めのようなアンティーク調の色に良く使います。無色なので色は付かない。

[シュークリーム各色]:水分、油分、蝋分を含みます。アンティーク調(アニリン染め)のような革はこ れだけだと、油分の浸透で色が濃くなる傾向があります。ですから、色が付き過ぎる(染み込み)を押えるために、 アニリン用クリームをまず塗って、染み込みを抑えてからの使用がベター。
各色あるので補色出来る。薄い色はあまり着色効果が期待できないので、ニュートラル(無色)で良いと思いますが、 お尋ねになられているような濃い色なら同色のクリームで補色のされた方が断然きれいになりますよ。


<お手入れによって汚れから靴を守る>
Q はじめまして。Q&Aを探したのですが決定的な答えが見つからず、こちらで問い合わせさせてください。

5、6年前に友人からプレゼントされた革製のローファーがあります。
明るい水色の珍しい革色だったので、気に入って履いていました。
当時は手入れの方法も知らないので、多少汚れても気にせず履いていたのですが、 それを見かねた祖母が水洗いをしてしまいました。
おそらく使用した洗剤は、洗濯用の合成洗剤です。
キレイになったのですが、パサパサになりツヤがなくなりました。 ついでに色も落ち、なぜか汚れやすくなりました。靴の側面の黒い汚れが特にとれません。
プレゼントなので捨てたくないし、出来るだけ活用したいのです。
汚れが目立たないような革の色に染色することなど無理でしょうか? 靴が元通りにきれいになる方法はありませんでしょうか。
是非とも何かいい方法を教えていただきたくメールしました。
A はじめまして。

靴を”お手入れする”とか”磨く”というのは、どいういことか?と言いますと、次の2つで要約されます。

1、革を良い状態に保つ。
2、色・ツヤを含めて見た目にきれいにしながら雨や汚れから靴を守る。

では貴女の靴が何がなされて、何がなされなかったか?となると

行われたこと : 革用ではないが洗剤で洗って表面の汚れ(蝋分の皮膜)を落とした。
行われなかったこと : その後の保革・保護のお手入れをしなかった。

革用の石鹸(サドルソープ)なら、洗っても保湿効果があるのですが、普通の洗剤では油分が抜けてカサカサになってしまいます。
つまり、真夏に朝顔を洗ってスッピンのまま日焼け止めクリームも塗らずに、一日中外にいた、みたいな状態です。 そんな恐ろしい事ができますか?(笑) 若い頃ならすぐに回復もしたでしょうが これは靴、若いどころか死んでるわけですから、そのあたりの準備は絶対です。

もう一度お手入れの基本を

1、ステインリムーバー(革用クリーナー)で汚れを落とす。
2、浸透性の良い乳化性クリームで水分・油分を補給。
3、色を補色しながら表面に皮膜を作ってツヤを出し汚れや雨からの保護。

まず(1)ですが、汚れても簡単に落ちるということはありません。落としやすくしてやるビフォアケアが必要です。 イレズミのように革に染み込んでしまわないように(拭いても落ちないですね)してやるんですね。
そこでまず(3)になるのですが”ツヤ”の正体とは、革の表面に薄く作られた皮膜、その正体は蝋分です。 これは普通の乳化性クリームや缶入りのポリッシュに含まれます。これを表面に施しておく事によって、 汚れが直接革に届きにくくしながら、防水効果も得られます。
そして(1)に戻るのですが”汚れを落とす”とは、その”表面の皮膜を落とす”ということで、 それをしないとその皮膜の上に更に皮膜を重ねる(お化粧の厚塗り状態)ことになり、それ自体が汚れと同じものとなっていきます。
ですから目に見える汚れと同時に、皮革に残っている古いクリームやワックスを除去する、と言う事なのです。
ですからこれには汚れを落とす専用のものではなくては意味がなく、汚れを落としながらツヤも出す、みたいなものでは、中途半端なのです。

(2)、(3)に関しては、すでに回答済みの「お手入れの基本的なこと Part 1〜3」 「クリームの種類と使い分け」を」ご参照ください。
ちなみに防水スプレーでもこの皮膜効果は得られません。これに関してもご参照ください。

貴女の靴が今からどのくらい回復するかわかりませんが、以上が基本です。


<クリームを塗ってすぐに磨いた ほうがよいのでしょうか?>
Q 乳化性の靴クリームを塗る時は、竹ブラシでクリームを塗り、大きな ブラシでブラッシングした後、30分程放置してから布で磨くことにしています。 30分程放置するのは、クリームを革に 浸透させることを目的としています。 しかし、30分も放置すると磨くときにクリームが引っ掛かるような感じがして磨き づらいのです。 これは革にとっては良くないことなのでしょうか? クリームを塗ったあとはすぐに磨いたほうが良いので しょうか?(男性)
A クリームの成分は、ろう・油脂・有機溶剤・水です。
しばらく放置することによって、「ろう」以外は革に吸収されたり、蒸発したりします。
したがって、その引っかかりは「ろう」なんですね。「ろう」なら、滑るのでは? と思われるかも知れませんが、その状 態では表面がザラザラなので、その分引っかかります。そして、磨いているうちに、摩擦とその時に起こる熱で表面が平ら になり、透明の膜を張るようなかたちで、あのツヤが出ます。
ですから全く問題ありませんし、冬場は少し温めてやったら、より簡単に磨けると思います。
ブラシをかけられているので、大丈夫でしょうが、あまり引っかかりを感じるようでしたら、もしかしたら量が多いのかも 知れません。


<色付きのクリームを使うと、 色目が変わらないでしょうか?>
Q 私は今まで、クリームはニュートラルを使用してきたのですが、理 由は商品の革本来の色を失なわないような気がするのです。
例えば黒、赤の革といっても、いろんな色目があると思うのですが、それを単に黒や赤の着色クリームを塗ることによっ て、オリジナルの色目が変わって、違う黒や、赤の色目になることはないのでしょうか?(男性)
A 経験から申しますと、色目が変ってしまうということは、ほぼないですね。
ウラを返せば、それほど着色力があるわけでもない、ということです。アニリン系の革ですと、色付きのクリームを塗っ ているうちに、徐々に濃くなってくることがありますが、それは着色したというより、油分が革に残って濃くなってくる、 という感じです(水に濡れたら濃くなるように)。
ですから、色目はそのままですが、見た感じは濃くなります。色というのは光の反射ですから、元の色合いの上にベタッ と被ってしまうのではなく、隙間に濃い色が残ることにによって、全体がはっきり見えるという感じでしょうか。
逆に色目を変えたくても、クリ ームでは変わらないということです。


<缶入りの油性ワックスだけではだめですか>
Q  拝啓。 初めてメール致します。
  いつもホームページ拝見させて頂いております。 靴の手入れについて初心者の私でも大変判りやすく 書かれてあり、大変有り難く感じております。
 実は今回先日メール致しましたのは、靴クリームについて理解できない事がありましたので是非お教え頂きたいと思った為 であります。
 私は先日ウエストンでローファーを購入した際に純正の靴クリームも購入したのですが、これが蜜蝋入り の缶入りの物でした。
で、このクリームは乳化性なのか油性のクリームなのか 判らなかった為、後日問い合わせたところ 『一般的に両者を区別するポイントとしましては、成分に水分を含むか否か ということが挙げられます。
 そういう意味では、ウェストンの靴クリームは水分を含みませんので、 「油性」ということになります。
 ただ、私どもの靴クリームは、極めて良質の保革効果のある成分等も含まれて おりますので、通常の靴のお手入れには、それぞれの靴の色に合ったものを 適量ご使用いただくだけで結構かと存じます。』
との返事でした。 
私の認識では、あくまで靴の手入れは乳化性のクリームで行い、油性のクリーム はあくまで艶出しに使う物、と思っているのですが、ウエストンの方が言われる様な 手入れ方法で大丈夫なんでしょうか。 どうも合点がいかず、今回お聞きした次第であります。 この様な事で悩んでいる初心者にアドバイスをして貰えますでしょうか。 どうか宜しくお願い申し上げます。
敬具。 (男性)
A はじめまして。
僕も、乳化性(クリーム)・油性(ワックス)に関する認識はその通りだと思いま す。
”保湿効果がある”と説明は、雑誌で読んだような気がするのですが、その成分にホ ホバオイルというサボテンの一種から取れる(だから保湿効果があって、化粧品等に も使われるそうです)成分を含んでいるからということだと思います。
ただ、化粧品と違うところは塗る相手が”自分では新陳代謝しない革”であるという ことです。
つまり、保湿効果はあっても、その元になる水分は補ってやらないとダメなんです ね。
僕はこのような場合、自分の手に塗ってみたらどうなるかを想像してみます(実際に することもありますが)。 それだけでは、カサカサしそうではありませんか?
それに乳化性のクリームを使ってはいけないという積極的な理由が見当たらないというのが こちらの見解です。
実際、油性のワックスだけしか使っていない靴にも遭遇しますが、ツヤはあってもしな やかさに欠けていて、ひび割れが気になる感じです。 ですからこのような場合でしたら、デリケートクリームとの併用ということでいかが でしょうか。


<KIWIの缶入りワックスで、染みに・・>
Q はじめまして。
大阪在住まもなく東京転勤の女性です。
今日冬に買い愛用したイタリア製の茶色の皮のロングブーツをしまおうと、家にあったkiwi の社色のクリームを一応かかとに試し塗り後側面に塗りました。 ところが、かかとではつかなかったシミが最初につけた部分(ブーツだけに広範囲!)にかすかに濃く残ってしまいました。 慌てて乾いた布で拭いたんですがそのまま。 このシミは油ですか?このシミを取り除く方法はあるんですか? かなり気に入って、しかも高かったんでショックを受けつつここに辿りつきました。
どうかいいアドバイスあればお願いします。(女性)
A 結論から申しますと、特効薬はございません。
原因は、おっしゃるように油分です。 おそらくタンニン鞣しのソフト系の革か、アニリン染めの革でしょう。 特に初めてのお手入れ場合は、革が乾燥していますので、注意が必要です。
買ったら、まずデリケートクリームをたっぷり塗って、水分を補給してやるのが大事です。 この手は、油分の少ない乳化性クリーム(アニリン用クリームが無難)を基本的には使用します。
ヒールで染みにならなかったのは、革の部位の違いか、ヒールには接着剤 を塗ってヒールに巻いてあるために、染み込みが少なかったのでしょう。
染みになった部分はなるべく触らずに、自然と抜けて行くのを待つしかありません。 全体に塗るとしたら、蝋分の入っていないクリーム(デリケートクリーム 、染みの部分も大丈夫です)で、保革を行っていただければ、革の表面に 蝋で蓋をしないので、保管には適しています。


<革の種類、良い悪いはあるの>
Q 本などを見てると一口に革といっても様々な種類がありますよね、革の 種類にカーフ、キップ、 ステアなめし方の種類にオイルドレザー、ガラス(リーガルなどによくあります)、ソフトガラスfull glain oil-tanned、black cowhide、 (この2点はレッドウィングなどによくあります)
これらはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか?
またどれが上質である、とかいった順番はあるのでしょうか?
(具体的にはRedWingの革はどの程度の質なのか?、REGALなどと比べてどうなのか?といったことが気になります。)
この点いつも疑問に思っていましたので、お教えいただけますか?(男性)
A 色々な種類があるのは、生地にも〃絹〃や〃麻〃そして〃木綿〃があるように、それぞれに特長があります。
まず、原材料による種類があります。次に、それを鞣す際にその方法に、違いがあります。さらに仕上げ方、色付け方によって、種類が分れます。
原材料は、牛、馬、羊、豚、爬虫類、カンガルー、等です。 さらにその成育度によって呼び名が変ります。
牛の場合: 仔牛(高価)←→成牛
カーフ、キップ、カウハイド、ステアハイド、ブルハイドとなります。

・カーフ:生後6ヵ月位の仔牛の革。多くは雄の乳牛。
繊維構造が細かく柔らかい。高価。ドレスシューズ向き。

・キップ:生後6ヵ月〜2年位までの革。
カーフの次にきめ細やか。リーガルは、これです。

・カウハイド:生後2年以上経った雌の成牛の革。
丈夫で厚くステアハイドより柔らかい。レッドウイングは、これですね。
・ステアハイド:生後3ヵ月〜6ヵ月の間に去勢され、2年以上たった22kg以上の成牛の革。
耐久性に優れ、カウハイドと並んでもっとも普及。

・ブルハイド:生後3ヵ月以上たった繁殖用の去勢されていない雄の成牛の革。
きめは粗く厚いが耐久性には優れる。ソールに用いられる。

鞣し方には、大きく2通りあります。
クローム鞣しとタンニン鞣し。
・クローム鞣し:鉱物の硫酸クローム塩を用いて、腐食や乾燥を防ぎ、長 期の使用に耐えられるようにする。
・タンニン鞣し:植物や果実に含まれるタンニン(渋、ミモザチェスナット等の植物のエキス)を革のコラーゲン蛋白質と結合させる。
何にも折衷というのがございまして、その両方を併用した「混合鞣し」というのもございます。

仕上げ方は、
スムース(表革)、スウェード、ヌバック、ベロア、シュリンク、型押し 色付け方は大きく2つ、顔料と染料。

・顔料:水や油に溶けることがないのでペンキのように革の表面に塗られ る(ガラス等)。光沢があるが、通気性に乏しい。
・染料:水などに溶けるので繊維に染み込み染まる(アニリン等)。通気性はあるが、シミにもなりやすい。
さらにこれにオイルをたっぷり含ませたのがオイルドレザー。
リーガルは、キップのクローム鞣しガラス仕上げ。
レッドウイングは、カウハイドのタンニン鞣し染料・オイルドレザー。
どちらが、どうというのではなく、やはり適材適所といったところでしょうか・・・。


<革の種類、良い悪いはあるの Part 2>
Q ”革を数枚におろす”という言葉を聞いた事があります。おそらく革には、その断面を考えた場合、 表(表・裏と言う表現が正しいかどうか分かりませんが)に近い部分から裏にかけて、 密度のようなものに違いがあるのではないかと思います。
そこでお尋ねしたいのは、革にはそのように断面の位置によって違いがあるのでしょうか。
あるとすると用途別に使い分けたりするのでしょうか。
A →”革を数枚におろす”という表現は、一般的な表現ではないですが、 ”原型に手を加えて、小さな部分に分ける”という意味では、行われています。
皮に表と裏があるとしたら、皮の断面は表の方から
・表皮
・真皮
に分かれます。
表皮とは皮膚にあたる部分で、細胞内のたんぱく質が角質してできた、表面の薄い層です。
その下の部分を真皮と言い、それはさらに
・乳頭層
・網状層
に分けられます。
乳頭層は細かい繊維の部分で、皮革ではなめされる段階の石灰づけで表皮が取り除かれた後の乳頭層の表面を”ぎん面”と呼びます。
網状層は比較的粗い繊維の部分で、皮革ではこの部分を”肉面”と呼びます。
ですから、何枚にも分けてそれぞれを使うというより、ぎん面から数ミリの乳頭層が価値があり (美観的、耐久性等において)使用用途が多いので、そこで割られる、もしくは肉面を削り取られて、残りは処分される事の方が多いです。
さらにその使われる革の動物の大きさによって、革の厚さや密度・柔軟性も変わってくるわけですから、 一般的には小動物のほうが高価とされます。
逆に厚みのある革は、肉面も厚みがあるので、特に表に出ない部分や耐久性を要求されない部分 (ミッドソールなど)に使用される場合があります。


<革の種類を見分ける方法は>
Q (1)「こんにちは!
基礎的なことで恐縮ですが,標記の件について教えてください。
先日出張の際,英国でチャーチのストレートチップ(ブラック,CustomGrade)で光沢のある方を購入し, 帰ってきてシュークリームで磨こうと思ったとき,このHPを読みアニリンレザーというのがあるのを知りました。

アニリンレザーだと手入れの仕方が異なるようですが, 購入した靴がアニリンレザーかどうか見分けられないので困っています。

店頭ではカーフで内側の縫い方が他と違うようなことを言っていたと思うのですが アニリンレザーかどうかは,こちらがそういう知識がなかったこともあり言っていたかどうか今となってはわかりません。

お忙しいところ恐縮ですが,よろしくお願いします。」

(2)「はじめまして。
○○(♂)といいます。

ところで早速質問なんですが、革の種類や状況によってケア方法は変わってくるのはわかったのですが、 自分の持ってる革靴って何革なんだろう?
って根本的なところに引っ掛かっちゃいました。
で、いろんなページを回ってみたんですが見分ける方法はあまり詳しくは書いてなかったので少々困っています。
店の方に聞けば一番早いと思うのですがいく暇がない上に連絡先すら分かりません。
何かポイントなどがあればお教えください。

何とぞよろしくお願いいたします。」

A
お手入れしたくても、自分の靴の革の種類がわからない、
おっしゃる通りでお答えするのも困難です。
ですので”お手入れで失敗しない”ために何がわかればよいかという線で。

もう一度何を持って種類分けするかというと


その原料皮による分類。(牛、羊、山羊な)
なめしによる分類(タンニン、クロームなど)
仕上げによる分類(水性、顔料、樹脂など)
加工タイプによる分類(スムース、スウェード、ヌバック、エナメルなど)

下から行って、まず表革か起毛革か、これは見ればわかりますね。
起毛系にはスウェード用のお手入れに準じてください。
表革の場合、原料皮の種類は購入の際に最低限聞いていただくか、 それができない場合はツヤがあるかどうかで、大きく分けましょう。
ツヤがない場合は、デリケートな可能性が高いので、ソフトナッパスプレーでお手入れを。
ツヤがある場合は、その仕上げ方法がどのくらいデリケートか(アニリンか)によります。
その分類は


アニリン仕上げ : 最も透明度が高い。皮の風合いを最大限に生かすアルカリカゼイン水性仕上げ。 したがって、傷のない高級品原皮に限られる。
アニリン調仕上げ : 透明度は高いが、小さなキズなどを隠すために着色剤として染料を使用。
セミアニリン仕上げ : 染料と顔料を併用。透明度は低下するが銀面模様を残しながら小さな傷を修正する。
カバリング仕上げ : 無機顔料を使用して傷や染めむらを修正する。透明度は低い。

アニリン仕上げ・アニリン調仕上げは、浸透性が高いので普通のクリームやワックスを塗っただけで、 その油分や有機溶剤のために、濃くシミのようになったりします。
見分け方は、深みのある色というか、ステインリムーバーで表面の蝋分の膜を落とした時に 水に濡れたようになれば、そうと思ってよいでしょう。
ですので油分と有機溶剤を抑えたアニリン用クリームを使いますが無色ですので、 色をつけたい場合はアニリン用クリームで染み込みを抑えてから、更に色付きの乳化性クリームを塗ります。
染み込んでいかない場合は、セミアニリン・カバリング仕上げですので、大体どのようなクリームワックスも大丈夫です。


<新しいうちに、手入れをしたほうがいいの?>
Q 買ってから、まだ一度も履いていない靴があるのですが、履く前にみがいたりした ほうが良いのでしょうか? (女性)
A 皮革は、乾燥すると傷が付きやすく、ひび割れたりします。靴も放っておくとだんだん乾燥してきます。 製造年月日がわからないだけに、デリケートクリームや乳化性クリームを塗って、油分・水分を補給して履くのが無難です。


<新品を下ろす際には…>
Q 昨年のメンズエクストラの8月号に、ユニオンワークスの中川氏の記事で 、「まず、新品を下ろした時には べたべたになるくらいクリームを塗り、2〜3日放置した後に乾拭きしてください。・・・・年に1回程度は定期的にプロのメンテを受けてく ださい。」と記載されてました。
質問1.新品にはそのようにべたべたに塗り、2〜3日放置して乾拭きするのが良いのですか?
質問2.年に1回程度のメンテナンスとは、どのようなことをするのでしょうか?やはり、プロに任せた方が良いのですか? そのコストはどれ くらいですか? (男性)
A 中川君に確認を取りました。
〃ベタベタ〃に関しては、そんなに気にすることはない、とのことでした。

本人も、「そんなこと言ったかなぁ?」くらいのものでした。おそらく、履き下ろす際にやはり乾燥していたりしてクリームを馴染ませてやる ということは必要なので、そのような説明をした際に長いセンテンスの一部分を切り取られるような形で載ったのでしょう。

〃鞣(なめ)す〃とは、〃皮〃を〃革〃にする作業で、動物などをはく製にするのと似ています。
今までは、生きて必要なものを吸収していたのを、〃革〃になってからは我々がクリームなどで、補給してやる訳です。ですから、最初のうち は馴染ませるという意味あいもあります。(車でも、新車の内は、エンジンの細かい金属カス等があるので、早い目にオイルを交換するような もの)まあ、理論的にはこのようなものですが、そんなにナーバスになる必要もないと思います。

プロのメンテに関しては、お手いれの事ではなく、ソールの減り具合などのことを、たまには見てもらったほうが良いという意味で言ったそうです。

確かに、もう少し早く持ってきてくれていたら、と思うこともありますので、みるだけでしたら、お金もかからないでしょうから、 一足でも修理のあるときに、他の靴も一緒に持っていかれたらどうかと思います。


<ステインリムーバーでどこまで汚れを落とせばよいかの基準となるようなものはありますか?>
Q とりあえず、布に何も付かなくなるくらいまで汚れを落とそうと、10回以上拭いたのですが、何度やっても布に色が付いてきます。 (黒い靴は黒い汚れ、茶色の靴は茶色の汚れが布に付きます)
やっているうちに、だんだん疲れてきて、結局は汚れが完全に落ちないままで クリームを塗ってしまいました。
そこで、冒頭でも質問したように、 ステインリムーバーでここまで汚れを落とせば良い、 と判断する基準ってあるのでしょうか? (男性)
A 使用する目的は、汚れと前に塗ったクリームやワックスの”蝋分”を落とすというこ とです。
拭いた際に布に色が付くのは、染色された革の色移り(水分の移行に伴い色素も移動 する)も起こるからです。
ではどのへんで止めるかですが、要は艶がなくなればそれで蝋分は落ちています。 それ以上いはかえって負担になりますので、それほど何回も拭く必要はありません。
今までのお手入れの仕方にもよりますが、ちゃんとこの要領をやった靴なら、同じ場 所を2〜3回も拭けば十分ですよ。


<毎回ステインリムーバーを使う必要があるのでしょうか>
Q 先日、念願のJ..M.WESTONのローファーを購入しました。 その際、手入れの仕方について確認をしたのですが、J.M.WESTONの店員さん曰く、普段の手入れは、純正のクリームのみ使えばよく、 特に汚れ落とし(ステインリムーバー)等は使用する必要がないとの答えでした。
その後、J.M.WESTON の別のショップにも電話して確認したのですが、同様の答えでした。
(ワックスと違って純正のクリームは「ろう」の成分が少ないため、クリームを塗ることによって通気性を損なう恐れがないとのことでした。)
ところが、 このホームページを拝見しますと、靴クリームを塗る前に必ず汚れ落とし(ステインリムーバー)を行うように記述があったようです。 いかがなものでしょうか?
私が理解している限りでは、乳化性のクリームの場合は、通気性を損なうものではないので、必ずしも毎回汚れ落とし (ステインリムーバー)を行う必要がないのではないかと思うのですが。 (男性)
A お手入れに関しましては、「これだけが正解」というのは、ないと思っております。 常に「なぜ、そうするのか」を添えて説明しているつもりです。 ですから 、仕組みさえご理解いただけたら、あとはご自身の判断でどこまでするか、とういことです。
明らかにおかしいということが雑誌などでに書かれていることがありますので、それさえ押えておけば、 毎回ステインリムーバーを使うかどうか、は絶対にというレベルではございません。
ただ、解説としては 、すでに書いているとおりです。
乳化性の純正クリームにも蝋は含んでますし、磨いてツヤが出るのは、その蝋分です。それに、汚れも付着しているでしょう。 それを、そのままで上からクリームを塗るリスクと、ステインリムーバーを使うリスクと、どちらを選ばれますか?
クリームだけでご満足なら、それはそれで、、、ということでしょうか。


<靴がひび割れてしまうのはなぜ?>
Q 買って1年ほどのローファーなのですが、両サイドのあたりがひび割れてきました。 手入れはそれなりにしたつもりなのですが、どうしてでしょう? (男性)
A ひび割れる原因には、以下の3つがあります。
(1)皮革が乾燥してしまう。
(2)皮革が固くなり、柔軟性がなくなった。
(3)塗料で色付けされた皮革や、革クリームの厚塗りで、通気性がなくなった。
ご質問の場合は、靴がローファーということで、おそらく、皮革の表面がガラス仕上げ(表面にかなりの光沢のあるもの) という合成樹脂で、コーティングされたタイプではないかと思われます。
このタイプはもともと、表面がコーティングされてしまっているので、原因の(3)によって、ひび割れを起こしたと思われ ます。このガラス仕上げは、光沢があってきれいなのですが、クリームを塗ってもあまり効果がないという欠点があります。 他に、液体のクリームを塗り続けても、同様です。乳化性のクリームを使っても、次のお手入れのときに、その前のクリー ムを、一度クリーナーできれいに拭き取ってやらないと、やはり通気性を損なってしまいます。
詳しくは「お手入れのコーナー」をごらんください。


<お手入れの際、靴紐は外すべき?>
Q ご連絡が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
先日、無事に商品の方が届きました。
この週末にでも、早速、シューケアしてみようと思います。(笑)

ここで一つ質問なのですが、靴紐式の革靴をケアする場合、やはり靴紐を一度はずしてケアするのでしょうか?
最終的には、個々の判断によるところと思いますが、 一つの方向性を示していただければ幸いです。
A シューケアというもの自体が目的というわけではなく、手段にすぎないというようにみると、紐を外してまでする必要はないと思っています。
もちろん、それほどの手間でもないのですから、外していただくに越したことはないですが。
例えば黒の靴で、ステッチに白い糸を使ったアッパーならどうするか?
ニュートラルだけを塗っておけば、ステッチは白いままですが、肝心な革の方がやはり黒を使った方が色もツヤも出ます。
そんな時、無色で保革はできているんだから、黒を使う場合は、目立つ部分 (トゥとか)だけにザックリと塗ってやれば、綺麗に見せるという目的に対する手段としては十分だと思うんですね。
これに限らないですが、何のためにしているのかを絶えず考えながらやっていただければ自ずとどうすればよいのかもわかってくると思いますよ。


<ブラシの使い分けに関して>
Q はじめまして。東京都在住の○○(会社員・36歳)と申します。
以前より靴には興味があったのですが、 手入れの仕方を知らず「シューポリッシュ」 のみで手入れしておりました・・・
このHPを発見してから靴と靴の手入れに はまってしまい。靴屋と東急ハンズ通いが続いています。
そこで、ふと疑問を感じているのが、ブラシについてです。
私の現在の手入れ手順は、

1.竹ブラシ(清掃用)でコバ他をブラッシング
2.豚毛ブラシ(清掃用)で全体をブラッシング
3.固く絞ったタオルで全体を拭く
4.ステインリムーバーで2〜3回拭き取る
5.コルドヌリ・アングレーズのビーワックスを竹ブラシ(シュークリーム用)でブラッシング
6.豚毛ブラシ(シュークリーム用)でブラッシング
7.ウェス(古Tシャツ)で拭き取る
8.メルトニアンシューポリッシュを竹ブラシ(シューポリッシュ用)でブラッシング
9.豚毛ブラシ(シューポリッシュ用)でブラッシング
10.ウェス(古Tシャツ)で拭き取る
11.豚毛ブラシ(仕上げ用)でブラッシング
12.仕上げ用クロスで磨く

上記の作業を、一ヶ月に一度行っています。
(通常は履いた後に清掃用の竹ブラシと豚毛ブラシで ブラッシング後、仕上げ用クロスです。)
前置きが長くなってしまいましたが、 質問は「ブラシ」です。 清掃用と仕上げ用は別として、 竹ブラシや豚毛ブラシは色別に使い分ける物だと思います。
しかし、シュークリーム用とポリッシュ用は分けた方が良いのでしょうか? やはりブラシは用途別にたくさん持っている方がベターなのでしょうか?
現在、私は
竹ブラシ・・・・・清掃用×1 クリーム用×3(デリケート・黒・茶系) ポリッシュ用×2(黒・茶系)
豚毛ブラシ・・・清掃用×1 クリーム用×3(デリケート・黒・茶系) ポリッシュ用×2(黒・茶系)        仕上げ用×1
を使い分けています。
また、靴は全てスムースレザーで、黒3足・茶系3足を2週間に1〜2回履いています。
宜しくお願い致します。 (男性)
A はじめまして。
こちらがHPで皆様にお伝えしたいのは、靴のお手入れをまったくしないという人も 珍しくなく、その原因としてきちんと教えてくれる人がいないというのが大きいと思っています。
ですから決して難しいものではなく、ちょっと気をつけていただくだけで靴の寿命は 大きく変わってきますので、ほんのちょっとだけでも興味を持ってくださいね、というところなんです。
そして、昔の体育会系のクラブみたいに、根性をつけるために水は飲まさないとかと いうような、最低限してはいけないようなことさえクリアーしていただければ十分だと思っています。
その意味から言いますと、まったく問題ないレベルなのですが、ここまで興味を持た せてしまったとしたらその責任を取るという意味で(笑)お答えします。
ブラシで使い分けるとしたら、おっしゃるように色別に分けるというのは、絶対です。
クリームとポリッシュを使い分けるかどうかは、色別にあれば特に分ける必要はないと思います。(分けても問題はありませんが) むしろブラシに付いたワックス分を利用するんですね。
定期的なお手入れの時以外普段の時に、コバのあたりは清掃用竹ブラシで軽くおこ なって、アッパーは固く絞った濡れ雑巾で靴を拭いていただきその後に色別に使い分 けているブラシでブラッシングしてやると、うっすらとワックスが靴に残りますので その後に軽く乾拭きしていただくとツヤも出やすくなるというわけです。
最初にも書きましたように”あえて言えば”のレベルですからね。


<竹ブラシの使い方>
Q いつも興味深くHP読ませていただいております。
早速質問させていただきます。
乳化性のクリームを塗る際、以下の方法のメリット・デメリットをご教示ください。
(1)布を指先に巻いてクリームを塗る
(2)竹のブラシ(歯ブラシのようなもの)にクリームをつけて塗る
また、(2)の場合、使い込んでいるうちに歯先に残ったクリームが固まりブラシがかなり固くなります。そのまま使うと革の表 面に傷がつきそうなのですが・・・。ブラシの手入れ方法などありましたら、あわせてお願いします。(男性)
A はじめまして。
どちらがどうというわけではなく、まず竹ブラシで瓶からクリームを靴に全体に薄く塗ってから、指に布を巻いてそれを伸ばしな がら拭き取るように塗り込むんですね。
欲を言えばその間に豚毛ブラシで余分なクリームを落しながら均一にしてやれば、尚効果的です。
竹ブラシには、コバの隙間等細かいところまでクリームを行き渡せる効果、豚毛ブラシには、その細かいところに溜りがちな余分 なクリームを取り除きながら、全体に均一化する効果、指布はそれを指の体温と摩擦でツヤを出す効果を期待します。
竹ブラシにクリームを残さないように、根元まで付け過ぎず、塗り切っていただければ、あまり固くはならないと思いますが、気 になるようでしたら交換するなりしてください。


<他で聞いた方法、どちらが正しいのでしょう>
Q はじめして、樅山さん。
HPでは靴の手入れについて貴重な知見を得ることができました。専門靴店でもなかなか納得いくサービスが得られないことが 多いので助かります。
どうも最近の通常の専門店では修理とかメンテナンスについての指導が出来ないようです。靴は使い捨てではないはずなんですが。
私からも質問をさせて下さい。
ウエストンのゴルフ(スムースレザー)を昨年買いました。大事に履きたいと考えています。
そこでブラシの使い方です。
ブラシは力を入れて、ある程度(片方5分)の時間をかけて使うものなのでしょうか?ウエストンではそういう使い方の指導 を受けましたが、これでよいのでしょうか?力を入れれば傷が付いてしまいます。軽く少し使えばよいのでしょうか?
さてブラシを使う頻度はどの程度でしょうか?脱いですぐというのが理想的なのでしょうか? 宜しくご教示ください。(男性)
A 果して、ブラシの使い方は正確には3分40秒、毎秒2往復のペースで10g/cm ×cmの圧力で行うのが 正しいです、と書けば納得されますか?どちらを信頼すれば良いのだろう? ということにならないでしょうか。

この時代、何処かに正解があって、それを探せば良いという信仰は既に崩れています。 ですから、お答えとしてはご自分で判断して必要なことをなさってください、ということです。
でもそれがわからないから、困っているのですよね。
ではわかっていることは何でしょう。

1、靴の素材はスムースレザー(普通の表革)である。
2、クリームやブラシで擦って手入れをする。

この間を埋めてゆく作業をすれば、自ずと解るはずです。
Q&A「お手入れの基本的なこと Part 1〜3」に書いておりますが、 革を長持ちさせるのに必 要なことは、適度な水分と油分 そして通気性です。
そのための手段としてクリームやブラシを使うわけですね。クリームは水と油と蝋が含まれています。 (Q&A クリームの種類と使い分け Part 1〜2 ご参照ください)
それを塗ることによって、必要な成分を補っ てツヤを出すわけです。全体にまんべんなく、必要最小限を塗ってやるこ とが好 ましいです。その際にブラシをひとかけすれば、クリームを全体に 伸ばし、隅に入り込んでしまった分もかき出してくれる。
これにどのくらいの時間が必要かは、解りますよね。磨く作業には、ブラ シより布等の方が、おっしゃるように負担が少ない でしょう。
その後に布で指の熱と摩擦の熱を利用しながら、ツヤを出す(蝋分がその熱で膜を作る)。
他にブラシを使うとしたら、帰宅時に靴に着いた汚れを払い落すということですが、それにもどのくらいのことをすれば良い かは、解りますよね。

ブラシはこれくらいだと思いますが、どちらを選ばれるかは、貴方次第です。


<液体クリームで、表面に1ミリくらいの層が・・・>
Q 始めてメールさせて頂きます。
○○と申します。
宜しくお願い致します。

靴の手入れで苦労しております。
インターネットを徘徊していたらここにたどり着きました。
とても詳しく、しかも困っている人に適切なアドバイスを 書いているのを拝見し、是非とも私もアドバイスを頂ければと 思いまして、メールさせて頂きました。

リーガールの茶色のウィングチップ(2万円弱のもの)の手入れで困っております。
新品で購入して依頼、靴の手入れをマメにやってきました。
普段は○○○○○のスティック状の液体クリームを塗って手入れしていました。
ところが、最近、雨が降ると靴の表面全体が白く粉が ふいてくるようになって、とても困っていました。
靴の表面の汚れを落とせばと思い、コロンブスの液体 汚れ落としを使っているのですが、 汚れを落とし始めて気がついたのですが、靴の表面に1mm程度の厚さの 靴クリームがこびりついています。 この完全に硬化した靴クリームは汚れ落しを布にとってゴシゴシしたくらいでは、まったく落とすことができません。
しかたないので、爪楊枝の先を使って、その硬化した クリーム層を削って剥がしています。 何度かこすると、少しずつパラパラとクリーム層が剥げ落ちていくのですが、 当然、爪楊枝の先で削ったところ だけしかはがれないので、もの凄い!ムラになってしまっています。 このところ、連日連夜、靴と格闘しているのですが、 爪楊枝で削っては、汚れ落しで拭き落としての繰り返しで 1足の片側だけ3時間以上やっても、まったくきれいに なりません。
汚れとクリーム層、ムラで、リーガルの靴は台無しな状態になってしまいました。
私のリーガルシューズは、復活させることはできないのでしょうか?
ステインリムーバーを購入すれば、この硬化層の クリームは落とすことはできるのでしょうか?
何か良いアドバイスをお願いできないでしょうか?
宜しくお願い致します。
A はじめまして。

残念ながら、塗るだけでツヤが出るというような液体等のインスタントシューケア用品の典型的な例と言えますね。
修理をしていても、それと知らずにそのようなものを塗った靴をお持ちになる方もおられます。 ほとんど革の表面にペンキを塗ったような状態ですので、通気性もなくなり、ひび割れの原因にもなります。 そして厄介なこと、にこれはちょっとやそっとでは落ちません。
それを落とそうと思うと、普通のクリーナーレベルでは無理で、揮発性のシンナーのようなものを使わないと無理です。 当然、元の仕上げも落ちてしまうわけで、一般の方でできる範囲を超えています。 このような処理は普通、修理の店でも受け付けておりません。 サイト内「専門店様からの情報」で紹介しています ”彩革の匠”はそれを専門として業務にしているところですので、一度ご相談になられたらよいでしょう。

一度そのメーカーに問い合わせたことがありますが 「注意書きにもあるように、前に塗った分をきっちり落としてください。」とのこと。
あれは1回塗っただけでも落ちにくいのに、そのような手間が掛かるなんて 「ぜんぜんインスタントちゃうやん!」と思うのは僕だけでしょうか?


<シュークリームのブランド、メルトニアンはなくなったのですか>
Q お忙しいところ恐縮です。
今日初めてHP拝見させて頂きました。
私は、日々のシューケアにメルトニアンの デリケートクリームとクリームとポリッシュを 使っていましたが、今日発売中止の事実 を知りました。
M.モウブリーなる似たタイプの商品が 流通してますが中身はどうなのか知りたく ご質問させていただきました。
メルトニアンにこだわることもないのですが 使いなれて、信頼していたものなので・・・・。 私の住む札幌はすでに在庫がどの店にも なく、他社製品も数多くあり迷っています。
なにか情報お持ちでしたらよろしくお願い致します。 (男性)
A はじめまして。
しばらく、こちらのホームページ上でも記載していたのですが、代理店からの説明文がありますので、転記しておきます。

<代理店からの説明> 2002.12

「皆様に長くご愛顧いただきましたメルトニアンブランドの製造販売を、当社の在庫のある限りで中止することとなりました。
同時に新ブランドの販売をいたすことになりましたので謹んでお知らせし、ご協力をお願いいたします。

当社がメルトニアンブランドの国内販売代理店になりましたのが1985年(当時の商標権保持者はReckitt&Colman社:本社イギリス)でした。 それ以来17年間、みなさまのご支持をいただきながら着実にシェアを伸ばし靴クリームの代表的なブランドに成長いたしました。
今般、メルトニアンブランドの現在商標権を持つサラ・リー社(本社:オランダ)が 製造面での効率化という目標を経営方針として掲げました。その結果、数多く売れる 物だけを製造し販売するということを各国の代理店に通達されたのが2年前です。 例えて言うならば、靴クリームは多くのカラーバリエーションが、ありますが、売れて いるのはブラックが約70%ですので、ブラックだけを製造販売すればよいというこ と、これが効率のよい製造ということになり、顧客、販売する側のことはまったく無視した話でした。
結果、各国のメルトニアン代理店はその方針に失望し見切りをつけ、今年に入ってか らは日本の代理店である当社一社だけが販売しているという状況になり、必然的にメ ルトニアンの生産量は激減し、製造中止という事態になりました。 この数年メルトニアンブランドは無くなるという噂が何度となく流れ、その都度当社 は日本の国内だけでもメルトニアンブランドを残すことに全力を傾け、ライセンス譲 渡を含めた協議をサラ・リー社と行ってまいりましたが、残念ながら合意には至りませんでした。

そこで当社といたしましては各国の代理店がそれぞれの独自ブランドに切り替えたの と同様にメルトニアンの後継商品を新ブランドとして販売することになりました。 新たなブランドを生産するファクトリーは約120年前からメルトニアンブランドの 業務用(各国の有力シューメーカーが仕上げ用クリームとして使用し、当社も国内の シューーメーカーに販売している)を生産し現在も続けています。このメーカーと当 社の間でメルトニアンのレシピで新ブランドを生産販売するということが正式に決定 いたしました。
180年もの歴史と伝統のあるメルトニアンのレシピで生産し販売する商品は、品 質、伝統、技術を踏襲し、今まで以上に皆様に愛用していただけるという確信のもと に、まず日本国内の優先販売を行い、近い将来該当地域での販売も計画しております。

M.MOWBRAY これが新しいブランドです。
正式にはメルトン・モゥブレィと読みますが、「M,モゥブレィ」または「モゥブレィ」とお呼びください。
新ブランド商品は来春1月に発売の予定でございます。
ブランドの由来ですが、当社があくまでメルトニアンの品質にこだわりを持つという ことで、1980年代のイメージで完成させた商品に、メルトニアンの創業者であ る、エドワード・ブラウン氏及びメルトニアンブランドのゆかりの地である、イング ランド北部のメルトン・モゥブレィの地名をブランド名とすることになりました。 伝統的かつ革新的なブランド名で、メルトニアンの後継商品らしい品質を最優先したものができました。
創業者のエドワード・ブラウン氏の名を汚すことのないようなブランドに育てることをお約束いたします。
是非、お取引各位様におかれましても今まで以上のご協力をお願いいたします。 各位様には急なことで大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒、ご理解いただきたく伏してお願い申し上げます。」

こちらでは、モゥブレイ製シュークリーム・デリケートクリーム・アニリン用クリーム、
サフィール製シュークリーム・缶入りワックスをご用意しています。 よろしければ一度お試しください。


<レザーソールの手入れに関して>
Q よく靴の手入れについて、レザーソールの靴は靴底もクリームやミンクオイルを 塗る。という意見があります。ところが、先日ある靴屋さん(JMウェストン)に伺ったら、「靴底には何もしないのが 正しい」とおっしゃっていました。理由は革が柔らかくなってしまうことと、ソールの通気性が悪化するからとのことで した。ところがところが!また別の靴屋さんに聞くと「確かにオイルなどをぬりすぎると靴底が柔らかくなってしまうが、 防水のためにごく少量ぬるのは必要」との意見でした。まとめると
1.何もしない
2.クリームを塗る
3.ミンクオイルを塗る
の3つの意見があるようなのですけど、結局のところ何が最も靴に対してよいのでしょうか?(男性)
A 確かに、ソールに関してのこの問には様々な答えを聞きます。では何故そのようなことが起こるの か?と言いますと、ソールのコンディションに合わせて、オーナーの臨機応変さが必要だからです。しかも、塗り過ぎる 事によるトラブルというリスクをしょいたくないという気持から、消極的な答えになりがちです。ただ、神経質になり過 ぎる客の方にも問題はあると思いますが。

ソールは消耗品なので、そんなに神経質になる必要はないと思います。それより、履き方によるトラブル(雨でぐっしょ り濡らす、同じ靴を毎日履く、等)が与えるダメージを軽減してやる方が先決でしょう。でも素材は革ですから、当然油 分を補ってやるということが、間違いな訳がないのですが、程度問題。やはり塗り過ぎると通気性や柔らかくなる、等の 弊害もあります。

雨に濡れて乾いたソールを見ると、明らかに乾燥しているのがわかるので、そのような場合は、塗ってやった方が良いで しょう。(JMウエストンを履く人は雨に濡らさないということが前提なのかな?)
クリームかミンクオイルかは、
クリームのほうが、内部まで浸透する。
ミンクオイルは、表面的な防水効果を期待する、というようなかんじでしょうか。
ちなみに僕は、アニリン用クリームをたまに塗る程度です。
そして一番のお手入れは”グッショリと重たくなるまで濡らさない”ということです。


<ソール(靴の裏)の手入れ>
Q レザーのソールの手入れの仕方を教えて下さい。私はソールは消耗品と割り切って いるので泥を落としたりする程度の事しかしたことがありません。しかし、クリームを塗ったりする人もいるようです。ミ ンクオイルを新品の時に塗っておくといわゆる返りが良くなるとかいろいろ聞きます。また、おすすめのクリームでもあっ たら教えて下さい。よろしくお願いします。(男性)
A そうですねぇ、僕もソールにしては、そんなに神経質になる必要はないと思います。
むしろ、雨をなるべく避けてもらうとか、そっちの方がダメージを考えると大きいと思います。
始めと限らず、塗るとしたらミンクオイルでしょう。ただ、塗り過ぎはかえって柔らかくなりすぎたり、滑ったり、通気性 を損なったりしますので、減りやすい爪先に重点的に塗ってもらうとかもひとつの方法かと思います。
あと、コロニル社から「ソールトニック」といのがでていたと思うのですが、使用したことがないので何ともいえません。 液体なので、ちょっと革が柔らかくなっちゃうかな? とも思います。
塗る理由としては、油分の補給、水をはじくといったところなので、臨機応変に(雨にあった後等)使用していただいたら 良いかと思います。塗り過ぎないほうが良いと解釈していただいて結構です。


<既成の靴をアンティークに磨くとは>
Q いつも豊富な情報に助けられています。
さて質問ですが、あるHPで「自分でアンティーク調に磨き上げた」という言葉を目にしました。 これは具体的にどのような作業を施すのでしょうか。素人でも作業できる事なのでしょうか。 その靴は非常に良い雰囲気に磨かれていたので興味があります。(男性)
A この情報に関しては、一般的でないというのがこちらの見解です。
車で言えば改造するみたいなもので、ご自身の責任において好みでやられるならどうぞという感じです。
ただし、その靴の革の質や仕上げ方法によっては、うまくいかなかったりもするようです。


<靴の中も洗った方が・・・>
Q  ReebokのRAINWALKERや、RockportのPROWALKERを愛用していますが、外は本皮で中は布地です。
買って2年になりますが、今まで一度も洗ったことがありません。 靴下は毎日履き替えるのに靴(特に中)は洗わなくていいものでしょうか。 きっと相当不潔な状態じゃないかと思うのですが。
 普通のスニーカーなら洗剤でごしごし洗って陰干しでいいのでしょうが、 この手の靴の中はどう洗えばいいのでしょうか。それとも全く洗わなくていいものでしょうか。 (男性)
A 確かにそうですね。
でも裏を返せば、靴下のおかげで靴は毎日洗わななくてもよいということも言えます よね。 素足で履くと、いっぺんに臭くなりますからね。
靴下を毎日履き替えて洗うのと同じように、靴も履きかえるということでしょう。
スニーカーの場合は、素材や製法から洗ってもそれほど問題がない場合が多いので、気になれば洗ってやればよいでしょう。 水と薄めた中性洗剤でOKです。
取り外しの利くインソールが入っている場合も多いでしょうから、それならインソールだけでも洗うなり、取り替えてやればいかがでしょうか。


<靴の中(ライニング)、インソールの手入れ>
Q はじめまして。
靴のお手入れについて調べていたら、ここのHPに行き着きました。
大変詳しくて参考になります。
一つ質問させていただきたいのですが、革に限らず靴全般の内側はどのように手入れしたらよいのでしょう?
素材によっても異なると思いますが。 教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。 (女性)
A 基本的にはあまり手は加えないですね。
革なら新品の際にデリケートクリーム(蝋分のないクリーム)を塗っておく。
たまに水拭きををする。
臭いが気になる人は、サドルソープで洗っても良いでしょう。 ただし、濡らし過ぎると接着で付いている部分があれば剥がれやすくなるので、表面を湿らせる程度で洗ってください。
インソールは、汚れたら交換すれば良いです。
革でない場合は、水拭きくらいでしょうか。
やはり大切なのは、足から吸い取った汗などを十分に乾燥させてやるために、 靴をローテーションして履いてもらうというのが、一番のお手入れでしょう。


<靴紐を探しています>
Q 靴紐を探しています。色々な靴専門店を周ったのですが、発見できませんでした。 様々な靴紐を取り揃えている専門店、もしくはオーダーできる専門店をご存知でしたら教えていただきたいのです。 紐の詳細は下記の通りです。
色:こげ茶色  形状:平紐(幅5mm弱)  形状詳細:フォーマルな感じ(きめが細かい)
長さ:100cm
例えば、カジュアルな感じのものとか、長さが75cmのものとかはあるのですが、上記にぴったり当てはまるものはありませんでした。
ちなみに、銀座ワシントン靴店、丸井デパート内の靴屋、ABCマート、東急ハンズ、渋谷ロフト等を探しました。 靴紐が変わるだけで、靴の表情が大分変わってしまうので、お気に入りのブーツが靴箱で眠ってしまっています・・・。(男性)
A 結論から申しますと、知っている限りでは手に入りません。
ビジネスタイ プ平紐で、長さが100センチというのは、かなり特殊なのです。 新品の際には、ある程度かたまったロットで作るので可能ですが、1足のオーダーというのも聞いたことがありません (30足くらいからオーダー可能です)。 それだけ、店を探されたのならご存じかと思いますが、平でなく、ろう引きの丸紐なら、90もしくは120センチというのがございます。 ハンズで手に入るはずです。お力になれなくてすいません。こんなところです。


<靴クリームが固くなって…>
Q 少し固くなった靴クリームは、どのように再生できるのでしょうか? ふた付きのビンに入ったクリームですが、歯ブラシで靴に塗るのには若干のびません。
是非、お教えください。
A クリームの中には水分が含まれていそれが乾燥によって、水分が抜けて固くなってしまうのです。

ならば、水を混ぜれば良いではないか?と思われるでしょう。その通りなのですがそこは、水と油混ざりにくいんですね。 お持ちのクリームが、乳化製のクリームでまだ、柔らかければお湯を少し加えて、よくかき混ぜれば使えるようになるでしょう。 元々、水分を多く含んだものなら混ざりやすいのです。(マヨネーズみたいに)

それでも、だめなら界面活性剤を使えば混ざるのですがその必要はないでしょう。


<クリームの色が合いません>
Q はじめまして。
HP拝見しました。靴の手入れについて、いろいろな情報があり、大変ためになりました。

さて、今回ひとつお伺いしたいことがございます。

靴にあう靴クリームがなく、いつも苦労してます。
ベージュと白のあいだとか、紺より少し暗い色とか、なかなか近いいろが見つかりません。
このような場合、靴クリームを混ぜ泡あせれば、それなりの色になるかと思いますが、 果たして、そんな方法は妥当なのでしょうか?他に何か良い対処方法はないでしょうか?

靴の手入れに素人なので、突拍子もない質問かと思いますが、ご教示いただければと思います。
A はじめまして。

まずは↓
Q&A「色付きのクリームを使うと、色目が変わらないでしょうか
をご参照の上
クリームの色については、何を期待するかというと、補色により元の色が際立ち、汚れやキズが目立たなくなると言うことだと思います。
比較的濃い色(ミィディアムブラウン、ダークブラウン、黒等)については同色のクリームを使うことにより、補色の効果も期待できますが、 薄い色ほど効果はありません。キズなどには染み込んで濃くなるだけですし、汚れを覆い隠す事もできません。
ですから薄い色(例えばお書きのベージュと白のあいだ)等は、同色のものを作ったとしても意味がないということになります。
これらにはナチュラル(無色)をお使いになられればよいでしょう。
色を混ぜても問題ないですが、色を際立たせるくらいの効果しかありませんので、 既製の近い色を使えばそこまでの必要もないのではないかと思います。


<普通以上にツヤ(光沢)を出す磨き方>
Q いつもHPの方は大変興味深く拝見させていただいております。
ここで靴をいかにして扱えばいいのかということを日々学ばせていただいています。

今回伺いたいことはシューシャインについてです。
先日、思い切ってシルバノマッツァのサイドゴアブーツを購入しました。
かなりの出費となりましたが、はじめて「本物の靴」というものを手にいれた気分す。

履いてみてわかったことですが、最初はインナーソールが堅く歩きづらい感じがしたのですが、 10分も歩いていると足になじみ、全く歩き疲れを感じることがありませんでした。
手入れ等はこちらのHPを参考にして行っており、シューシャインに挑戦してみようと思いつき、やってみました。
使ったのはMムーヴレイの缶入りシューポリッシュです。
少量を古切れにつけて水をつけながら磨いてみたところ、その部分だけがつや消しの ような状態になってしまい、ステインリムーバーでも元に戻すことができませんでした。
諦めて数日履いていたところ、元の状態にもどり事なきを得ました。
今まで履いていた靴は、最初からてかてかと光っている革で、今回と同じように磨いたところ、問題なく磨きこむことができました。
しかし今回購入した靴は、そういった加工(?)がしてある感じはせず、なめしたままのような感じの革です。 こういったタイプの革をシューシャインすることはできないのでしょうか?

クリームとビーワックスを使っての手入れでも問題はないと思いますが、磨いた靴独特の「深み」のある光沢が欲しいのです。 またワックスの膜を張った方が、日常の使用によってつく傷に対するガードがしっかりするような気がします。

実物をお見せすることができず、答えにくいかと思いますがお力を貸していただければ幸いです。
A こちらでご案内しております「シューケア」は、革を良いコンディションに保って、 靴を長くお使いいただけるための”手段”としてが基本になります。
それにはやり過ぎも負担があるという見解で「必要最小限をよいタイミングで」 (ナチュラルメイクとでも言いましょうか)、と言うことを最優先しております。
ピカピカに光らす(パーティーメイクでしょうかね)、というのは通常のケアとは違うと言う前提で、お聞きください。
デリケートクリームと乳化性シュークリームでお手入れ(ファンデーションですね)の後、缶入りシューポリッシュを使います。
ただし、かなり根気の要る作業でして、とりあえずはつま先だけでもお試しください。

1、 ポリッシュをつま先部分に薄く塗り5分間ほど放置、もう1度塗る。
2、 缶のふたで構いませんので、水を少し入れておき、薄く縫った部分に指で1〜2滴くらい落とす。
3、 水滴の部分を中心に、つま先をを布を巻いた指で小さな円を描くように、力をいれずに(軽く靴に触れるか触れないか位の気持ちで)時間でいうと3〜5分くらい回し続ける。
4、 2・3と同じ事を繰り返す。
5、 何度目かに、急に光りだしますので、グローブクロスでさっと仕上げに乾拭きしてやってください。  それを他の場所でも繰り返すということです。

テレビでも観ながら肩に力をいれずに、試してみてください。

今回の原因は、革の仕上げがアニリン系ですと、浸透性が高いので、光るまでに回数と時間が掛かるのだと思いますよ。


<コバ(ソールの横)やヒールの色を元に戻したい>
Q はじめまして、男性です。
手持ちの靴をこのサイトを参考にお手入れを始めて、おかげさまで革が気持ち良さそうになるのがわかるようになりました。 そうすれば自ずと長持ちして、きれいな状態で長く履けるのですね。
ソールの横(コバ)やヒールの周りの部分にも、アッパーのお手入れのときに一緒に乳化性のクリームで磨くのですが、 どうしても色があまり着かなかったり、アッパーの手入れをしている時のような充足感がありません。
修理過程などを拝見すると、蝋を塗ってコテを当てられているようですが、とても素人にはできませんし、 普通の人がお手入れで可能な何か良い方法はないでしょうか。
とくにトリッカーズのカントリーブーツのあのオレンジ色に近い茶などは、汚れ放題で困っております。
A はじめまして。
すでに通販のページ手はご紹介しているのですが、サフィール「コバ用クリーム」(ブラック・ダークブラウン)をお使いいただければ、塗るだけで簡単にきれいになりますよ。
Tシャツの古いものでも結構ですし、こちらでは化粧用のパフを使ったりしますが、コバからヒールまで全体に均一に塗って、 乾いてから乾拭きするだけで、見事に色も着いてアッパーの時のような充足感を得ていただけると思います。(笑)
それからご照会のトリッカーズのカントリーブーツの色ですが、同じくサフィール「コバ用クリーム」のブラウン (06.2月現在 まだ日本では発売されていないのですが)が、ウソのようにばっちり合う色で、塗った感じもオリジナルのような風合いで、ホントに塗るだけなんで超お勧め品です。
只今オーダーを掛けておりまして、4月くらいには入荷の予定ですから、今しばらくお待ちくださいね。
「目で見るお手入れ法」の中でも、今回、写真入りでご説明させていただいておりますので、どうぞご参照ください。


<”何を使うのか”ではなく”なぜ使うのか”>
Q はじめまして。こんにちは。
ケアについては自己流で、ホームページを拝見し、今までの自分のやり方に後悔ばかりです。
以前、店員さんに、「M.モゥブレィ・デリケートクリーム 」と「M.モゥブレィ・アニリンクリーム」 どちらを購入すべきか尋ねたことがあります(たしかその際は、カーフのパンプスにはという聞き方をしました)。 問いに対し、「M.モゥブレィ・アニリンクリーム」と返答されたので、これを購入いたしました。
以来、アニリンクリームばかりを使っております。

買ったばかりのパンプスが色落ちしてしまい、その対処法を探し、このホームページにたどりつきました。 お答えいただけると本当に助かります。

キッドのパンプスを初めて履く前に、M.モゥブレィ・アニリンクリームをシューズブラシを使って塗りました。 しかし、一箇所、円形の染み(その部分だけ色が濃い)ができてしまいました(塗ってすぐ伸ばさなかったからかなと思っているのですが)。 あわてて、M.モゥブレイ・ステインリムーバをぬりました。今度は、その部分は色が薄くなってしまいました。
色落ちができてしまったのは、左足の外側の側面に直径2cmほどのものです。

樅山さんのほかの方へのご回答を拝見すると(『ステインリムーバーでどこまで汚れを落とせばよいかの基準となるようなものはありますか?』 へのご回答)、『使用する目的は、汚れと前に塗ったクリームやワックスの”蝋分”を落とすということです。 拭いた際に布に色が付くのは、染色された革の色移り(水分の移行に伴い色素も移動する)も起こるからです。』とあります。 私の場合も、ステインリムーバーを塗って拭いてみるとお色が布についておりました。


アニリンクリームを塗ったあと、染みができてしまった場合の対処方法
(自然と抜けていくのを待つ のが最善の方法だったのでしょうか)
今回、アニリンクリーム→ステインリムーバーを使用してしまった結果、色落ちしてしまった部分へ の対処方法
購入して初めて履く前のお手入れ方法として、「M.モゥブレィ・デリケートクリーム」と 「M.モゥブレィ・アニリンクリーム」はどちらが適しているのでしょうか
(『シューケア通販』を拝見すると 「デリケートクリーム」の商品説明に、『すべてのお手入れはまずこれから』と記載があるところから、 「デリケートクリーム」のほうが適しているように感じております)
ステインリムーバー使用時の色移りは避けることはできないのでしょうか。 また、ステインリムーバーでの色移りは通常、とても目立つものなのでしょうか。

以上です。長々と申し訳ございません。
どうか良いアドバイスをお願いいたします。
A はじめまして。

こちらでは、お手入れで「何を使うのか」ではなく、「なぜ使うのか」を情報発信しているつもりです。
でないと、今回のように臨機応変に対応しないといけない場合に、困るからです。

例えばアニリン用クリームを塗って、円形の染み(その部分だけ色が濃い)ができた。
染みとおっしゃっているくらいですから、染み込んで濃い部分ができたということですね。
ステインリムーバーは表面の汚れを拭いて落とすものです。ですからこの場合には意味がないということです。
間違えて黒のクリームを塗ってしまった、この場合はまずリムーバーで拭くということになります。

今回お聞きになられている事は、ほぼQ&Aの基本編に書いてあります。
あとはご自身でお考えください。


<ツヤがありすぎるので消したい>
Q 数年前に購入した靴を大変気に入っていまして、大事にしているのですが、 表面のツヤが有りすぎて、ツヤ消しを施したいのですが、 良い方法を教えてください。

東京在住・50歳・男より
A そのツヤが、ワックスによるものなら消す事も可能でしょう。
ですが革に施された仕上げのためためでしたら、消せません。
ワックスの場合は、ステインリムーバー(クリーナー)、もしくはリグロイン(薬局で染み抜き剤として売っています)で拭く。 それで変化がなければ、後者です。
シンナーで拭けば消えるかもしれませんが、別のトラブルになる可能性もありますので、ご自身のリスクでどうぞ。


<汚れたらクリーナーを使えばよいのではないのですか?>
Q はじめまして!革靴に関してのご質問なのですが・・・
先日シャネルの靴を購入して、何も考えず白を購入してしまいました・・・
1度履いただけで汚れてしまい、汚れを取ろうと思いクリーム状の汚れ落としを購入したのですが、全く落ちないし、広がる一方です・・・
すごく気に入ってるので、汚れを落とす方法を探していたら、こちらにたどりつきました!
革の種類はよくわからないのですが、よくある、シャネルのハンドバックの革と同じやわらかい革です。
どのような方法で汚れを落とせばよいのでしょうか?困っています・・・宜しく御願いします!
A お手入れに最低限必要な知識は、素材が何か?ということです。
革にも色々あって、その種類によって、常識のお手入れ法とは違う注意しなければならない事(してはならない事)があります。
ですから購入の際に、革の種類やお手入れ法に関して、高価な靴ほど(デリケートな素材が多い)よく聞いておく必要があります。

今回は、そのケースに抵触しているようです。
おそらくはシープスキンではないかと思われます。
↓をご参照の上
Q&A「ナッパ素材って?」

残念ながらきれいにはならないでしょう。
クリーナーも使えないような革もあるのです。

「ではどうすんねん!」と言う声も聞こえてきそうですが、今回の場合ですと、ビフォアケアで、ソフトナッパスプレーをかけて、 汚れは食パンの白いところで拭くくらいしか、対処はありません。
「そんなん、履いたら汚れるやん!」 その通りで、汚さないような履き方が出来る、汚れても痛くも痒くもない方が履く靴だということで、 通勤などには履く靴ではないということです。

お力になれず申し訳ありません。


<黒と白の水玉模様やシルバー色の革のお手入れ>
Q いろいろ探してみたのですが良くわかりません・・・。
すみませんが教えてください!
ピッグスキンが全体に使われており、つま先のみ牛革(エナメル)の靴のお手入れ方法
(ピッグスキン部分は黒と白の水玉模様・つま先は黒1)
ピッグスキンが全体に使われている
(全体はシルバーで、黒の水玉模様)
よろしくお願いいたします!!
A ご照会の靴の場合は、革の種類がピッグスキンだからお手入れはどうする?というより、 表面の仕上げに黒と白の水玉模様もしくはシルバーであるということがキーポイントになります。
黒と白の水玉模様やシルバーは染めてできるわけではありませんので、表面に印刷されていると考えます。
となればそれが剥がれて下地が見えてしまうと元には戻せないですから、お手入れは「塗らない・擦らない」に尽きます。
つまりクリーナー類は使わない方が無難と思われますので、汚さないように履くというのが一番のお手入れでしょう。
使うとしたらスプレータイプの保革防水(こちらで対応しているのはソフトナッパ)です。


<クリーナーで何度も拭いたら光沢が無くなった>
Q HPを見ていつも参考にさせて頂いております。
困ったことがあるのですがどこを探してもわからないのでお願いします。

まだ買ったばかりの靴を磨いていたとき、どうしても曇ったようで光らない部分が あり、 何回も何回もリムーバー(クリーナー) で拭いては磨きを繰り返していたところその部分だけが他の部分と違う質感になり全く光沢が無くなってしまいました。
クリームを塗って磨いたりしたのですが、ザラザラした感じが取れず輝きません。
やはりリムーバーの使いすぎなのでしょうか?
A ↓をご参照の上
http://www.shoe-riya.com/qa_care_basic.html#qa_017

人間の皮膚で言えば同じ箇所を何度も強く擦ると、赤くなってヒリヒリするのと同じで、リムーバーで何度も擦ると、 革の表面のぎん面が荒れるか、ふやけて擦り取られその下の層がみえてくると繊維質が荒くなるので、 ツヤも出にくくなるとはないでしょうか。
皮膚のように再生しないわけですから解決策は塗装でもしない限りありませんが、気にしないという手段もあります。


<通販でトライアルセットのようなものがあれば・・・>
Q 先ほど無事に商品が届きました。
本格的な靴磨きは初めてで非常に興味深く、楽しめそうです。

あくまで一個人としての要望だったのですが、靴磨きをしたことの無い人向けのトライアルセットがあれば良かったです。
今回HPをある程度見て回り何を買うか検討しましたが、自信が余りありませんでした。
プロがセレクトすれば初めての人でも気軽に購入出来るかもしれません。
今後もよろしくお願いします。
A この度は、ご利用ありがとうございました。
お届けの商品、ご期待に沿えれば幸いです。

ご照会の件ですが、私自身としてはハウツー、何を使うのではなく、なぜ使うのかを理解して行っていただきたいと思っております。
そのためにはある程度手間を掛けて、HPを読み込んでもらう必要がある、そうすれば身に付くものだと思うので、 トライアルセットのようなものを作ってしまうと、安易にそちらに流れてしまって、使い方を間違ってしまったり、 使い込めずに終わってしまうのを避けたいという感があります。
ですので、不親切かもしれませんがあえてQ&Aでも内容と商品を結び付けないように意識しています。
逆に既にお持ちの手持ちの商品で間に合えば、それを使っていただければ良いわけですし、そちらの方が親切かと。

こんなところですが、今後も宜しくお願いいたします。


<買った当時の風合いが消えました>
Q はじめまして、こんにちわ!!
HPを拝見しまして「これだ!」と思い初心者の上あまり靴のことで質問があります。よろしくお願いします。

先日、某ブランドのオイルドスエードの素材のデザートブーツ(茶色)を 買いまして、この梅雨時期だというのにのんきに履いていたら大雨に(汗)
家に帰って乾かしたらよくなったのですが、ところどころ黒ずみが…
気になって、真鍮ブラシのまわりに普通のブラシが生えてる一般的なスエードブラシでゴシゴシ…
見た目はとてもきれいになったのですが、独特の風合いが消えてしまったような。
(言ってみれば、オイルで独特のムラができていたのにきれいに毛がととのってしまった)
焦って買ったお店に連絡したところ。
「ゴシゴシやっちゃだめ!!風合いが失われてしまうし、オイルドスエードはやさしくブラッシングするだけでいい、味を楽しむもの!」 といわれ、もうやってしまったあとですし、店員の勢い余った発言に今更ゴシゴシやっちゃったとわいえないし(泣)

そこで質問です。
「オイルドスエードは履きこんでるうちにまた風合いは戻ってくるもんなんでしょうか?」
靴を奇麗に保つための質問をという貴HPですので空気の読めない質問になってしまって申し訳ないのですが・・・
回答おねがいします。
A はじめまして。
まず、オイルドスウェードがすべてその靴の最初のような仕上げなっているわけでもありませんし、 ”独特の風合い”というのが、抽象的な表現ですので、何をもってよしとするのかよくわかりません。
概してスウェードの場合、表革に比べて履きこんで風合いが出るというタイプではなく、起毛の仕方や色など、 履くほど”くたびれ”感が出るとご理解いただいたほうが良いでしょう。
ただ本来オイルドスウェードは雨に対しては水を弾きやすくなっていますので適しているはずですし、 ブラッシングも問題ないと思います。
ですから道具として問題ないというのがこちらの見解で、スウェードに限らないですが、 売られている最初のその瞬間だけオイルを塗るなど何らかの仕上げ方をしていて、 それを風合いというなら、ご自身で工夫してそれを再現してやるしかないでしょう。


<靴擦れしてかかと内側に血が・・・>
Q 初めまして。仕事が私服で靴はスニーカーばかりだったのですが最近革靴を履くようになり、 こちらのホームページを参考にまずはステインリムーバー、デリケートクリーム、シュークリーム、ブラシ、シューツリーを揃え、 帰宅時のブラッシングや休日の手入れを楽しんでいる30代の女性です。
ワックスは使っていませんが、 モゥブレイのシュークリームで出るツヤに「手をかけた革靴ってこんなにきれいなものなのか」と感動し、 靴箱に革靴が増えつつある今日この頃です。
今日はライニングについてしまったシミの対処法についてお尋ねさせてください。
Q&Aは以前から見ていますが、見落としていて既に回答済みでしたらご容赦のうえ、どこに掲載されているかご教示いただければ幸いです。

先日、HIROFUのローファー(品番08140)を購入し、家の近所で試し履きをして足になじませていたのですが、 そろそろ大丈夫かと思い会社に履いて行ったところひどい靴擦れを起こしてしまいました。表革の靴で、材質はたぶんカーフ、色はキャメルです。
靴の内側、かかとのライニングの部分(左右とも)に血が滲んでシミになってしまっており、履いているときに外から見える部分は何ともないのですが、 ライニング(と中敷き)はベージュ系の色のため、脱いだときに血のシミが目立ちます。 一度ついてしまった血のシミを完全に消すことはできないと思いますが、少しでも目立たないようにすることはできないでしょうか。
ライニングの素材はスエードのような感じの起毛した革です。

今回シミのついたローファーは、以前別の色を購入し、履き心地が気に入ったため同一品番・同サイズで買い足した色違いのものです。
一足めのときも最初のうちはきつかったこと、一足めのときはきつくても靴擦れにはならなかったことから、 色以外(木型、素材、サイズ)は同じ靴だからと痛みを感じていたのに我慢しすぎてしまいました。 それで靴擦れを起こしてシミをつけてしまい、しょんぼりです。
今度新しい革靴をおろすときは、かかとが痛いなと思ったらなじむまでは絆創膏でガードします。
A はじめまして。

まずコンタクトの方法ですが、問題ないですよ。
むしろ丁寧に書いてくださって、非常にわかりやすいので、何とかしてあげたいのですが、 残念ながら乾いてしまったら血は落ちないですね。
すぐになら濡れタオルで染み抜きのようにすればある程度は落ちます。
衣類で検索したら、薬品を使った方法が紹介されていますが、確実に色も抜けてしまうので、 ライニングだけなら試してみても良いかもしれません。

ヒロフのローファーのかかと腰裏部分の作りがどのようになっていたかちょっと記憶にないですが、 おそらく腰周りというテープ上の革が履き口周りに巻かれてその一部は内側に巻き込んであるようになっているのではないでしょうか。
その腰周りの革が汚れていない、内側の起毛した腰裏の革だけなら、修理としてその腰裏の革の上から新しい革を当てることは可能だと思います。
中敷はヒロフで交換してもらうか、オリジナルにこだわらなければ、お近くの修理の店で交換できます。

靴擦れ予防は、あと靴の前と後ろを持ってグニャリと曲げてやり、返りを良くしてやることです↓

Q&A「爪先が減るのですが… Part 1」内の雑誌の写真参照


<新品のスウェードにパラッと雨に降られて水滴の跡が>
Q はじめまして、インターネットで調べていて、ホームページに辿り着きました。
質問の所を拝見させていただいたのですが、これと思う答えを見つける事が出来なかったため、 メールさせていただきました。
ゆうこと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

新しく購入した黒いスエード(柔らかく薄い感じです)のロングブーツを、履き慣らしをする為に近所を短時間歩いていた所、 急な雨に降られてしまいました。
慌てて家に戻り、軽く拭き、そのまま玄関に置いておいたのですが、翌日見てみたところ雨粒の形が ポツポツと残ってしまっていました。筒部分の前面と、足の甲部分それぞれに少しずつあります。
慌ててウォーリー・スエードカラーフレッシュ ニュートラル(無色)とウォーリー・スプラッシュブラシ 発砲天然ゴムタイプを購入したのですが、これを使う事で雨粒が消えるのかどうか分からず、試すのをためらっています。
ホームページには全部を濡らすといいという記述もありますが、少々の雨粒の跡ですので、 怖いと思ってしまいます。
本格的に履く前には防水スプレー程度のお手入れはするつもりだったのですが、まさか短時間の試し履き、それも晴れている日でしたので、 雨に降られるとは。。とガッカリしています。

購入した2点の商品で解消されるのかどうかと、もしその方法よりも良い方法をご存知でしたら教えていただけると幸いです。
お手数をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
A はじめまして。

どの程度の雨で、どの程度濡れたのか、わかりませんので予測になりますが、雨粒の形が残るということは、 パラッと降られて濡れたところ濡れていないところがあるのでそうなったとします。
乾いた物質に水滴が掛かって乾けば、その部分だけ水滴の跡が残るのと同じレベルでしょうから、 全く問題ありません。
テーブルに水滴の跡があったらどうしますか?濡れ雑巾で全体を拭くでしょう。
全体を均一化するという意味で、この場合も同じです。
乾かして、結果を見た後にお手入れ品でケアを。


<スニーカーの白いゴム部分にジーンズの色が・・・>
Q 初めまして、いつもホームページで靴に関する色々なお手入れの知識を学ばせて頂いています。
役立つ情報ありがとうございます。
さっそく質問なのですが、
私の履いているPUMAのスニーカーのヒールのゴム部分にジーンズの色が移ってしまったと思われるシミができてしまったのですが
これが何をしてもおちません、、、ちょっと拭いたら色が薄くはなったのですが、落ちてまた白くなる気配は全くありません。。。。
どうすれば良いのでしょうか?友人に借りたものなので、できたら完全に色をおとせれば、と思いメールをしてみる事にしました。
革靴では無いのでお答えしかねるかもしれないのですが、差しつかえなければよろしくお願いいたします。
因みに靴はPUMAのモストロゴート ホワイトです。
A はじめまして。
普通なら靴は履く道具だから、特にスニーカーなら「気にするな」というのが答えになります。
完全に直す方法はないと思いますので、工夫してみるになるのですが、リスクを承知で試す価値があるとしたら、 漂白剤を薄めて湿らせたキッチンタオルを当てておくくらいでしょうか。


<中古品を購入したらカビ臭い>
Q 突然のメールにて失礼いたします。
靴についたカビの臭いについて調べたいたところ、こちらに行き当たりました。
海外から靴(使用感は無いが年代は経過している中古品)を購入したところ、見た目には問題なかったのですが、 臭いがとてもカビ臭いのです。
調べてみると、ソールの釘うちしてある部分にカビが付着していたのでふき取りました。

しかし見た目には問題なさそうな靴の中からの、カビの臭いがとれないのです。
除菌スプレーなどを試しましたが、まったく効き目がありません。
靴の修理屋に聞いてみたところ、靴の外側はオゾンクリーニングでとることができるが、中は難しいと言われました。
この場合、サドルソープで中を洗えば臭いは落ちるものなのでしょうか?
靴自体は非常に気に入っているため、なんとか臭いを落とす方法を知りたいのです。
よろしくお願いいたします。
A はじめまして。
結論から申しますと、難しいでしょう。
おそらくですが、昨日今日の出来事ではなく、数年間放置された結果でしょうから、 表面を少々洗ったくらいで匂いが抜けるとは、常識的に考え難いです。
可能性があるとしたら、お書きのようなオゾン等の科学の力を試すくらいでしょうか。

お手数をお掛けしましたが、お力になれず申し訳けありません。


<ミンクオイルのような油脂や植物性のワックスなどを直接塗り込むと問題があるでしょうか>
Q こんばんは。○○と申します。
十年近く前に靴の手入れに関して調べていた際にこちらのページにたどり着き、以来参考にさせていただいています。
以前より疑問に思っていた事があり、Q&Aもざっと読んだのですが解らなかったのでメールいたしました。

オイルドレザー以外のスムースレザーの靴(や革製品)に ミンクオイルのような油脂や植物性のワックスなどを直接塗り込むと、問題があるでしょうか?

デリケートクリームのように乳液状のものを塗り込んでも、水分はすぐに蒸発するのですよね。
そうやってケアのたびにすこしずつ油分が蓄積されて風合いが出てくるのだと解釈していたのですが、間違っているでしょうか。
デリケートクリームはよく伸びるのでシミもできにくく薄い色の革でも色が変わりにくいと思いますが、 油分だけを補うケアと乳液のケアで違いはほかにもあるのでしょうか。

ご返答宜しくお願い致します。
A はじめまして。
乳化性のクリームがミンクオイルのような油脂や植物性のワックスなどに比べて、高価であるわけでも手に入りにくいわけでもないのに、 何故わざわざ「ミンクオイルのような油脂や植物性のワックスなどを直接塗り込む」のか、わかりません。

「水分はすぐに蒸発する」のでムダであるということでおっしゃっているなら、革はコラーゲンがその成分ですので親水性があり、 さらに活性炭のように細かい繊維状になっているので、水分を取り込みます。
ですから、塗った水分がすべて蒸発するわけではなく、ある程度は中に取り込まれて、飽和状態以上になった分が蒸発するという感じでしょうか。
当然湿度によって左右されるのですが、乾燥した空間に長い間放置すると中に取り込まれた水分も蒸発してゆくので、その分を補うということです。
革の肌触りで、しっとりとすべすべするには水分が必要で、明らかに乾燥してカサカサになった靴を見かける事もあり、傷も付きやすいだろうなぁ、と思ってみています。

ですからご照会の
「デリケートクリームはよく伸びるのでシミもできにくく薄い色の革でも色が変わりにくいと思いますが、油分だけを補うケアと乳液のケアで違いはほかにもあるのでしょうか。」
「よく伸びず、シミができやすく、薄い色の革でも色が変わりやすい」のに、何故かわからないということです。


<スニーカーをいつまでも綺麗なままに履きたい>
Q 高校生の男子Yです。いつもHP拝見させていただいております。
今回はスニーカーの形について相談したいと思いメールを書かせていただきました。
ぼくはまだ高校生で、革靴など高価な靴は履けないので普段はスニーカーを履いています。
特に僕が気に入っているのがNIKEの「AIR FORCE 1」なのですが、履いているうちにつま先の方に癖がつ いてきました。
おそらく、歩くと靴自体が曲がるので甲の皮の部分にシワができるのだと思うのですが、大切にしているスニーカーなので綺麗なままで長く履いていきたいと思っています。
さらに、このスニーカーは甲の部分が硬い布(多分スエードのような少し丈夫な布だと思います・・)でできており、その部分もシワができてしまいました。 固定などいろいろ試してみましたが、なかなかうまく行きませんでした。
とてもわかりにくい内容で申し訳ありませんが、何かアドバイスなどございましたら教えていただければと思っています。
必要なものがある場合は安価であればお小遣いで購入しようと思います。
よろしくお願いいたします。
A シワに関しては既に回答済みですので、そちらをご参照の上、
色や革の耐久性はお手入れによってカバーできる部分もありますが、履けばシワも付けば傷も付く、 それが履いて歩く道具としての正しい姿で、きれいなままにしたいなら、床の間に飾っておく事です。
ただスニーカーの場合はソールなどのラバー部分履かなくても時間と共に劣化するので、消費期限のある靴です。
その用途に応じて最大限に使い切るか、眺めて劣化さすか、ガンガン履いてくたびれたスニーカーも美しいと思うのは僕だけではないと思いますが・・・・。


<缶入りのポリッシュ(ワックス)で磨いたら革に白のムラの様な物が・・・>
Q お世話様です。
HPのほうを拝見させていただき、お返事させていただきました。

今回、新品のchurch'sのラスト100。カーフのブラックを購入しました。
とりあえず、30分程履きならし、モヴレイのハイシャインポリッシュの油性(ニュートラル)を塗っていきまいした。
その後、ブラッシング、みがきという工程を行った所、革に白のムラの様な物がうっすらとみえます。
この時の対処法を教えていただければ助かります。

お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
A 白のムラの様な物の正体として、お書きの条件で考えられるのは、固形のクリームに含まれるワックスでしょう。
必要以上に塗りすぎたのと、磨いた際に均一に薄く伸びなかったからでしょう。
作業中は手の体温や磨く際の摩擦で透明に見えていたのが、冬ですから気温が低く、放置した靴の革の表面も冷たくなり、 伸ばしきっていない部分のワックスが肉眼で白く見えるようになったのでしょう。
対処法は簡単で、余分なワックス分をふき取って均一になるよう磨きなおせば良いのですが、 より簡単にするには靴表面を少し温めてから作業を行ってください。
まずブラシで余分なワックスを落とし、布を使ってさらに磨くので大丈夫だと思います。


<白いパンプス、爪先が黒ずんできました>
Q お世話になります。
白いパンプスなのですが、爪先が黒ずんできました。
白がはげて、汚れが着色しているようなんですが、目立たないようにできますか?
また、そのようにならないように、予防する方法はありますか?
A 同様のQ&Aがあるので、そちらをご参照の上
おっしゃるように単純な汚れではなく、つま先部分が何かにぶつかって表面が擦れて傷付き、白い部分がはげてそれが汚れのように見えるのです。
車が傷付いたら、それを防ぐ方法は”ぶつけない”しかありません。
普段、どのような時につま先がどこに当っているか注意深く観察(階段を上る際とか)して、気をつけるしかありません。


<コードバンに防水スプレーは?>
Q 初めてメールさせていただきます。
お尋ねしたいのですが、コードバン(オールデン)の靴に防水スプレーは使用して問題はないのでしょうか?
ケアグッズ専門店でお聞きしてもお店のよって意見が違い、困惑しております。
ケアに絶対の正解は無いと思うのですが、メリット、デメリットをお教え下さい。
以上、宜しくお願い致します。
A はじめまして。
この質問が、質問のための質問でないとしたら、きちんと通常のお手入れをしていただければ、 コードバンに限りませんが防水スプレーは必要ないという見解です。
問題は「何故防水スプレーをわざわざ使うのか?」ということをお考えになられるべきです。


<ステインリムーバー(クリーナー)でシミが・・・>
Q はじめまして。
○○○○と申します。
いつも靴の手入れについて、HPを参考にさせて頂いております。
詳しい情報、ありがとうございます。

先日クロケット&ジョーンズのAintree(色はアンティークタンで、ハンドグレードラインの外羽プレートゥです。)を手入れしている時に、 モウブレイのステインリムーバーを多めに付けてしまい、その部分が少し焼けたようなシミになってしまいました。

そこでご相談というか質問なのですが、
ステインリムーバーでシミになるということは初めての経験だったのですが、良くあることなのでしょうか?
シミを消すとすれば、どのような手段が考えられますか?

ステインリムーバーによるシミについては、Q&Aに事例が無かったため、恐縮ながら、ご質問させて頂きました。
以上2点につきまして、差し支えなければご回答頂けますと幸いです。
宜しくお願い致します。
A はじめまして。
主成分は水ですので、びっしょり雨に濡れる位になれば、同様のことが起こるかもしれませんが、リムーバーだからということではなく通常の雨染みと同様になります。
普通ちょっと多めに使っても、仮に白いシャツにこぼしても、乾けばシミは残りません。

色素は含んでいませんので当たり前ですが。
考えられるとしたら、既に付着していた色素が溶けて付着したか、擦りすぎてぎん面が傷んだか、でしょう。
前者なら、通常の雨染みと同様の処置で目立たなくなる計算になりますが、後者なら手立てはありません。


<バーベキューをしていたら油が散って点々模様のしみが>
Q 薄いキャメル色の革のショートブーツです。
バーベキューをしていたら油が散って点々模様のしみが出来ました。
布で拭いてもやはりとれないし、それならばいっそのこと全部油で拭いて履こうと少しサラダ油でふいてみたら、 あっという間にその箇所が点々模様と同じ色になりました。

すべては消えなくても薄くなる方法はないものかと思っています。
サドルソープなるものの存在もHPを見せていただき初めて知りました。
この場合も、これで洗うことで改善は期待されますか?
お返事よろしくお願いいたします
A まず、シミと言うのは表面の汚れではありませんから、拭いてもなくなりません。
次に水溶性のシミと、油のシミでは、油の場合はやはり落ち難いです。
以前に同様のシミで、革の種類はヌメ(染めていない革)の時は、リグロインという服用の揮発系シミ抜き剤(薬局で買えます)を、 服のシミを抜くように擦るのではなく、何度も押さえるようにして結構きれいになりましたが、 染めてある革の場合は同時に色も抜けるので、その後の処理が難しいかもしれません。


<M.モゥブレィは革ジャンにも効果があるものなのでしょうか>
Q 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
はじめまして、○○と申します。

貴社のHPを興味深く拝読しています。
実は、今回靴ではなく革ジャンについてお伺いしたくメールいたしました。
質問は「M.モゥブレィは革ジャンにも効果があるものなのでしょうか?」革の種類はゴート(山羊)です。
効果を期待しているのは、経年劣化のため本来の黒色がボケてしまいました。
そこで、キリットした黒に復活させ、保護、保革もできるM.モゥブレィを応用するのはどうかと考えた次第です。
お門違いかもしれませんが、ご教示頂ければ幸甚です。
A 製品になった革のケアという意味では、靴も衣類も同様の効果がありますが、大きな問題があって補色を期待する場合、 普通の靴用のクリームでは色移りしてしまうということと、後は匂いでしょうか。
使用する商品は、革の種類によって決まってきますので、ご照会の革の場合、保革という意味では、デリケートクリーム、ソフトナッパスプレーが最適です。
この2種類は無色で匂いもないので、お使いいただけますが、期待されるほどの色の効果はないでしょう。
色で言えばWOLYのファッションレザークリームがそれに当ります。


<靴クリームを別の容器に小分けしたい>
Q 初めまして○○と申します。
HPを度々拝見させて頂いております。

今回はご相談したいことがあり、ご連絡差し上げました。
2ヵ月ほど海外出張に行くことになり、手入れ用に靴クリームを小分けにして持って行こうかと考えております。
現地調達も考えたのですが、売っている場所も分かりませんし、持ち帰る際かさばるかもと思い、下記URLのような容器で持って行こうかと考えております。
http://item.rakuten.co.jp/jfish2/611100/
そこで下記2点ご教示頂けますでしょうか。

1.容器の材質はプラスチックでも問題ないか。
2.問題ない場合、保存可能期間はどれくらいか。

ほとんどの靴クリームがガラス瓶に入っておりますのでガラス製の方が良いかとは存じます。ただし、軽く、落としても割れないので、 問題なければプラスチック製でと考えております。
(今回持って行くのはモゥブレイの黒とブラウンです。)
また、容器に残ったクリームも捨てたくはないので、どの程度の保管期間なら問題ないかも確認したく存じます。

お手数をおかけして恐縮ですが、お答えいただければ幸いです。
A はじめまして。

1.容器の材質はプラスチックでも問題ないか。

問題ありません。


2.問題ない場合、保存可能期間はどれくらいか。

これは気密性の高さによります。
要は水分が蒸発するから固くなって使いづらくなるので、ビンでも密閉具合が悪ければ自ずと短くなります。
今回のケース(2ヶ月という限定)で考えれば、ほぼどんな物でも問題ないのではないでしょうか。
それにTraveling Lightという言葉もあるくらいですから、使い切って容器は現地で処分できるくらいが良いのでは?


<スムースレザーのお手入れ 具体例>
Q 初心者です。よろしくお願いします。
この度購入したダナーのマウンテンライトのメンテナンス用に道具を揃えています。
ブラシは最寄りのロフトで既に購入済みなのですが、触った感じが、 馬毛が豚毛と変わらないくらいに固めに感じます。
この馬毛を埃落とし用として使用する場合、革を傷付けてしまわないか若干不安です。
固めはお勧めできない、柔らかめがよいと言うことであれば、そちらでブラシも今回同時に購入しようかと迷っています。
アドバイスいただけると幸いです!
女性で手も小さいので、あまり大きいものでなくていいかと思い、これらを購入しました。

また、ブラシ以外でも、ダナー・マウンテンライト(赤茶)のケアでアドバイスいただけると助かります。
(例えば、防水スプレーは必要なのか?色落ち防止のためのクリームも使った方がいいのか?など)
どうぞよろしくお願いいたします。

ちゃんと理解できているか、若干不安がありますが、まとめると、最低限必要な手入れ手順と該当商品については、次のような感じでよいものでしょうか?
(対象はダナー・マウンテンライト1(赤茶)←新しいタイプ(焦茶)ではなく旧モデルです。
製造年は分かりませんが、前の持ち主が6年ほど前に新品で購入後、数回使用して保管していたらしい中古のものを入手。
つま先に少しスレや黒いスジがあるくらいで、目立ったダメージはありません。
ひどい乾燥、ひび割れ、色落ちはありませんが、艶がそれほどある状態でもないです。)

革の種類は普通のスムースレザーに準じると思います。

1.汚れ落とし
(モゥブレイ ステインリムーバー)

2.栄養補給
(モゥブレイ デリケートクリーム)

3.補色&艶出し&保護(防水)
(ビーワックスクリーム(ニュートラル)、
または、モゥブレイ シュークリームのレッドブラウン←補色をちゃんとしたい時)

4.防水&艶出し
(ヒマラヤワックススプレー)

※3に防水効果もあるので、通常のタウンユースなら4は省略も可、ただし、しっかり防水したいときは、3のあとに4という理解で合っていますか?
それとも、3は省略して、1→2→4という使い方でもよいのでしょうか?
A よくご理解いただけているようで、それで問題ありませんよ。

ブラシに関しては実際に使ってみたらわかると思いますが、大きい方が使いやすいですが、問題ないレベルでしょう。
毛の固さも同様です、特にアウトドア用の革ですしね。

あえて言えば、こちらではシューケアをお肌のお手入れに例えていますが、お肌のお手入れは毎日欠かさない物だと思いますが、 靴の場合は化粧品と違うところは塗る相手が”自分では新陳代謝しない革”であるために、革の表面(ぎん面)を擦ることにも負荷が掛かる、ということです。
ですから履く度毎回すべてを行うのではなく、そしてリムーバーを使う時もゴシゴシ擦るのではなく、さっと表面を撫でるように拭くだけでツヤがなくなればそれでOKです。
(前回塗った表面のワックスを落とす)
逆にワックスがかかっている間は、濡れ雑巾で汚れを落として乾拭きで問題ないですね。
(車のワックス行った後暫くは、ホースで水を掛けるだけのように)

ですからお手入れの間隔も、必要最低限を良いタイミングで行う、履く度にすべて行うのではなく、 一旦きっちりお手入れしてから暫くは濡れ雑巾で汚れを落として乾拭き、履く前にヒマラヤワックスで防水艶出し、つまり

履いて数回に一度
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1.汚れ落とし
(モゥブレイ ステインリムーバー)

2.栄養補給
(モゥブレイ デリケートクリーム)

3.補色&艶出し&保護(防水)
(ビーワックスクリーム(ニュートラル)、
または、モゥブレイ シュークリームのレッドブラウン←補色をちゃんとしたい時)

4.防水&艶出し
(ヒマラヤワックススプレー)

※3に防水効果もあるので、通常のタウンユースなら4は省略も可、
**************************************************************

その間
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1.濡れ雑巾で汚れを落として乾拭き

2.履く前にヒマラヤワックスで防水艶出し
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というイメージでしょうか。
もちろん既にQ&Aでも訴えておりますが、これがすべてではない、臨機応変に、何が必用で、何故これを行うのかを考えながらご対処ください。

en ここに書かれていない悩みがありましたら、メールでお問い合わせください。 en


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