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〜靴の修理編〜



その他修理に関する質問



<靴修理の適正価格のようなものはあるの?>
Q 修理屋さんによって、同じ修理でも、かなり値段に差があるのですが、やはり高い ほど良いのでしょうか? また、適正価格のようなものは、あるのでしょうか? (女性)
A 大きく分けて、2タイプの店があります。
百貨店やスーパーに入っている大手チェーン修理店と、それ以外です。前者はだ いたい横並びの値段で、そのような店でしか修理をしたことがない人は、街の路面店のような修理屋さんで、驚かれること もあるでしょう。なんせ、半値近いんですから。。。
では、高いほど良いのか? 逆に安いとダメか? というより、お客様が安心を買っている、という要素が大きいと思いま す。結論を言いますと、高い店にも安い店にも、良い店もあれば悪い店もある、ということなのですが、食べ物屋さんのよ うに、おいしい・まずいで差がはっきりとわかれば、安くておいしい店に行くでしょう。ですから、修理屋さんも、そのよ うに選んでもらうことが必要だと思います。周りの評判を聞くのが一番でしょう。
適正価格は、例えばコーヒー1杯の値段が、500円以上は高いとすると、婦人靴(パンプス)のかかとの修理は、100 0円以上だと高いと思います。


<へんこつなおじさんは、やっぱりうまいの?>
Q 近所に、昔から靴修理をしているおじさんがいるのですが、修理をお願いすると、 よく怒られるのです。修理に持って行くのが遅かった私も悪いのでしょうが、この前などは、修理の済んだ靴を、ほとん ど投げるみたいにして返されました。でも、こういう、ちょっとへんこつな人は、腕はいいと思うのですが、どうなんで しょう? (女性)
A 実際にその人に修理をしてもらった靴を見て、あなたはどう思いますか?
その修理屋さんのことは知らないので、僕の経験上の話で言いますと、腕がいいとは限らないと思います。たしかに、技 術職ですので、口数の少ない方はおられますが、上手な方は、決してへんこつということはありません。
なぜなら、へんこつで、人の言うことを聞かない人は、進歩もないからです。


<以前、訪問の修理業者に高額を請求されて…>
Q 半年ほど前のことなのですが、マンションに昼間、「靴の修理をします」という方 が来られて、何足がお願いしたのですが、「いろいろなところを修理したから」と言って、2万円近く請求されました。 そこまでお願いした覚えはないと言ったのですが、だんだん怖くなってきて、結局払ってしまいました。今でも納得でき ないのですが、よくあることなのでしょうか? (女性)
A 同業者として、大変恥ずかしく思います。
ここ数年、特にマンションなどで、そのような話をよく聞きます。はっきり言って、一種のサギ行為に近いのですが、消費 者センターに聞いてみても、法的にはなかなか取り締まることができないそうです。さらに、場所もあちらこちらと、特定 できないので、予測することもできません。
僕が言えるのは、そのような人間はごく一部なので、どうか、靴の修理に対して偏見を持たないでください、ということで す。きちんと店を構えているところなら、そのようなことはありませんので、これからもご利用いただけたら、と思います。


<靴職人になりたいのですが…Part 1> →Part 2
Q はじめまして私は岡山県に住む学生です。
ホームページをみて始めてお便りします。靴に関する質問というのとは、少し違うのですが私は靴の職人の仕事にとても興 味があります。私は靴職人を志望しています。就職を考えるようになって、自分の好きな分野で職人、なかでも靴職人に興 味を持ちました。
好きなことをそのまま仕事にと考えるのは安易かもしれませんが。ただ私には靴職人についての情報があまりありません。 本や雑誌、インターネットなどで調べてみても、十分な情報を得られませんでした。

そこでプロの靴修理屋の方でしたら、いろいろご存知ではないかと思い質問のメールを出しました。
私の聞きたいことは、まず靴の職人さんに会うにはどうすれば良いのか?靴職人として、靴作りだけで生活していけるのか? またほかの職人と同じ様に10代からとか、早い時期から修行を積まなければなれないのか?

  など、まだまだたくさんあります。ただ今の時点では就職について迷っている段階です。長い文になってしまいましたが、 なにかご存知のことがございましたらお教えしていただけませんでしょうか。お忙しいと思いますが宜しくお願いいたします。 (男性)
A 僕は、この職業を天職のように思えてきました。ただ、靴職人ということは、造るほうですよね。それに 関しては、あまり良い状況ではありません。 好きなことを仕事にするのは安易でも何でもなく、僕はあたりまえの事だと思い ます。

問題は、好きなことを仕事にするではなくて、技術があっても生活してゆけない、というところでしょう。たとえば、服の縫製 の達人がいたとして、その人の造った服が飛ぶように売れるかといったら、難しいでしょう。それよりも、タグにCHANELと入っ てさえいれば目玉が飛び出すような値で売れるのを考えてもらえれば、わかると思います。さらに、悲しいことにこの国では、 靴の職人に対する評価は未だに低く、またそれを保護して行こうという環境もありません。ただし、これには僕が思うに職人と いわれる人にも問題があったと思います。職人といえば、徒 弟制度。親方に何年かついて、やっと一人前みたいなもの。ドラマ なんかでも、ちょっと気難しい、すぐに物なんか投げそうなステレオタイプを役者がやりますが、ああいうのをどう思われます か?もし、ああいうのがカッコイイと思っておられるのでしたら、まず喰ってはいけないでしょうから、他の道にお進みになる ことをお勧めいたします。日本の徒弟制度の問題点は、全部ではないでしょうが、上の者の既得権を守りながら、いかに下の者 を使うか、という面が強すぎるところにあると思います。要するに、技術をさっさと教えてしまうと、自分でやっていけるので 独立してしまい、逆に商売がたきになってしまうかもしれないのです。それならば、職人が増えた分だけ顧客を増やせば良いの ではないか、と僕なんかは思うのですが。目が内にばっかり向いていて、もっと外に向ければ道も開けると思うのです。 ただ、そういうのが職人と呼ばれる 人は苦手な分野なんですよね。

前に、行き付けのバーのマスターが元フランス料理のコックで、日本で修行をして、さらにフランスまで行ったとのある人だっ たので、日本のそういう徒弟制度、包丁握るまで何年間は皿洗いみたいなものをどう思うか、聞いてみたことがあります。そう すると、彼が言うには「フランスでは、皿洗いには皿洗いのプロがいて、コックが手が空いたから手伝うというのは逆にその人 の仕事を奪うことになるから絶対にしない。コックとして入ってきたらその日からコックの仕事を教えられる。その方が、合理 的で良いように思うけど、最初からそのように教えられると、1から10のうち3くらいは忘れてしまう。ところが、皿洗いを しながら、盗み見して憶えたものは、絶対に忘れない」と言っていました。僕 も思い当たる点は、あります。

色々書きましたが、もうちょっと具体的な情報を。
靴の全般に関する業界紙として、「シューフィル」という雑誌があります 。リンク集にありますので、ご参照ください。

靴を造る学校
・エスペランサ靴学院(104で調べてください)
・ギルド( 03ー5824ー3280)
・台東分校(東京都がやっている職業訓練校です。104で調べて)
ここを卒業したからといって就職があるとは、限らないのが現状です。
イギリスにコードウィナーズという学校もあります。連絡先はわかりません。

日本で靴の職人さんに出会えるとしたら、関西は、大阪の大国町、関東なら浅草といったところでしょう。

この前にNHKのトップランナーという番組にシューデザイナーの三原君がでていましたが、もしもこれから、靴の製造で関わって行くとしたら、 彼のような方向か、もう一つは、足の健康を重視したドイツのマイスターのような方向くらいしか、生活するという意味では難しいかと思いま す。

できれば、職人よりもプロフェッショナルを目指されることをお勧めします。誰のために仕事をするのかを絶えず視野に入れて欲しいという意 味で。

あまり、おもしろい話しではなかったでしょうが、これが現状です。

知り合いの女性に、靴作りを始めた人がいます。話しを聞いた時は、眉唾だったのすが、合ってみてビックリ、ちゃんとした靴を作っているの です。

きっかけを聞いて、またビックリ。なんと「ケイコとマナブ」に出ていたので半年ほど、通いで学んだそうです。彼女の場合も、作って売るの ではなく、教える方にまわって、収入にするそうです。このように志望者が増えているのも確かなので、新しい何かを期待しているという思い もあります。


<履いていると音がするのですが>
Q あのー、今ほとんど毎日履いてるCloneっていうメーカー(確かスペイン製)のデザートブーツ(クラークスと 似てます)で、最近歩くときに「ギュッギュッ」って音がなりだしまして。よく調べてみたら、左足内側で土踏まずの前側あたりのソールが ちょこっと剥がれていたんですね。で、一応応急処置として接着剤で補修したんですが、それでも治らなくて。どうも貼ってあるソールの、接 着部のほうから音が鳴ってる気がするん です。で、これはソールを丸ごと張り替えたほうがいいのかどうか、迷っ てるんですが…。ひょっと したら根本的に壊れてしまっていて、 買い換えるしか手がないのでしょうか。 (男性)
A 音がするのを何とかしたい。この場合、もっとも難儀なのが原因の究明です。
音がする、「ではこうすれば直ります」というような特効薬がある訳ではありません。
たとえば、グッドイヤーウエルト製法の場合ですと、あえて〃返り〃を良くするためにソールを張り合わせる際に、縫いだけで止めているため に擦れて音がすることがあります。これは、全く問題無いもので、むしろ良い靴の証明でもあります。
音のする原因を突き止めて、それをどうすれば直るのかを決めます。もしかしたら、金槌で叩くだけで直るかも知れないし、オールソール貼り 替えても完治しないかもしれません。
メールを読ませていただいた限りでは、靴はデザートブーツということですから、考えられるとしたら底のゴムの部分は割と接着できっちり付 いていますので、その間にアウトステッチで縫いつけてある部分ではないかと思います。 クラークスには、「シャンク」という、靴の中に入っ ている金属の棒はないのですが、その靴には入っているかも知れませんので、それが擦 れる為かもしれません。
ある程度、リスクを承知で修理するならしていただかないと、100%保証ができないということになりますので、よくご相談されることをお すすめします。


<靴職人になりたいのですが…Part 2>→Part 1
Q はじめまして、私は現在、27才で、東京でOLをしています。
私も以前から"靴職人になりたい"と思っていまして、インターネットで調べているうちに、偶然このHPを拝見しました。
樅山さんは"フス ウント シュー インスティテュート・オーソペディコース"の修了生でいらっしゃるんですね!
実は私、つい先日、某雑誌に掲載されていたこの"オーソペディコース"の講座に大変興味をもち、早速入校案内を取り寄せてみたのですが、 専門コースへ進んでからかかる費用や時間等について、具体的なことが一切書かれていなかったのです。
基礎コースは、有給休暇を駆使すればなんとか通えそうなのですが、専門コースに通うのに、時間的に会社を辞めなければいけないようであ れば、一人暮らしをしている私の場合、生活費の問題も出てくるため、どうしても知りたいのですが、もしよろしければ樅山さんの受講当時 のお話等も含めて、お話をお聞かせ願えませんでしょうか?
また、この資格を取得して、それを職業として生活していけるものなのかということも知りたいので、この資格の将来性、といったお話もお伺 いしたいのですが。
どうぞよろしくお願い致します。


「靴職人になりたいとのことですが、もう少し具体的に、教えていただきたいことがあります。」
「1、なぜ、そのように思われたのか(動機)」

私の場合、今の会社は、正直、望んで入ったわけではなく( 当時の諸事情で…)、1〜2年目は、目の前の仕事 をこなすのに精一杯でしたが、自分や周りの状況が見え始めた頃から、このままでいいのか?と考えるようになりました。
もっと本質的に自分に合っていること、自分が本当にやりたいことってどんなことなんだろう?…と、模索しているうち、"ものづくり" という キーワードに辿り着きました。
私は"手で何かをつくる"ということが、好き、というより、基本になっているようなところがあって、例えば、テーブルが欲しいな、と思ったら、 "どこで買おうか?"ではなく、"どうやったら作れるかな?"と考えてしまうんです。(実際、今このメールを打っているPCの台は、自作の「グラ ンドピアノ型テーブル」なのです。)
何かを作っているときはいつも本当に楽しくて、夜中にふと作りたい物が思い浮かぶと、夢中で作り続けて気がつくと朝になっていた、などと いうことも、子供の頃からよくありました。
それと、人の役に立ちたい、喜ばれたい、ということ。できれば、不特定多数相手よりも、個人対個人のコミュニケーションやサービスができ るようなことがしたい、ということでした。
これらの点からも、靴職人というのは、正に私が探し求めていた仕事なのではないかと感じています。もちろん、"靴"に対しても、以前からい くつかの思いがありました。
自分自身、足のサイズが小さく、幅広、甲高で、ぴったり合う靴がなかなかみつからないということや、また、私は札幌市の出身なのですが、 冬靴の"滑らない底"について、持論のようなものがあり、市販の靴に対していつも不満を感じていたことなどです。


「2、実際に作り手になりたいのか、デザイナーのようになりたいのか。」
デザインにも興味はありますが、基本的には上記の通り、作り手になりたいと思っています。

「3、フス ウント シュー インスティテュートは、コンフォート色が強いのですが、その方面に興味があるのでしょうか。」
以前、義肢装具士にも興味があり、いろいろと調べたり、関係者に相談したりもしたのですが、最低3年間仕事 を辞めて専門学校へ通わなければならず、その間の授業料や生活費はとても私には工面する術が無く、やむなく断念してしまいました。
しかし、その後知った整形外科靴は、脚を失っていないまでも、傷めたりして、歩行上何らかの障害がある方のために作る、という点で、普通 の靴と義肢との中間のような存在、というイメージを持ったのです(ちがうのでしょうか…^^;)
やはり自分の作ったもので人様に喜んでもらえたらどんなに幸せだろうと思うのです。


「4、それで、生活できるようになりたいのでしょうか。」
私は転職を希望していますが、そのことに家族は大反対しており、もし実現させるとすると、家族の意見を押 し切って、ということになります。ですから経済的な援助を家族に求める訳にはいきません。
また、家族やいろいろな人に迷惑や心配をかけてまで夢や希望を職業にしようとするなら、立できないようであればやるべきではないと思って いるのです。
半分"強がり" かもしれませんが…。長くなってしまいましたが、以上のようなお返事でよろしいでしょうか?
改めまして、どうぞよろしくお願い致します。(女性)
A それでは、ご照会の件に関して以下のように書かせていただきます。
1、メールのご質問に関する情報
2、お役に立ちそうな僕の経験談
3、オーソペディに関する他の施設
4、現在の靴業界のあれこれ
5、貴嬢の様な方に望むこと、メールを読ませていただいて・・・
(1) 「樅山さんは"フス ウント シュー インスティテュート・オーソペディコース"の修了生で いらっしゃるんですね!」
>>もう5年ほど前のことですが(就職されたころでしょうか、どこかで すれ違ってるかも知れませんね)、通っておりました。
「入校案内を取り寄せてみたのですが、専門コースへ進んでからかかる費 用や時間等について、具体的なこと が一切書かれていなかったのです。」
>>僕が通っていた頃とはかなり内容的にも充実して、細分化されている ようです。問い合わせてみましたので、ご参考までに。大きく4つ のコースがあります。
・オーソペディー
・コンフォートセールス(文字通りフィッティングを含めた売り方。どち らかと言うとショップ対応)
・フスフレーゲ(フットエステ)
・リフクソロジー(フットマッサージ)
まずどれに通うにも「基礎講座」 というカリキュラムを受けなければならないようです。
4日間で9万300円
そこで初めて専門分野のコースに進むわけですが、オーソペディの場合
*プレップ(予習) 5日間10万800円
*プロフェッショナル(専攻)
・ステップ1が3日間のコースを3回各11万5500円
・ステップ2がやはり3日間のコースを3回値段聞き忘れましたがこの様 子ですと各12万位でしょう。
・ステップ3が同じく3日間のコースを3回 13万位?
「基礎コースは、有給休暇を駆使すればなんとか通えそうなのですが、専 門コースに通うのに、時間的に会 社を辞めなければいけないようであれば、一人暮らしをしている私の場合、生活費の問題も出てくるため、どうし ても知りたいのです」
>>専門コースも年に4回から2回の割で各3日というスケジュールです から、何年かかけてなら、会社を辞めずに通うことは可能でしょう。
(2) 「もしよろしければ樅山さんの受講当時のお話等も含めて、お話をお聞かせ願えませんでしょうか? この資格を取得して、それを職業として生活していけるものなのかという ことも知りたいので、この資格の将来性、といったお話もお伺いした いのですが 。」
>>僕が通っていたときは今のスケジュールをギュッと凝集したような感 じでしょう。 ただ、靴の修理をやっておりましたので、実技に関し ては教えるほうにま わってました。(笑) ドイツ人マイスターによる授業で(もちろん通訳付き)、とても丁寧にア ットホームな感じで(ま だ先生も慣れてらっしゃらないせいもあったでし ょう)、最後は時間が足りなくて、いつも授業時間を過ぎてもやってくだ さってました。
受講生も皆さん目的を持って集まって来られてましたので(一部そうでな い会社からしょうがなく行かされてるみたいな人も)、真剣さは学生 時代のものとは違いましたね。 ただ、質疑とかになると皆さん社会人として出る釘にはならないようにしつけられたのか、おとなしい方が多か ったです。(笑)
それと僕の一番の 違いは、普段からお客様に靴の相談(フィッティング)を受けて試行錯誤してましたので、聞きたいポイントがはっきりして いた、というのが大き いでしょう。
資格に関しては、この学校独自のものですので、どれほど有利かはちょっ と疑問です。 生活できるかなどは、後の方に書かせていただきます。
(3) 関西では神戸医療福祉専門学校 三田校というのができました。神戸にあるアリスの靴という店(おそらく日本で一番最初にドイツの オーソペディ ーを持ち込んだところです)
オーナーのクリスチャン アリスさん が発起人で設立されました。
兵庫県 三田市 福島501ー85
TEL0795ー63 ー1222
ここは、何年か通うことが前提ですので、会社は辞めなくてはなりません。
他には名古屋に「足と靴の研究所」というところがございます。あまり詳 しくは知らないのですが、フスウントシューインスティテュート と 同じようなものだと思います。 それからオーソペディーではない靴作りの学校に関しては、Q&Aにもありますし、リンク集にある〃シュー フィルweb〃の中に詳しく 載ってます。
(4) やはりブランド強し、ですね。 それから、それらのデザインにインスパイアされる形で、ヒールの形など履きやすさや、修理のことな どおかまい無しに次々と新しいものが出てきます。
それから〃健康〃をキーワードにした靴、コンフォートシューズというの も市民権を得てきましたし、専門のショップも増えました。フスウン トシュー インスティテュートで扱うのは、この分野です。ただし、デ ザイン的にヒールの無いウォーキングシューズのようなものがほとんど で、外反母趾で悩んでいる方がここに行き着きます。経験上悩んでおられる 方は、細みのパンプスを履いた際に痛みを感じるので、履きたくて もパンプスが履けないが日常生活には支障はない、とうものです。ですから、コ ンフォートシューズを履くのは多少の矯正力は期待できますが、 パンプスを履きたいという問題の解決には矛盾も感じます。靴作りもちょっとした ブームです。
それを教える学校が増えたし、また定員も常に一杯の状態です。ただ、ど ちらかと言いますと、デザインに懲りたい人が多いように思います。
たま たま昨日イタリアの製靴の学校に行っていた友人と一緒だったので貴嬢の 話しをしたら、向うでも日本人女性の生徒が何人かいて、奇抜 なデザイン をする生徒が多い中、一人オーソドックスな履きやすいデザインをしてい た女性がイタリアのメーカーに採用されたそうです。
神戸の長田のような ケミカル中心のどちらかと言いますと、デザインを真似て安く作って売る というところは、中国などの安い労働力に押されて、方向転換を余儀なく されています。そして、まさにこれに対する答えが、貴嬢のような方 の出現だと思ってい るのですが・・・。
というわけで(5)です。
先日NHKテレビで放映されたNHKスペシャル「常識を打ち破れ ・脱・大量生産の工場改革」という番組はご覧になられていないでしょう か。 ビックリしました、というより目からうろこが落ちる、とはまさにこのこ とだと思うのですが、ある意味で痛快でもありました。
20世紀の常識で もある大量生産の仕組み、ベルトコンベアでの流れ作業を止めて、一人で一から十まで作ってしまう、多能工を育てることに より、逆に能率が上が ってしまうというという、とてつもないものでした。紹介されていたのは、既に成功した例で、でかいコピー機の製作を 今までは20人くらいの分 業で行っていたのを〃一人屋台〃という女性工員の回りにすべてのパーツを揃えて、組み立てていくのです。最初は 慣れるまで能率は落ちるのです が、すぐに憶えて、さらに自分の工夫や努力が反映される(分業のときは一人が努力をしても無駄だった)ため にどんどん早くなって、ついには分 業で行っていたときよりもはるかに早く作り上げる工員が出てきたんですね。 もう、顔付きが違う、実に 楽しそうにやっているのです。そしてそのような工員には社内マイスターという称号を与えて、給料もアップして、おま けに作った機械に自分 の名前をサインするという・・・「これを使うお客様に大事に使って欲しい」という言葉が印象的でした。
僕自身、仕事をし ながら近代化されていないという思いがどこかにあって、仕事柄仕方がないものだと思っていたのですが、実はこれが一番能 率がよかったなんて、 痛快でしたね。
このビデオお貸ししますから、どうぞご両親にお見せになられたらいかが でしょう。(笑) ただし決して派手な仕事ではありません。どちら かというと、山奥でひと り炭焼きをするみたいな作業です。しかし、その炭が一流であれば、全国の料理屋さんから必要とされる充実 感は、 決して普通の仕事では味わえるものではないでしょう。
実際にQ&A の「関西のオーダー靴」で紹介しております中岡さんは、全国からお客様が来られて、しかも一生のお付き合いになるんです、 とおっしゃられてま した。そのためには、デザインだけではなく、貴嬢が書かれてますように、その 人に合った履きやすさを重視した靴作り が大事です。そして、僕が期待するのは、パンプスは女性の手によって作られるべきだと思うのです。
履い たことのない男性がいくら理論を振りかざしても、かないませんからね。既成の靴で合わなくて悩んでおられる方は、たくさんおられます。 装具靴までいかなくても、ちょっとした左右のサイズ違いや、細い太い、それらをうまくカバーできるデザインの靴というのは、作る価値のあ るものだと 思います。
相場は、婦人靴で7万円、紳士靴で10万円くらいでしょうか。メールを 読ませていただいた限り、才能もお持ちだと思います。
是非、〃滑らない 底〃の持論は、お聞かせ下さい。参考にさせていただきます。それには、ラスト(木型)をマスターすることが鍵でしょう。 ただし、それを教えて くれるところはありません。(職人さんに直に聞く以外は)僕が提案したいのは、貴嬢ならまず見よう見まねで、作って みることです。
作り方は、リンクにある「革靴職人」さんのサイトにもあるし、メーカーが使ってい た教材や材料などはこちらからあまったものでよければ、 差し上げます。そして、履いてみて、自分でわからないところを、チェックする。学校に 行くのは、それからでも遅くないと思うし、その方 が身に付き方が違うと 思います。 そして、わからないことがあれば、お気軽にご相談ください。
僕でわかる ことは、お教えしますし、わかりそうな人を紹介することも可能です。た だ、関東ですとやはり浅草あたりでいろんな所に顔を出 しておくというこ とも必要でしょう。
長くなりましたが、こんなところでいかがでしょうか。
勝手なことばかり 申しましたが、お役に立てば幸いです。


<インソールを作る仕事がしたいのですが・・・>
Q はじめまして。靴の事を調べているとこちらのホームページを見つけました。
靴に詳しい友人などもいないので、相談にのっていただきたいのです。
僕は靴のインソールの事についての質問なのですが、靴とインソー ルとはどうゆう関係になるのでしょうか?またインソ ールにも手作りなどがあり職人の方というのもいらっしゃらるそうなのですが、どうなのでしょうか?
インソールを作る仕事がしたいと思っているのですが、どの様な方法がありますか?学校とかあるのでしょうか?
突然ですが、よろしくお願いいたします。(男性)
A 「靴とインソールとはどうゆう関係になるのでしょうか?」
>>正確に言いますと、インソールとは〃中底〃のことを指しまして、おっしゃっているソールは〃イン ナーソール〃もしくはドイツ語で〃アインラーゲン〃日本語で「足底板」と申します。
スニーカー等にもカップインソールというのが入っていますが、このように本来の靴の構造的な部分に色々な衝撃吸収材な どの発達から、それらを利用して付加価値を付けているといったところでしょうか(足に優しくなっている)。
さらにそれを高めた手法が、ドイツのマイスターが行っているオーソペディーというもので、アインラーゲンを利用して整 形外科的観点から、足にトラブルを持った方への衝撃緩和、さらには凹凸を付けることにより矯正までをも視野に入れたも のです。
そのために靴も普通の靴では対応できなくて(アインラーゲンが入る空間的余裕が必要)、コンフォートシューズと呼ばれ る予め既成のアインラーゲンが挿入された靴で行われます(そのアインラーゲンを加工する)。ですから、普段履いている ビジネスシューズやパンプスには利用できないのが難しいところです。


「またインソールにも手作りなどがあり職人の方というのもいらっしゃらるそうなのです が、どうなのでしょうか?」
>>おそらく、そのアインラーゲンをオーダーで作る人のことでしょう。
職人と言うよりは、ドイツのマイスターの手法です。コンフォートシューズを扱う店では、大かれ少なかれ、行っているは ずです。


「インソールを作る仕事がしたいと思っているのですが、どの様な方法がありますか? 学校とかあるのでしょうか?」
>>僕が通っておりました「フス ウント シュー インスティテュート(03-3843-6561)は、まさにそのた めの学校です(オーソペディーコース)。そこからマイスターの先生が書かれた本も出ております(リンク集にある〃シュ ーフィルweb"の中に紹介されてます)
関西では三田市に専門学校が設立されました。
神戸医療福祉専門学校 三田校 0795-63-1222
以下は、実際にそれを行っている店のHPです。
『ROOM-9・西山靴研究所』のインターネットホームページです。
http://www.osk.3web.ne.jp/~nishiyan/index.html


<製造元に修理を依頼したいのですが>
Q デパートでサンプル品としてでていた婦人靴を購入しましたが、飼い犬に甲の部分 のストラップを噛みきられてしま いました。デパートへ持ち込み修理の可能性を探りましたが、サンプル品のため、難し いとの回答でした。
あいにく購入時の箱も処分してしまった為、製造業者もわかりません。唯一、ブランド名がわかり、メイドインジャパンと 表示がありますので、もし全国製靴協同組合電話番号でもわかれ ば、ブランドネームから製造業者が探し出せるかと思っ ています。
実はこの靴は購入したばかりで、一二度しか履いていないので購入金額の高い安いではなく、もったいないので修理 して履きたいと思ってい ます。そんなワケで、デパートでは新しく買ったほうが良いような雰囲気だったのですが、でき れば修理したいと思っています。
もちろん市内にも電話帳で見る限り数多くの修理業者さんはあるようですが、もし製造元がわかればそれに越した事はない と思っています。製造元の特定はブランド名からは不可能でしょうか?
もしダメな場合は市内で当たってみるつもりですが、如何なものでしょうか。アドバイスお願いいたします。(女性)
A 修理を依頼したいので、製造元をお知りになりたい、ということですね。
ほぼ100%の確率で、無駄な努力に終わるでしょう。何故かと言いますと、メーカーはまずそのような対応は一切行っていないのが普通です。
対応しているとしても、製造元で直すのではなく、修理業者に委託するという仕組みです(こちらでも某超有名ブランドのオールソール張替を やらせていただいております)。
メーカーは、靴を作る際に如何にロスを出さないか、ということに命を懸けています(あるデザインの靴を作る為に必要最小限の革を仕入れて、 使い切る)。
ですから、電家製品や車のように部品などを余分に保管しておくというようなことはありません。
ましてや、サンプル品となりますと、なおさらです。もし修理をするとなると、その革の種類や色目を合わせるため、最低でも畳半畳程の革を 仕入れねばなりません。運良く端切れで同じような革が合ったとしても、サンダルのストラップとなりますと、おそらくその靴のラスト(木型) が必要です。
このような理由から可能性としては、修理のお店にあたられたほうが、まだ望みがあるかもしれませんが、難しいです。ちなみに、製造元を知 りたければ、買われた百貨店にお聞きになられるのが一番でしょう。
お力になれなくて申し訳ありませんが、こんなところです。


<今まで修理で良い思いをしたことがなく、躊躇しています>
Q こんにちは。
靴の修理についてを探してたら、余りにも詳しいホームページの存在にびっくりしています。
歩き方が悪いせいか、鈍感なせいか、よく靴を傷めてしまいます。今も、去年お気に入りでよく履いていたサンダルの細いひも(甲の部分)が 外れており、今年はまだ履けないでいます。今まで色々靴をなおしてきましたが、余り良い思いをしたことがないので、修理に持っていくのに 躊躇しています。
現在京都市に住んでいるのですが、信頼のおける修理屋さんを御存知でしたらお教え願えないでしょうか?
宜しくお願いします。(女性)
A 結論から申しますと、残念ながら京都に知っている修理の店はありません。
ですが、それ以外で少しでもお役に立てばと説明させていただきます。


〃今まで色々靴をなおしてきましたが、余り良い思いをしたことがないので、修理に持っていくのに躊躇して います。〃
>>耳が痛いです。(笑)
これは、僕自身とても機具を感じていることです。単純に修理したかったのにできなかった、というのではこのような表現にはならないでしょう。 それには次のようなことが背景にあると思います。

(1)お客様のお考えになられている修理のイメージ(実際に直す事以外に、どのような修理が出来るか等)と、修理する側のギャップ。
(2)修理する側が、妙にエラソーである。

(1)に関しましては、一応修理という看板は出しておりますが、基本的には〃リペア〃(減ったところを直す)である、ということです。た とえば、ご照会のサンダルのストラップの修理、外れただけで止め直せるものなら、それほど問題ございません。しかし、外れたのではなく、 切れてしまっていたり(たまに犬が噛み切ったというものもございます)すると、簡単にはいかないのが現状です。
オブジェのように飾っておくものなら、簡単ですが、靴である以上履いて歩くわけですから、それなりの負荷に耐えるだけの強度、見た目の良 さが要求されます。
ですからストラップの場合ですと、切れてしまっている場合は、その1本を作り直すということが必要になってきます(細ければなおさら)。
その時に必要な材料(革の色、厚み)と道具(ミシンも修理で使っているものとは違います)はないのが普通です。
このあたりは、修理する側の企業努力が必要かと思います。しかし、もうひとつの側面もございまして、サンダルは元々構造的に弱い、従って 長距離を歩くものではない、ということです。流行りでそのようなことになるのでしょうが、たとえば外国でミュールで歩き回っている女性は 皆無です。
それにミュールは歩きにくい、ペタペタ音がする、等聞きますが、あたりまえで、このあたりは履く側の靴に対する考え方も、見直すべき点が あるかと思います。

(2)に関しましては、僕も何故あんなにエラソーなんだろう? と思うことがたまにあります。
別に媚びる必要はないと思いますが、威張る必要もないでしょう。結局は〃接客〃という概念が欠けているのではないかと思います(それとも、 その方が職人らしいとでも思っているのでしょう)。
この様な答えで、満足していただけるとは思いませんが、靴の修理のインフォームド コンセントを目指して努力はしておりますので、今後も 宜しくお願いいたします。


<靴のサイズを小さくできますか>
Q 質問をさせて頂きたいのですが、靴の修理という訳でもないのですが、サイズの変更をして頂けるのでしょ うか?可能の場合料金はどれくらいになるのでしょうか?

以下は駄文です。
私は、7年位前からJohnston&Murphyというアメリカの靴屋さんのファンになりました。現在はリーガルが日本の代理店のようですが、当時は バブルの名残もあってかとても私には手のでない値段で売られていました。そこで、アメリカから、かれこれ10数足の靴を輸入し現在に至っ ております。特にアリストシリーズというラインが気に入っており7、8足アリストシリーズを購入しています。
ところが、同じアリストシリーズ(私が購入したのは全てノーリースのスリッポンです。)なのに最後に購入した1年半ほど前の物は何故か私 にはサイズが大きすぎました。それ以前に何の気なしに同社のインナーソールを購入していたので、それを敷いて何度か履きましたがやはりサ イズが合わず現在は箱に入ったままです。
この間、思い出したようにサイズを縮小してくれる靴屋さんを捜したりしましたが、私も修理(そこの張り替えや染め直し)で良い思い出がな いので今まで躊躇しておりました。
話が長くなり申し訳ありません。そんな思いの中、貴サイトにたどり着きましたので、思い切ってメールさせて頂きました。お忙しいとは存じ ますが返信頂ければ幸甚です。(男性)
A 修理であまりよい思いをしたことがない、という貴殿に、追い討ちをかけるようですが、結論から申しますと、サイズを変更す ることはできません。

簡単にできるようなら、元からサイズ別に作る必要もないでしょう。特にこの分野は、少し勉強させていただいておりますので、きびしいで す。
幾つか理由がございますが、まずどこかを一箇所縮めれば済む、というものではない、ということです。
Q&A足と靴編「フィッティングの基本的なこと Part1〜2」をお読みいただければ、 わかるかと思いますが、厳密に言えばすべてのパーツを少しずつ縮めなければ、意味がありません。車をトランクの部分を小さくして、車長を 短くするのとは違い、車のすべてのパーツを少しずつ小さくして、すべてのバランスは変えずに小さくするような、工程が必要です。
もしかしたら、物理的には可能かも知れませんが、新しい靴が5足は買えるでしょう。
さらに、靴は吊り込みというラスト(木型)を使ってあの形を作ります。
ですので、専用のラストが必要です。これだけでも、新しい靴が1足は買えます。
妥協策として、中敷きを入れたりしますが、あまりお勧めのできるものでは、ありません。
そのくらい靴のフィッティングは、難しく大事であるということです。これだけは、日本の生活習慣や靴のそのような基本的なことを教わる機 会がないので、仕方ないかも知れませんが、ブランドやデザインより、もっとこの部分にはこだわっていただきたく思います。特に、紐によっ て調節の効かないスリッポンタイプなら、なおさらです。
既に所有している靴と同じメーカー、同じデザインなら、通販もある程度は大丈夫でしょうが、やはり試し履きができるところをお勧めいたし ます。

あまりお役には立てませんが、こんなところです。


<靴の製法の見分け方>
Q 私はガエルネ社のインテグラルシューズNO.145を使用しています。
この靴の作りは、リバースステッチグッドイヤーウェルト製法とかいてあるのですが、靴の製法は何種類ぐらいあるのですか?
また、現在売られている靴の製法を詳しく教えてください。それと、どうゆうふうにしたら、見て、例えば「あっ、この靴はグ ッドイヤーウェルト製法だ!」とわかるのですか?
聞いた話だとグッドイヤーウェルト製法に見せかけた靴もあるそうなので、素人には区別がつきません。
靴が大好きなので、宜しくお願い致します。(男性)
A 詳しい説明や図解などは、こちらの主旨でもありませんし、他の靴好きさんのサイトで紹介されてますので 割愛させていただいて、ここでは見分け方のポイントを。

普通オックスフォード型短靴で、みられるのは、グッドイヤーウェルト、マッケイ、セメント、ノルベジェーゼ、ステッチダウン、 ブラックラピドくらいでしょう。

(A)まず、見た目に

・コバの張り出したタイプ→(B)の項目へ
・コバの張り出していないタイプ→マッケイかセメント

次に靴の中を覗いて

・中底に縫目が見える→マッケイ
・中底に縫目なし→セメント

(B)コバが張り出したタイプ 靴の中を覗いて

・縫目がある→マッケイかブラックラピド。

この見分け方は、ソールの縫目がそのまま中底の縫目になっていたら、マッケイ。
ソールの縫目がアウトステッチでウェルト部分に掛かっていたら、ブラックラピドです。
ソールの縫目の位置で(内寄りならマッケイ)、判断してください。

・縫目が無い

→ソール(靴底)に縫目が無ければ、セメント。(チャネル仕上げのように、縫目が隠れている場合もあるので、注意)

→ソールに縫目があれば、グッドイヤーかステッチダウン

この見分け方は、アッパーがコバに巻き込まれるように縫ってあれば(コバを横から見てアッパーの断面が見える)、ステッチダウンです。


ノルベジェーゼは、少ないのでまずあの形、あとは値段とブランドで判断してください。
安いのは、ウェルトは飾りでセメントやマッケイの場合があります。


<スニーカー全般に関して>
Q 修理屋 樅山さま
はじめまして。
突然のメールで失礼いたします。
私は、「POPEYE」という雑誌で取材を担当しております。実は、修理屋さまにお願いしたいことがあり、ご連絡いたしました。
※POPEYEは、20〜25歳のオシャレ好きな男性がメイン読者のファッション系ニュース雑誌です(隔週発売/全国誌)。
このたび、当誌の621号(11/12発売)にて、「この秋注目のスニーカー大全(仮)」と題して、様々なスニーカーを紹介す る特集を企画しております。
この中で「正しいスニーカーの手入れ・虎の巻(仮)」という2ページの企画を考えておりまして、スニーカーを履く前のプ レケアから日頃のお手入れ方、簡単なリペアまで解説していこうと考えております。
靴のお手入れに詳しい方を探していたのですが、御社のHPを拝見したところ、まさに今回の企画にピッタリの内容だったた め、ぜひ当誌の取材にご協力いただけないかと思い、ご連絡した次第です。
遠方のため、現地まで赴くことができないのですが、お電話(またはメール)にていろいろお話をお聞かせいただければ幸いです。
取材の詳細は以下の通りです。
取材日:なるだけ早い日程
(可能なら本日にでもお時間をいただけると助かります)
取材時間:30〜40分
取材方法:インタビュー
(内容は、履く前のプレケア/普段のお手入れ/長期間保存のお手入れ/簡単なリペアの方法、になります。
メインは、HPの内容を参考にさせていただこうと思っていますが、 さらに追加事項(例.お手入れグッズの中でも最近注目のメーカー、 「これだけはあると便利」的なグッズなど)があれば、ぜひお話いただけるとありがたいと思っております。
よろしければ、ぜひご協力いただければ幸いです。 その他、何か疑問・不明な点などございましたら、知井までご連絡いただければ幸いです。
では、なにとぞ前向きにご検討いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(マガジンハウス POPEYE編集部)
A こんにちは。
この度は、ご連絡ありがとうございます。
昼間のお電話では、バタバタしておりまして失礼致しました。
まず、お電話でちょっとお話ししました、ご本人がランナーで、その手の靴修理を専門で立ち上げるという方の連絡先です。 後楽園の近所だと伺っております。
「SHOE SUPPORT」 TELは 03- 5261-1277
  e-mail :shoe-support42.195@nifty.com
  http://homepage2.nifty.com/shoe-support/
それから、色々な強者がおりまして、靴の簡単なクリーニングを知り合いのクリーニング屋さんから溶剤を分けてもらったり して、やっているものもいます。
「大阪府枚方市岡本町8−18高崎マンション102号
   靴・かばん・その他修理・合鍵
        かわごし
   (072)843−1117」

スニーカーは修理するものにとっては、鬼門でして、単純に心地よく履ける靴として、履いて減ったりしたものを減った部分 を補修するということは、ある程度可能なのですが、そこにファッション性の比重が高まり、色や素材、エアーまでが登場す ると、お手上げです。
それに履きやすさを追求したタイプは、アシックスのウォーキング事業部にいる友人に言わすと
「スポーツシューズの修理には、バイオメカニクス、人間工学の知識、技術が必要で、アウトソール(一番底)ミッドソール は、靴の製法と工程上、修理対応していない。また、パーツのラバーの配合、加工技術などは社外秘に価するもの。それに、 コストが一番高い部分でもあるので、修理で利益を出すのも困難 」とか。
技術面だけを言うと、たとえば〃使い切りカメラ〃というものがありますが、コストを考えずに、修理したくてもあれは出来 ないでしょう(バラせない)。
これに近いですね。
お手入れに関しては、本当に色々な種類の革を使うようになったので、それはそれなりにプレケア、通常の革靴と同様のお手 入れなどをする必要が出てくるのですが、スニーカーという靴の性格とあまりそぐわないものが出てきているので、大変でしょ う(ソフトレザー等)。
あと、詳しいことはお電話でお答えさせていただくということで、よろしいでしょうか。
上記のような具合ですので、紹介くださるのは大変嬉しいのですが、できれば〃役に立ちそうなこんなサイトもありますよ〃く らいでお願いできたらと思っております。

それから、おそらくお調べになられているでしょうが、こんなサイトもあります。
革製品ケアと足のお悩み解決室
http://www.happyvalue.com/sisaccs/index.htm
僕が主に扱っている商品は、英国製のものが中心で、上記のサイトではドイツ製のコロニルというメーカーを扱っております。 コロニルさんも世界的に有名な製品で、優れた商品もあるかと思います。ただ、僕は普段使っていないので、ご紹介できないと いうことです。
あまり前向きなことが書けずに、申し訳ございませんが、魔法を使うわけではございませんので、何卒宜しくお願いいたします。
それでは、御社のますますのご発展、ご活躍をお祈りしております。


<修理してもらった靴、汚れがついているのですが>
Q こんにちは。
初めてメールいたします、××××と申します。

靴について悩んでいて、Webでいろいろ調べてみていたところ、このような便利なサイトを見つけましたので、思わず質問を お送りしてしまった次第です。
靴の修理を行われている立場の方からの、客観的なご意見がお伺いできれば幸いです。よろしくお願いいたします。
** ** ** **
先日、インポートの靴を購入しました。
・ 表革、ピンクベージュ
・ 黒のレザーソール
・ 約5センチのヒールのパンプス
というものです。
レザーソールは傷んでしまいやすい&滑りやすいため、ゴム底を貼る作業を、さるチェーンの靴修理業者さんに依頼しました。
仕上がってきたものを確認したところ、ゴム底の仕上がりは問題なかったのですが、底に近い部分が全体的に黒ずんでしまっていました。
その業者さんに電話でクレームを入れたところ、

黒いゴムを貼り、ゴムを靴に合わせて削る過程で、どうしても汚れがついてしまう。
汚れがつかないように何かをはってカバーして行うことも手段としてはあると思うが、革をいためる 可能性があるので実施しなかった。
いちどついてしまったので、取り除くのは困難。お持ちいただければ、磨くなどの対応は行う。
ということでした。
新品の靴を、大事にはきたいと思ってとった行動が裏目にでてしまったような感じで、非常に後悔しています。
そこで、以下がご質問です。
@ 一般的に、このようなゴム底を貼る作業ではある程度の汚れは覚悟するべきなのか?
A この汚れを取り除く手段はあるのか?
どちらにしても、もし汚れてしまう可能性があるのであれば、はじめにお預けした時点でそう いった恐れがあることを言っていただければよかったのに・・と思うと、非常に残念なのですが・・。(女性)
A はじめまして。
丁寧に書いてくださっって、とてもわかりやすく、お人柄、頭の良さが伝わって参ります。

こればっかりは、見てみないとはっきりとしたことが申せませんが、貴嬢がそのように感じられたのなら、クレームに価するでしょう。
確かに、修理をしていて、多少のそのようなことは起こり得ることです。
しかし程度問題で、新品の靴の前にゴムを張る場合は、特にそこを気を付けなくてはならない部分です。特に色の薄い場合等。 それを怠っているということは、手を抜いているとしか思えません。削る際に汚れるとしたら、下手なだけです。おそらく、 機械によるブラシ掛けで色を付けたために、はみ出しているのでしょう。
一番確かなのは、そのチェーン店が、百貨店等にあるのなら、そちらに言えばよいでしょう。(百貨店のお客様相談室のよう なところ)このメールをプリントアウトして、見せていただいても結構です。僕が直接お話ししても構いませんよ。


<靴の修理の仕事がしたいと相談を受けたのですが>
Q はじめまして。
ホームページを興味深く拝見させていただきました。九州の宮崎で細々と手縫いの鞄職人をやっている◯◯◯と申します。
じつは先日,靴修理の仕事がしたいけどどうやったらなれるのかという相談を受けました。 うちは自分の作ったもの意外は基本的に修理を受け付けていませんし,そちらの業界のことに詳しいわけでもなく,いいアド バイスができませんでした。
その方はある修理屋さんが技術を教えてくださるということで話を聞きにいかれたところ,一週間の研修で100万円の講習料だ と言われたそうです。
(機械代も含めてだそうです)
ただし,その修理屋さんのエリアである◯◯市内での営業活動は一切禁止だそうです。一週間で技術が身に着くという話を鵜呑 みにしていいものだろうかとご本人は不安に思っておられ,かといって他に技術を教えてくださる方もいないので困って何か情 報はないものかと,うちに来られたそうです。
自分なら100万円あったら靴職人の学校にでも行くのになんて思いながらも,せっかく相談に見えたので何か力になれないか と思い,インターネットで検索していて,貴社のサイトに出会ったという訳です。ぶしつけなメールで申し訳ないのですが,上 記の話は修理屋さんの業界では一般的なものなのでしょうか?
また他にもこの業種に進む実際的な手段があるのでしょうか?もし,差し支えなければお時間のあるときにでもお返事をいただ ければ嬉しく思います。
では,突然のメールを重ねてお詫びします。
PS:とても美しく興味深いホームページだったので,ブックマークさせていただきました。これからも時々拝見いたします。 (男性)
A 結論から申しますと、お勧めできるものではありません。機械代を含めてということなら、機械にもよりま すが、機械代だけで100万するものもあります。
ただ想像するに、同じようにそこで講習を受けた方が店を出して、閉めざるを得なくなった機械を使い回している可能性大です。 この手の商売が流行っています(鍵とか)。
鞄を作っておられるなら、おわかりですよね。技術というものがどのようにして身につくか。
どのようにして、靴の修理屋さんになるかも、貴方のご経験と同じでしょう。
具体的に言いますと、王道は何処かに勤めて→独立というパターンでしょうね。
ただ、普通に募集しているところは、大手のチェーン店系が多いですから、技術的には知れています。そば屋に例えると、立ち 食いのそば屋のレベルです。
それでも喰えていた時期もあるのですが、今はとてもそれではやっていけないでしょう。
そこから、さらに学ぶ気があるかどうかが、鍵です。これは、本人次第ですので、実際に頭を打たないとわからない者もいますし、 そこで挫折してしまうのがほとんどでしょう。
なんでもそうでしょうが、その仕事なり扱う商品に興味(愛と言っても良いかも)がないと、難しいでしょうね。
それからもう一つ、これは独立して店をするならあたりまえですが、技術を売りますが、あくまでも接客業である、ということで す。接客ができなければ、まずそちらを学ぶべきでしょうね。ざっとこんな感じですが、◯◯◯様がご自分の経験を話されるのが、 一番役に立つと思います。
文章から、◯◯◯様のお人柄が伝わってまいります。作品、拝見したいです。
web上では見られないでしょうか?
お仕事大変でしょうが、がんばってください。間に合えばよいのですが・・・。


<オールソール張替以外の修理を宅配でお願いしたいのですが>
Q こんにちは。
昨年11月にビブラムソールのカカトの修理について、お尋ねした◯◯◯と申します。
その節は、大変お世話になりました。文末に、そのときのメールを引用致します。
今回は、修理をお願いできるかどうかお伺いしたいと思いまして、メール差し上げました。前回お尋ねしたビブラムソールのカカト が片減りしてきました。凹凸のある層があと少し残っている段階です。樅山さんのサイトの「オールソール修理受付」のページを拝 見すると、「この中で紹介しております修理に限り、宅配による受付をさせて頂きます」とあります。
私の場合は、カカトまたは片減りしている部分のみの修理ですが、宅配で受け付けていただけるでしょうか?
お手数をおかけして恐縮ですが、お知らせいただければ幸いです。 (女性)
A お元気ですか。
購入された靴の調子はいかがでしょうか。僕のアドバイスは間違っていなかったでしょうか。

さて、修理そのものに関するお問い合わせ、大変嬉しいのですが、かかとだけの修理でしたらお近くの修理のお店でも十分 に対応してくれると思いますし、費用的にも1000円前後かと思います。それに送料(往復)を、お掛けになられるのは、 ちょっとどうかと思います。
修理の宅配での受け付けを限らせていただいているのは、対面で靴を見せていただかないと難しい面もあるからです。それ から最近は、お蔭様でちょっと手一杯の状態でして、対応に物理的な限界もあります。
ですから、現在行っている修理の受け付けもある程度のお客様の数になった時点で、打ち切ろうと思っております。

皆さんに修理というものを、もっと身近に思ってもらって、気兼ねなく靴を長く履いてもらいたい、と言う主旨でサイトを 運営しております。
お店で「この素材は、減りが早かったので、かかとの部分だけ普通のゴム製にしたいのですが、裏のデザインは変っても構 いませんから」とオーダーされたらよいでしょう。
申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。


=Q′=
早速お返事をいただきまして、ありがとうございます。
アドバイスをいただいたおかげで、よい判断ができました。ありがとうございました。ご説明のとおり、軽くて屈曲性があ り、とても履きやすくて重宝しています。
そうですね。おっしゃるように、近くのお店で、きちんと説明してお願いしてみます。また、オールソールの張替えが必要 なときには、お願いすることになるかと思いますが、その節はよろしくお願い致します。


=A=
お気を悪くされないでくださいね。
ご依頼は、本当に嬉しいのですが、長い目で見ますとやはり負担が大きいと思います。
皆様が身近に信頼のおける修理のお店がある、という状態が理想だと思っておりますので、そのようなお店に出会われるこ とをお祈りしております。

それから、こんな面もございます。
お客様がお店を育てる・・・・、信頼されるとそれに答えようと思うのは自然なことだと思いますよ。


<樅山さんは、どのようにして今の職業に就かれたのですか>
Q 私は現在29歳で東京で派遣社員として働いております。今年5月で契約満了とな りこれをきっかけに手に職を付けようと考え色々探していたところ『フスフレーガー』という職業を見つけました。正直、 初めて出会った職業ですが、私も合わない靴をはいて足を痛めたことが何度もあり、同じ悩みを持つ人の助けになれる職業 に関心が高まりました。
調べていくうちに足に悩む人が多い中、その症状を緩和してくれる場所(人)が少ないことに驚きました。スクール探しを していたらフスフレーガーを養成するところは4ヶ所ぐらいしかなくどこも一長一短で悩んでいます。(純粋にフスフレー ガーを養成するのはフスウントシューのみで他はリフレクソロジーやタラソテラピー・西洋&東洋式マッサージを混ぜてい たりします)

そこで樅山さんがフスウントシューの修了生だという事で質問があります。
フスウントシューで学ぶ魅力は何だったでしょうか?
また他校にないメリットはありましたでしょうか?
私が一番気になるのはフスウントシューでは講座終了後に就職活動をどのようにされたかという事です。直接スクールの方 に問い合わせたところ就職課はないが紹介できるケースがあるので相談して下さいとのことでした。私の希望としては独立 開業することは実家の立地条件や資金から考えてもとうてい無理な話なので靴屋さんの中に併設されている小さな一角で仕 事が出来ればと思っています。(デパート含む)
一部大手スクールでは直営サロンがありだいぶ賑わっている様ですが指名制度や商品販売等も行っているようで、本来の目 的からはずれてお金の匂いがプンプンするような所では働きたくないというのが正直な気持ちです。(しかもお給料はかな り安いのです)フスウントシューで純粋にフスフレーガーの習得をし、それを生かして職業にしたいけれども、60万もの お金をかけて就職先がなかったら…と考えるとスクールに通うことを躊躇してしまうのです。長くなりましたが、樅山さん はどのようにして現在の職業に就かれたのでしょうか?
また、現在のフスフレーガーの就職状況についてご存知でしたら教えて下さい。
宜しくお願いいたします。(女性)
A 丁寧なメールで、お気持ちは良く伝わっております。

もしかしたら、勘違いされているかもしれませんが、僕の場合は、まず靴の修理で独立後(6年後)必要を感じて、フスウ ントシュー(オーソペディコース)に入りました。
従って、修了後の就職活動については、まったく経験がありません。
同様に、僕が通っていた頃は、生徒さん達もそれぞれ靴のメーカーに勤めておられる方や、スポーツ用品店の方など、既に それぞれの仕事を持っていて、という方がほとんどでした。
フスフレーゲの方は、もうちょっと感じが違うかも知れませんが、おそらく既にその方面で仕事をされている方が、スキル アップの為に来られる方(ネイル関係、フットマッサージ関係等)も多いでしょう。
ですから入学を前提とすると、その中の方と仲良くなって、そこで使ってもらう、というのが一番可能性が高いし、したい 仕事やその店の方針等もわかって、入ってからこんなはずでは・・・みたいな可能性が少ないでしょう。

事実、僕も同じクラスに〃Dr.FOOT〃というフットマッサージの鈴木さんという方(たまにテレビに出てます)がおられまし た。
台湾式の東洋医学的ツボ刺激のマッサージをされる方で、足に関わっていると、いろんな方の悩みに触れる機会がありますの で、鈴木さんも必要を感じてオーソペディーを習得に来られていました(フスフレーゲにも行っておられました)。
僕自身もそうで、修理をしながら、外反母趾で悩んでいる方などの相談を受けておりましたので、自分でも試行錯誤の末、ち ゃんとした知識の必要を感じていた時、ちょうどというか、あの阪神大震災が起こりました。
当分は営業できる状況ではなかったし、その時、自分に出来ることを考えた場合、その状況で活かせる技術ではなかった(靴 の修理が)ので、その後に少しでも地域の方に還元できる何かを身に付けたい、と思って地震の1ヵ月後に行きました。
話しが逸れましたが、鈴木さんと同じクラスの授業の最中に講師のドイツのマイスター、ティュルク先生が、朝から気分が悪 そうだったんですね。 顔が真っ青で(白人だからただでさえ白いんですが)、そしたら案の定「今日は気分が悪いので、少し迷惑をかけるかも・・・」 ということでした。

昼休みに鈴木さんが、先生の足をマッサージしましょうか?ということになり、したんですね。 そうしたら、これが凄かったですね、午後からは、血色も良くなって「パーフェクトだ」ってことになってしまいました。
ドイツから日本に足と靴の健康について教えに来た人間を治しちゃったんですね。
僕が、すぐに弟子入りを希望したことは言うまでもありません。
西宮に帰って、店を売るところまでいったのですが、地震のバタバタのせいでまとまらず、それでも技術だけは教えて欲しい と頼み込んで、教えていただきました。
ですから一歩間違えば、このサイトも存在しなかったんですね。

何が言いたいかと言いますと、まずその仕事として現場に飛び込んで、本当に必要と思ってからでも学ぶのは、遅くないとい うことです。
それに、どの様な悩みや要望があって、自分には何が足りないのか、がはっきりと見えてきます。
それに仕事をしながら感じることや、いろんな人との出会いで、微妙に変っていくこともあるし、そこでどれほど上達したい、 何とかしたい、と思い行動するか、です。
それに学校へ行くだけが、学ぶ手段ではありませんしね。
でも確実なのは、そのプロになる、ということでしょう。

野茂やイチロー、中田もしかりですね。

地震の最、ボランティア元年と言われ、たくさんの方が来てくださいました。
当初は瓦礫の処理など、身体ひとつで来てくださっても助かったのですが、徐々に失礼な言い方ですが、何をしに来ているの かわからないような方もお見受けしました。
そんなこともあって、日本のボランティアというものに違和感を感じていたとき、ある方のメッセージで目からうろこが落ち ました。
国境なき医師団というNGOをご存じでしょうか?
その日本人医師第一号が貫戸朋子さんという女性なのですが、そのニュースレターの中で書かれていたものです。

最後に、うる憶えですが転記いたします。

「今でもカミュが読まれているかどうかわかりませんが、彼なら「国境なき医師団? Absurdly !(ばかげたこと)」と言うで しょう。
〃休みなく岩を転がして山頂まで運び上げることの繰り返しは、代理人としての称賛と支持を受けるかもしれませんが、運び 上げた岩はそれ自体の重さで結局はいつも転がり落ちてしまうこと〃を今では誰もが知っています。
でもそれだけでしょうか?
私たちはその〃Absurd"をはね返したい。
無防備に裸で傷つき、危険にさらされている人々を黙って見ていられるでしょうか?
国境なき医師団は僻地での救急医療のプロフェッショナルな集団です。
成熟したプロとして働くことこそ、私たちを支援しサポートしてくださる方々に、誠実を示し、受け入れてもらえる道だと信 じております。」


<靴の学校に通って勉強しています>
Q HP拝見させて頂きました。 今日、神戸で独りで靴職人をしている鈴木幸次さんの情報を探していて このシューファクトリーのページを発見しました。
私は、3年前まで西宮に住んでいて、 このような素晴らしい靴の修理屋さんがあるとは知りませんでした。 上ヶ原に住んでいて、関西スーパーの辺りもよく通っていました。
今、東京で靴の学校に通っていて、いろいろなパターンの作り方や 製甲、製法、デザインを学んでいます。 次の春には学校を卒業します。
私は、リペアの仕事は職人への一歩だと常々思っていました。 樅山さんもそう思いますか? 自分で作った靴を修理出来なければならないですよね。 外国で修行してみたい、リペアで仕事をしてみたい、企画で仕事をしてみたい、 靴を作っていきたい、 自分の中でまだどの道へ進むのか迷っていて答えを出せていないのですが、 今、学校で学んでいることをたくさん吸収して、次に繋げていきたいと思います。
突然のメールで失礼しました。
西宮ということで、私はいてもたってもいられませんでした。 これからも、靴に愛情をもって頑張って行きましょうね。(女性)
A はじめまして。 このようなメール、大歓迎ですよ。 いつでもどうぞ♪
僕の知っていることや、友人関係でご紹介できることがあれば、どうぞおっしゃって くださいね。
ついこの前にも英国で靴作りを勉強してきた奈良に住む方から、中古のミシンやラス トの入手方法を尋ねられて、長田のほうまで行ってきたところです。 西宮にお住まいだったのですね。 おそらく1度や2度は店の前を通られているのではないでしょうか。 ちっぽけな汚い店ですので、通り過ぎる方が多いみたいです(笑)。
リペアのもっとも良い点は、お客様との距離が近い、たくさんの方と話したり、要望や悩みを聞けるという点ですね。
僕自身は、足と靴に関わることを少し勉強した(お客様からの悩みを聞いているうち にそうなった)ので、作るというのはあくまで手段で、履いてもらってなんぼだと思います。
ですから、細かい技術にこだわるのではなく、どんどん先へいって、とにかく作って 履いてもらう、そしてそれこそ経験でしか学べない”生の声”に耳を傾けてください。
ミシンの縫いなんか、1日中縫っている工場のパートの方に、敵うわけないのですか ら、この方面を目指されるのなら、貴嬢にしかできないこと、技術というハードより は、その先のソフトの面を磨いてやって欲しいというのが、皆さんに望むことです。 勝手なことを書きましたが、少しでもお役に立てば幸いです。


<人を判断するには靴を見ろとも言われていますが・・・>
Q  初めまして。
 靴の修理・百科事典を楽しく拝見させていただいております。そしてとっても役立っています。
 ファッションの雑誌,ホームページ等では靴は目立たないようで人目に触れる機会 が多く,スーツ姿を引き立てるには靴はできるだけ上質のものを選びなさいと言われ ています。また,人を判断するには靴を見ろとも言われていますね。
 そこで質問なんですが,スーツに合わせる靴(紳士物)には数千円から十万円程度 のものまで非常に値段の幅が広いですが,この値段の差はいったいどこにあるのでし ょうか? いくら上質の皮革を使用していると言っても靴ですから,使用量としては しれているのでこれほどの値段差がつくのが不思議です。
 また,物にはいわゆる普及価格帯の商品とそれ以上の商品がありますが,一般的な 靴の場合にはこの価格の境目はどの当たりにあるのでしょうか?逆に言うと,普及価 格帯以上の靴を選べば,末永く使用できるのでは?と思っておりますが,いかがでしょうか?
ご意見をお聞きしたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。(男性)
A はじめまして。
HPの冒頭にも明記しておりますように、僕自身は”靴は履いて歩くための道具である”という域を出ません。
ですから必要以上に高いものを求める必要は決してないと思います。 それに、最も大切なことは足に合っているということです。 このあたりはQ&A 靴と足偏 「欧米の高級靴は歩きやすいのでしょうか」をご参照ください。 次に長く使えるという点ですが、2つのことが言えます。
ひとつは履き方を含めた ”お手入れ”もうひとつは修理に適した ”製法(構造)、素材”です。
このあたりもQ&Aに詳しく説明しておりますので、ご参照ください。 これらを満たす靴は、僕が思うには2万円台で十分に手に入ります。 そして僕がクレバーな方だなと思うのは、何度も修理をして履きやすくて手放せない 靴を何足もお持ちの方です。


<靴職人になりたいのですが Part 3>
Q 私は、24歳女性で和歌山に住む○○と言います。 製靴について興味があり、製靴学校について調べていたところ、こちらのHPを見つけました。

私は、足のサイズが大きく店に行っても私のはける靴は少ししか無く、合ってもデザインがイメージと違っていたり、 歩くと靴づれしたりする事が多いです。
最近では、大きいサイズを販売している店も出てきましたが、価格は高めです。
高い割に自分の足にしっくりくるモノではありません。
私の足にしっくりくる靴が欲しいなとオーダーメイドを考えるようになりましたが、それなら自分で作ってみたいと思うようになりました。
私は、靴の職人というのではなく「自分の履きたい靴を自分のために創りたい」と思い製靴学校を探しています。 習った後も自分で自分の靴を創って行きたいと思っています。
一足だけ作るのでは無く、講習が終わった後も自分の創りたい靴を自分で創れるまでに教えてくれる学校はありますか?

東京の学校は何校か見つけたのですが、大阪ではなかなか見つけられません。 私がインターネットで調べた大阪の学校では、西成製靴塾というのがありましたが、 どのような学校がご存じですか?
A 文面から、靴を作るという体験をカルチャーセンターののりで趣味でやるのではなく、とりあえずは自分の足に合った、 デザイン的にも納得のいく靴(おそらくはウォーキングシューズのようなタイプではなく、パンプスタイプだと思いますが) を作るという目的のための手段として靴作りをしたいと判断させていただきます。
それを実現させるには、すべてが一流にならないと出来ません。
その道30年以上の職人が、今でも日々オーダーされた方の足に合う靴を作るために試行錯誤しています。
その覚悟がある上で、靴を作る最低限の道具や機械、揃えるのにどれだけ安く見積もっても50万は必要です。 さらに作業する場所、材料、と色々ありますが、それでもやる気なら、またご連絡ください。


<新品の靴の革底へのゴム半張りを断られました>
Q 先日、ケア用品を通販させていただきました、本日無事に商品を受け取りました。
早々の御発送、ありがとうございます。
早速、靴を降ろす前にお手入れさせて頂こうと思っております。

さて、今回わたくしが購入いたしました、靴ですが、
plus by chausser/プリュスバイショセ という国内メーカーさんの、カントリーブーツです。
底の製法はマッケイ製法と表記されていました。
本日、修理やさんに持ち込んだところ、『当店では新品の革底への、ゴム半張りは引き受けしておりません』 とのご回答をいただきました。
HPのQ&A集を読ませて頂いて、革底へのゴム半張りにもメリットデメリット共にあり、 職人さんによって見解も様々だということは、認識していましたが、まさか断られるとは思っておりませんでした。
『新品の革底はそのままが一番美しいので削れない。まずはそのまま履いて頂くのが私のポリシーです』と、その修理やさんはおっしゃっておりました。
他にも修理やさんはありますし、そのご主人の信念にも圧倒されましたので、また別店舗にお願いしようと思っています。
ご主人のおっしゃったこともわかりましたが、やはり早い段階でゴム半張りをしてしまいたいので・・・

それにしても今回はじめて感じたのですが、靴の修理を取り扱っているお店は意外と少ないのですね。 以前から、時計の電池交換ができるお店が減ったなあ、と思っていたのですが、靴の修理職人さんも、同じように少なくなってきているのでしょうか?
わたくしが住んでおる地域では市内で2店しか見つけられませんでした。
商品到着の報告だけにするつもりでしたが、つい長文になってしまったことをお許しください。
それでは、こらからもHPを参考にさせて頂きたいと思っております。
ありがとうございました。
A この度は、ご利用ありがとうございました。

こちらで修理可能なのに、お客様が希望されているのに修理をお断り、もしくはお勧めしない場合は、 履く道具としてその修理内容が構造的に意味がないか、デメリットが大きい場合でしょうね。
ですので新品の靴だからしないというのは、ちょっと解せないですね。何か自らの仕事を放棄している気もします。
新品の革底はそのままが一番美しいというのであれば、ゴム半張りしても違和感がない、もっと言えば張る事により違う美しさを出すのが企業努力だと思うのですが・・・。
1回履いて持って行けばどうですか(笑)。

今回の修理の店のように、どちらかといえば変な職人意識でやられるところも少なくないので、仕方がないのかもしれません。
普通なら別の店に行って淘汰されるのでしょうが、選ぶほど店の数もないので、修理に持って行くのが億劫になってしまうというのが一番懸念するところです。

これに懲りずにと言ってしまうと、そのご主人の信念を否定してしまうようですが、今後も靴の修理とうまく付き合っていただきますよう宜しくお願い致します。


<グッドイヤーウェルテッド製法についての定義>
Q グッドイヤーウェルテッド製法について、質問があります。

ダシ縫いのアウトステッチが出ていないソール(例えばいま流行りのブリックソールなど)の靴もグッドイヤー式と呼べるのですか?
ウェルトにスクイ縫いがされていればその時点でグッドイヤー式となるのですか?
定義がよくわかりません。
ちなみにサンダースのブリックソールの靴なども、グッドイヤー式と表記されています。

レザーソールでチャネル仕上げのもの等は、当然グッドイヤー式と呼べるのでしょうが‥

ご返答お願い致します。

男性 靴販売員
A グッドイヤーウェルテッド製法に対して、ハンドソーンウェルテッド製法というのがありますが、 これは「手縫いよってウエルトが縫い付けられた」で良いと思います。
つまりウエルトがすくい縫いによって縫い付けられますが、それが機械(グッドイヤー氏考案によるものらしい) で縫われた靴がグッドイヤーウェルテッド製法となります。

ちなみにサンダースのブリックソールのようなソール部分に縫い目が見えなくても、 ミッドソールがウエルトにアウトステッチで縫われ、そのミッドソールに接着で本底が取り付けられているのですが、 それをセメント製法とは呼ばない、セメント製法とは靴本体と本底がそのまま縫われること無しに取り付けられている場合のみと定義してよいでしょう。


<ラバーソールの溝の掘り方>
Q はじめまして。
ホームページいつも大変参考にさせていただいてます。
実は私は大阪府で靴修理の店をしている者ですが、今回どうしても質問したい事がありますのでメールをさせていただきました。
同業者であり修理方法についての質問ですので樅山様のサイトの目的とは違ってしまうとおもいますが、何卒御一考いただければ幸いです。

まず自己紹介をします。私の名前は○○ ○30歳です。
大阪府にある私の店「○○○○」は父が30年近く経営していたものですが、近年私が継ぐことに決まりましたのでより良い店にするため日々努力しているところです。
父とともに店に立ちはじめて1年ほどですが今ではオールソールを含めてほぼ仕事はこなせているのではないかとおもいます。
自分の実力がどれほどのものかは分かりませんが「どうやったらより良く仕上がるか」を常に考えながら仕事をしているので、 少しずつでも上達はしているとおもいます。樅山様にサイトに出会ったことで大変勉強になりました。
まだまだ経験は浅いですが続けていきたい仕事なのでこれからもがんばっていきます。

今回教えていただきたい質問ですが、結論から申しますとビブラム製ダイナイトタイプの合成ラバー底を使ってオールソール修理をする際、 底縫い糸を納めるための溝を掘る方法を教えて欲しいのです。
私の店ではオールソール修理に使う材料は、御存じかどうか分かりませんが、「合成板」と呼ばれる表面に光沢がある板か「パールライト」 と呼ばれる軽い素材の板、を使ってしていました。
しかしこの材料での修理はあまりお客さんの評判が良くないようなので、樅山様のサイトに触発されてのことですが、 ビブラムダイナイトタイプの底を選択肢に入れてお客さんが選べるようにしようと考えました。
店頭にディスプレイするためにこの底でオールソールをしてみたところ、ステッチンググルーバーの刃がうまく入っていかず縫い糸を納める溝を掘ることができないのです。
グルーバーは東急ハンズで買ったクラフト社製のものですが、刃を細く研ぐことで、革の場合も合成素材でも掘りやすくなることは教わっていました。
それでも光沢のある「合成板」は掘りにくいのですが、なるべ細く研ぎ、何度も掘ることで深い溝は掘れていました。
しかしダイナイトタイプの底はほとんど刃が入らず、糸が納まるぐらいの溝は掘れそうにありません。
ちなみに私にオールソール修理の方法を教えてくれたのは父ではなく、父の友人で同業者の方でした。
父はオールソールができないわけではありませんが、最近は全てその方にしてもらっていたので、私もその方に教えてもらいました。
しかし非常に悲しいことにその方は、1か月ほど前に肝臓の病気で亡くなってしまいました。
ダイナイトタイの底の使用経験もあるはずですし、道具を自作したりして様々な工夫をされる方でしたから今回の件も何か答えを持っていたのかもしれませんが、 もう聞くことはできなくなってしまいました。

山林アリアン店様には私も毎週のようにお世話になっています。
先日、靴を見せながら相談してみましたところ
「グルーバーは合成素材には入っていかない」
「包丁を使ってV字型に切れ込みを入れることで溝を作ってくる人が多い」
「合成素材の溝掘りはみんな苦労しているようだ」
「なかには全く溝を掘ってこない人もいる」
といった答えでした。
包丁を使って溝を掘るとなるとフリーハンドで切れ込みを入れることになりますから、きれいに仕上げることは難しいとおもいます。
樅山様のサイトの写真を見るかぎり、ダイナイトタイプの底でも非常にきれいに溝を掘られているようです。
どのように掘られているのか方法を教えてはもらえないでしょうか。
はじめてのメールであり、顔も知らない間柄でいきなりの質問、失礼かとおもいますが、どうかよろしくお願いします。
A はじめまして。
WEBサイト「靴の修理・百科事典」、shoefactory&shop 修理屋を運営しております樅山 一朗(もみやま)と申します。
お仕事を継がれるということで、さぞお父様もお喜びでしょう。
お歳が30ということは他業種からの転身ということでしょうか。

僕自身サラリーマンの経験もありますし、学生時代はサービス業のバイトの経験など、今でも役に立っていますので、身に付けた経験をこの仕事に生かしてがんばってください。
ただサラリーマンなどと違って、独立した事業になると、特にこの仕事は技術職ですので、自分で考えてやり方を見つけていく、教えてもらう時は素直に聞けばよいですが、 教えてもらったことを自分なりに改善していくという作業をする必要があります。
たとえばお書きの合成板や特にパールライトなどは、作業性は良いかもしれませんが、耐久性・グリップ性に問題があります。
せめて接地面はハーフラバーソールで予め保護するなどしないと問題があるのではないか?という意識が必要です。
始めて間もないからわからなかったというのは逆で、それを常としている人には疑問の余地を挟むことがないので、素人のようなあなたが素人だからこそ、 この素材ではダメなのではないかと普通に感じることは可能なのです。
お客様に指摘されてからでは遅い、履く道具として履き心地、耐久性はどうか、ということは常に意識する必要があります。

ご照会の件ですが、包丁で(正確にはオルファカッターの別タチ)でV字に切リ込みを入れます。
もちろんグルーバーで印をつけてからですが。革と違って深い溝は必要ないので、表面にステッチが出ない程度で十分です。
溝を掘った時点ではきれいでなくても、縫いが掛かったら少々の溝の幅の大小はわからなくなります。慣れれば数秒で出来ます。
最初は丁寧にやって、後はそれを普通に早く出来るようになる、この繰り返しでしょうね。
それには、グルーバーは、タンディー社のはお使いにならないのでしょうか?
替え刃だけでも買って、クラフト社の本体でも使えなくないですから、 試してみてください、見違えるようにきれいに簡単に掘れるというような、道具の工夫も大事です。
それではお店、○○様のますますのご発展、ご活躍をお祈りしております。


<劇に使うハイヒールが折れるように細工できますか>
Q はじめまして。
ホームページを拝見して、ご相談させていただきたいと思いました。
特殊な質問になるのですが、よろしいでしょうか…。

私、劇団に所属して舞台公演などを行っております。
今度の舞台で、劇中にハイヒールのかかとが折れる、という事を実現できればと思っているのですが、 どのような細工が必要なのかと思い、専門家の方にお聞きしたいと思った次第です。
動きはあまりありません。
彼女は、遅刻している彼氏が来るのを待っていた、という設定です。
どこから折れるのか(根元かヒールの真ん中あたりか)は、根元から、の方がイメージとしては近いです。
でも今回の、修復してまた使う、という目的が果たせるためでしたら、どちらでも大丈夫です。

その〈ハイヒールのかかとが折れる〉というシーンは、ストーリーのなかで1度だけですが、公演は全部で10回行います。
できれば、折れたヒールを修復し、また折る、というように使いまわしたいのですが、
それは可能でしょうか?
また、どのような細工をすれば、ドラマのように、ヒールが折れるようになるのでしょうか?

私達は、「PEOPLE PURPLE(ピープルパープル)」といいます。
今度の公演は、大阪・梅田にあるHEP HALLにて上演いたします。 梅田のHEP FIVE内8階にございます。
劇団ホームページのURLを記載いたします。もしよろしければご覧下さい。
公演の詳細もご覧いただけます。
http://people-purple.com/

お手数をおかけしますが、ご相談にのっていただけるととても助かります。
よろしくお願いいたします。

 PEOPLE PURPLE
 習田 歩未
A 習田 歩未 様

はじめまして。

なかなかワクワクする質問をありがとうございます。(笑)
FAXの方に図は描いて送りますので、両方ご参照ください。

@靴の選び方 ・・・・・ ソール(底です)が、つま先からヒールの先までつながっているタイプ(FAX図1) 色は黒が良いでしょう(傷が付いてもマジックで補修できる)
ヒールの高さは5センチくらい、太すぎず細すぎずといったところでしょうか。
安すぎる靴は、作り的に作業が困難な場合があるので、最低でも1万円弱位の靴をご用意ください。
A靴の折り方 ・・・・・ これもFAXの図を見ていただいて、立った状態、小股で歩くくらいは可能で、
足を前に出してつま先を手前に曲げるようにしてかかとの後ろの方で接地して体重を掛けると折れる。

これでよければ、作業は15分もあれば可能ですので、お持込いただくか、郵送していただければ、細工して送り返します。
作業内容は、ヒールを固定してある釘やネジを取り除き、接着で借り止めするというものです。
10回くらいでしたら、おそらく繰り返し「接着で借り止め」・「折る」、は可能でしょう。接着剤で仮止めだけなら、ご自身でも可能です。
ゴム・革用接着剤をお使いください。ホームセンターやロフトで手に入ります。
使い方は、接着面の両面に薄く塗って くっつけずに開いたまま10分ほど乾燥、手で触ってヌルヌルしていないくらいでドライヤーで軽く接着面を温めて、 一気に固定して力を入れたままで20秒ほど待つ。
繰り返すうちに接着剤が重ね塗りになるので、サンドペーパーで擦って、前の接着剤を擦り取ってやる。2〜3回に1回くらい
仮止めに釘や、金具を使うと、床を傷つけたり、足を怪我する恐れがあるので、接着だけが良いと思います。

HP拝見させていただきましたが、神戸の劇団なんですね。
映画は好きで良く見るのですが、劇はさっぱりで、時間が合えば是非体験してみたいと思います。
次回の案内を見ましたが、映画「ラブ・アクチュアリー」っぽいのかな?と勝手に想像しております。

こんなものでお役に立てれば幸いです。
それでは、習田 歩未様の、ますますのご活躍をお祈りしております。


<高い靴なのにセメント製法?>
Q はじめまして。
ここではおかしい質問かも知れませんが、丁寧にお答えされているのでメールいたしました。
サルトルの製法を教えて頂きたいのです。
サルトルのスタンダードなジョッキーブーツを買ったのですが、老舗ブランドと価格(10万円)で、 当然(勝手に)グッドイヤーか悪くてもマッケイあたりの製法かと思っていましたが、
何気なく伊勢丹の売り場に聞いたところセメント製法と言われ、とても信じられません。

確かめようにも『サルトルジャパン』のようなわかりやすい日本代理店も無い為、こちらならご存知かと思い・・・
サルトルの公式HPでは職人がソールに手縫いを施しているのですが、ただの飾りかもです。
写真を添付しますので、これを見て判断される限りではいかがでしょうか。
他では聞いてみようもないので、どうぞよろしくお願いします。
A はじめまして。
ご照会のデザインは、手に取った事がないので何とも言えませんが、わざわざ印象の悪い方に嘘をつく事もないでしょうし、 一番ポピュラーな踏まずから前半分がダブルソールになったタイプは、セメントですね。

普通の乗馬靴も修理したことがありますが、グッドイヤーウエルトで作られていました。

ですから構造的には可能なはずですが、この辺りになると、
「ルイヴィトンのモノグラムは高いのに革ではないのか」
と言うのと同じで、ファッション・ブランドと言う目で見るべきなのでしょう。


<以前から靴に対する興味が大きくなっており、アドバイスを・・・>
Q はじめまして。
今年8月で29才になる○○○○と申します。
以前から靴に対する興味が大きくなっておりメールさせて頂きました。
自分は諸事情があり、先日まで拘留されている身でした。その際前から感じていた事ですが、真剣に生きたいと。
収入よりも自分の決めた道に人生を使って進みたいと強く感じ、以前拝見させて頂き大変参考になりましたこともありこうしてメールさせていただいています。
靴業界といってもいろいろな種類があると思いますが自分が取り分け興味を抱いているのは男女のビジネスシューズです。
ビジネスといえば生活にかかせないものですがそのビジネスにかかせないものを携わるというのは素晴らしい事ではないでしょうか。
また、将来は子供靴まで伸ばせたらという展望などももっております。
ただ自分には靴業界にいかせる職歴などは人と接する事くらいなものです。
デザインにも興味はありますが、一番は靴を木型から製造していく…。芸術を作り出す事に憧れます。
先ほども申し上げましたが、 収入の為ではないといっても知識は腕、人望などなく一からという状況で自分が望む事が形になるほど甘い世界ではないと思います。
そんな自分が少しでも夢の為に進むにはまずなにをすべきか…。
別のアルバイトなどしながら資金をため、学校へ→そのあと職人さんの元で働きながら腕を磨き先へ進む事などが思い浮かびます。

人生をかけて一からやっていきたい。
何もない自分ですがそう考えています。また今は昔のように住み込みで修行や働きながら学ぶという所はあまりなく感じます。
あればいいんですが投げ出す方も多いのでしょう…。

よければアドバイスをいただけないでしょうか?よろしくお願いします。
A はじめまして。

”靴に対する興味が大きくなっており”というのは、微妙な表現ですね。
しかもそれで靴関係の会社に入って靴業界の仕事をするというのではなく、”自分で作る”ということは、映画に興味があるから監督になるというのと、ほぼ同義語です。
こうすれば監督になれて仕事があるというような王道がないように、道なき道を自分で切り開くしかありません。
ただ靴の場合は、機械化により作り手が必要なくなったという側面があるので、何故それを否定して作るのかというロジックなりフィロソフィーがないと、 既成の靴では合う靴がない、というような方もおられるので、そのためのオーダーというならわかりますが、必用とされていないということに変りはないのではないでしょうか。
それともデザイン力に才能があって誰よりも素晴らしい靴を作り出せるというのなら、芸術のレベルですから、才能次第でしょうね。

少し嫌味っぽくなりましたが、何故このようなことを言うのかと言うと、こちらでもたまに仕事をしたいというような問い合わせを頂く事があります。
理由は「靴が好きだから」や「物を作る事に興味があるから」とういうものです。
でも実際は、”それをしている自分が好き”ということがあります。
別にそれでも良いではないか、と思われるかも知れませんが、このような地味でコツコツ積み上げるタイプの仕事は、それ自体が好きでないと苦痛ですよ、 そしてそのために手を抜くと良い仕事もできないのです。
今までにこのようなことに興味を持った事がありますか?
理系でしたか?
技術・家庭科が得意でしたか?

何もする前から自信もないでしょうが、必用なのにないので困っているというわけではなく、興味があるというだけでは、かなり漠然とした余裕をもった動機かなと思います。
人生に正直に向き合って生きるというのは、もっと身近なところに目を向ける事から始まると思いますよ。


<100円ショップで靴のヒールの修理(交換)用ゴム のセットを買いました>
Q 最近、100円ショップなどに靴のヒールの修理(交換)用ゴムのセット(釘付き)が売っているので、試してみたんですが、 私の安物靴のヒール(細め)はプラスチックになっていて、ゴムをボンドで貼って、その後、釘で打ち付けようとしてもなかなか入らず、 釘のほうが折れ曲がったしまいます。
これは、釘がちゃちいのでしょうか、やり方が悪いのでしょうか(きちんと靴を固定できていない?)、それとも、プラスチックのヒールにはできないのでしょうか? (・・・でも、修理屋さんにお願いしても釘で打ち込まれていると思いますが)
それと、ゴムもヒールの大きさに合わせてカットしないといけないですが、うまくカットする方法ってあるのでしょうか? ゴム用のカッターとかあるんですかね?

ご回答頂けると幸いです。
A 釘が曲がるのは、やはり靴が固定されていないからでしょう。
そちらも含め、バッチリの物があります↓
http://www.nemoto-ss.co.jp/repair2.htm

80Fと台金5点セットがあれば、素人の方でも比較的安全で簡単にゴムの成型ができますよ。
あわせて100万円もあれば揃うでしょう。

安全性を考慮すれば、この他には思い当たりませんので、あとは修理(交換)用ゴムのセットの販売元にお尋ねください。



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